【椎間板ヘルニア】病気のサインや予防策
椎間板ヘルニアは、フレンチブルドッグがかかりやすい病気のひとつ。この病気は、生まれつき軟骨の変性を起こしやすい「軟骨異栄養犬種」に発症しやすく、フレンチブルドッグの他ダックスフント、ビーグルなどが有名です。
椎間板ヘルニアは非常に強い痛みをともない、処置が遅れると一生歩けなくなってしまいます。つまり、早期発見が大変重要な鍵をにぎっているのです。
今回は、椎間板ヘルニアの初期症状や予防策についてご紹介しましょう。

vijaifoon13/shutterstock
病気のサイン
抱っこをいやがる、抱き上げたときに「キャンッ」と大きな声を出す、段差を嫌がる、散歩をいやがる、頭を下げたまま歩く、腰を左右に振ってヨタヨタ歩く
症状
背骨は首からしっぽまでとても長いのですが、頚部での椎間板ヘルニアが起きた場合と、胸腰部で起きた場合とでは少し症状の出方が異なるようです。
頚部での椎間板ヘルニアは、とにかく強い痛みをともないます。しかし、脊髄の圧迫による麻痺症状は比較的軽く、歩き方にはあまり異常が認められないようです。胸腰部で椎間板ヘルニアが起きた場合は、軽度であれば痛みにより体をかばう動きを見せるようになるのが特徴。次第に足の麻痺、しびれにより歩行が困難になっていきます。
もし、愛ブヒがいつもの様子と違ったら、すぐに病院を受診するようにしてください。
悪化すると一生歩けなくなる可能性も
進行すると、足の麻痺やしびれが伴い歩行が困難になります。さらに進行している場合は起き上がることもできません。
椎間板ヘルニアは、とにかく早期治療が肝心です。先述の「病気のサイン」がひとつでも当てはまるようなら、必ず病院へ行くようにしましょう。
原因
椎間板ヘルニアは、椎間板(骨と骨の間に存在する物質で、主に外部からの衝撃などを吸収する)の中の髄核(ずいかく)と言われるものが変性し、椎体の上(背中側)に走っている脊髄神経を刺激し、圧迫します。
フレンチブルドッグは、生まれつき軟骨の変性を起こしやすい「軟骨異栄養犬種」。朝起きたら突然動きが悪い、ヨロヨロするなど急激に発症します。
もちろん、過度な運動などで腰に負担がかかり過ぎると発症する可能性が高まります。フレンチブルドッグはお散歩や運動が大好きな犬種ですが、なるべく階段や坂道はゆっくり飼い主さんと歩くように心がけましょう。ゆっくり階段や坂道を歩くことは、背骨の柔軟性を保ち、また、腰を支える足の筋肉も強化されます。
適度な運動でヘルニアになるリスクを下げよう
お散歩の時間は、10分×2回(朝・夕)がベターとされています。適度に日々お散歩を続け、椎間板ヘルニアになるリスクを下げておきましょう。
また、太りすぎも発症率を高める一因に。確かにフレンチブルドッグは、まん丸でポテッとしていた方がかわいいかもしれませんが、椎間板ヘルニアをはじめ、糖尿病など危険度の高い病気を招く原因になることを覚えておいてください。何ごとも「適度」が一番です。
治療
椎間板ヘルニアの治療は、ヘルニアの程度によって温存療法と外科療法が一般的とされています。
温存療法
症状が軽い場合は、温存療法が適用されるケースが多いでしょう。鎮痛剤を投与し、ケージの中で2週間〜4週間、絶対安静を保ちます。フレンチブルドッグは興奮しやすい犬種なので、テンションを上げるような行動はとらないようにするなど、飼い主の心づかいも重要です。
外科療法
症状が重度の場合は、外科療法をするケースが多いでしょう。MRIで検査をして、患部を確認してから手術を行います。その後、病院や自宅でリハビリをします。
MRI検査には、全身麻酔が必要です。フレンチブルドッグの全身麻酔にはリスクが伴うことは周知の事実。できるかぎり愛ブヒへの負担を減らすために早期発見をするよう心かげましょう。
予防
椎間板ヘルニアを予防するには、からだに負担をかけすぎないことが最も重要だと思われます。
過度な運動はしない
お散歩や運動が大好きなフレンチブルドッグですが、ジャンプをさせたり何度もダッシュをさせるなど過度な運動はひかえるようにしましょう。お散歩はなるべく毎日継続し、階段や坂道はゆっくりと飼い主さんとペースを合わせて歩くようにしましょう。
階段・ソファからのジャンプは避ける
ゆっくりとした段差の上り下りは背骨の柔軟性を保つのにとても良いのですが、ジャンプしたり飛び降りたりすると、急な衝撃が背骨に加わり、からだに大きな負担を与えます。階段には柵をつくって勝手にのぼらせないようにする、ソファにはサイドステアーをつけるなど工夫をしましょう。
太らせない
肥満は骨や関節などさまざまな部位に負担をかけます。それだけでなく、糖尿病など危険な病気を発症することもあるので太らせないように心がけましょう。フレンチブルドッグは食欲旺盛な犬種です。フードは低脂肪・高タンパクのもの、おやつの回数を減らす(あげるときは低カロリーのものにする)など、きちんと健康管理をしてあげましょう。

獣医師:堀江志麻先生
治療費
椎間板ヘルニアを発症し、手術をすることになった場合の治療費はこちら。
・(再)診察料 1,000〜2,000円
・MRI検査 50,000円〜
・全身麻酔 15,000円〜
・手術費用 100,000円〜
その他、入院費や血液検査などを考慮すると30万円以上かかるかな…と思います。
※症状や病院によって相場は異なります。あくまでも参考金額です。

獣医師:堀江志麻先生
おすすめ記事
-
「停電=命のリスク」から愛ブヒを守る。猛暑時代に「Jackery ポータブル電源 2000 New」が欠かせない理由とは?
もしも、真夏に停電が起きてエアコンが止まったら…。
フレンチブルドッグと暮らす私たちにとって、それは「ただの不便」では済まされません。
暑さに弱く熱中症のリスクが高いフレンチブルドッグにとって、空調が途絶えることは命に関わる問題。
そんな“いざ”に備えておきたいのが、「Jackery ポータブル電源 2000 New」。
これはフレブルと暮らすご家族にとって、欠かせないアイテムです。
実際に導入したフレブルオーナーのリアルな声や、キャンプなどでの活用事例とともに、愛ブヒの命を守るための「本当に必要な備え」をご紹介します。
(PR 株式会社Jackery Japan)
PR -
【愛犬とのキャンプに】行って実感!「ELL’S PARK 長瀞」が犬オーナーに“選ばれる理由”とは〜フレブルJACK〜
2024年11月にオープンしたばかりのアウトドア複合施設「ELL’S PARK 長瀞(エルズパークながとろ)」。
ここは日本では珍しい「犬連れ専用アウトドア施設」で、すべてのエリアがドッグフレンドリー!
そんな「ELL’S PARK 長瀞」さんから、「フレンチブルドッグで全施設をジャックしませんか!?」という素敵なご依頼をいただき、
フレブルだらけのキャンプイベント——その名も「フレブルJACK」が開催されました!
当日は晴天に恵まれ、全国から約45組のフレブルファミリーが大集結。
この記事では、イベント当日の様子をレポートしながら、参加したフレブルファミリーたちが実感した「ELL’S PARK 長瀞」の魅力をたっぷりとご紹介していきます!
(PR リバストン工業株式会社)
-
【取材】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】上沼恵美子さん「もう一回だけ抱きしめたい」愛犬ベベとの12年間
運命の子はぼくらのもとにやってきて、流れ星のように去ってしまった。
その悲しみを語ることはなかなかむずかしい。
けれども、ぼくらはそのことについて考えたいし、泣き出しそうな飼い主さんを目の前にして、ほんのすこしでも寄り添いたいと思う。
その悲しみをいますぐ解消することはできないが、話をきいて、泣いたり笑ったりするのもいいだろう。
こんな子だった、こんなにいい子だった、ほんとうに愛していたと。
ぼくらは上沼恵美子さんのご自宅へ伺って、お話をきこうと思った。
取材 -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【ドッグフードの闇を暴く】フレンチブルドッグに最適なドッグフード選びガイド【2025年最新版】
みなさんは、日本におけるドッグフード業界の実態をご存知でしょうか。
日本では「ドッグフード=雑貨」の扱いで、ゆえに規制もゆるゆる。
良いと思い込んで与えつづけているフードの未来は、果たして明るいのでしょうか…。
今回は、原材料の見極め方からフレンチブルドッグ専用フード「THE fu‑do(ザ・フード)」まで。約20年間フレブルと向き合いつづけてきた私たちが、専門知識で結論を出します。
-
【取材】川口春奈と愛犬アムのやさしい世界。ー大人気女優は生粋のフレブルラバー
いまをときめく人気女優が、フレンチブルドッグラバーであるという事実。
そうです、その人は川口春奈さん。
アムちゃんというパイドの女の子と暮らしています。
話を聞けば聞くほど、そして春奈さんとアムちゃんのやりとりを目の当たりにするほどに、そのフレンチブルドッグ愛がわたしたちのそれとまったく同じであることに、なんだかうれしくなってしまったのでした。
春奈さんとアムちゃんのすてきな暮らしを、BUHI編集長の小西がいつくしみながら、切り取らせていただきます。
-
【スペシャル対談】愛犬の旅立ちと供養。霊感がない人も「愛犬の成仏」を知る方法!?【シークエンスはやとも×PELI】
愛犬の旅立ちは、誰もが目を背けたくなるもの。けれど事前に知っておくこと、考えておくことで、救われることがたくさんあります。
今回は、お盆スペシャル企画。世間が認めるほどの霊視能力をもつお笑い芸人「シークエンスはやとも」さんに、愛犬の旅立ちや供養についてインタビュー。
インタビュアー兼対談相手は、大の犬好きで心霊分野の知識にも長けているPELIさん。
「愛犬が旅立ったあと、ベッドやおもちゃはどうすればいい?」「お骨はどうするべき?」「お花やお線香は喜んでくれる?」
さらには、霊感がない人でも愛犬が成仏したことを知る方法まで。
お笑い芸人だからこそ暗くなりすぎない、むしろ心がスッと軽くなる。
永久保存版のスペシャル対談です!
対談 -
諦めかけた命。あれから2年、フードを変えたら15歳の今もお散歩大好きなフレンチブルドッグに!
今日は15歳の愛ブヒと暮らす、編集メンバーの実体験。
愛ブヒは二年前からすべてのフードが合わなくなり体重が激減。検査をしても異常はなく「年齢のせいですね…」と言われてしまいました。
もう諦めるしかないのかな…そんなとき、我が家に届いたのが「THE fu-do(ザ・フード)」の試食品でした。
そして「THE fu-do(ザ・フード)」を食べつづけて二年、愛ブヒは15歳になり、今も元気にお散歩をしています。
今回は、二年前の絶望から今までを包み隠さず、時系列でお話しさせていただきます。
-
【イベントレポ】5,000頭のフレンチブルドッグと7,000人が集まった「フレブルLIVE2024」の全貌!
11/9(土)-10(日)の二日間にわたって開催された『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』。
今年はのべ5,000頭のフレンチブルドッグと7,000人のフレブルオーナーが集まりました!
day1の司会はフレブルラバーのロッチさん。day2の音楽フェスには世代ど真ん中のPUFFYが出演するなど、例年以上に豪華なラインナップ。
北は北海道、南は鹿児島県から。全国のフレンチブルドッグが一堂に会した「フレブルLIVE2024」の模様を、詳しくお届けです!
最後には2025年の情報もありますので、要チェックでございます!
フレブルLIVE -
【前売りチケット販売開始!】フレブルLIVE 2025は、11/8(土)9(日)開催!スチャダラパーによるテーマソング制作も決定
『French Bulldog LIVE 2025(フレブルLIVE)』の開催は、11/8(土)-9(日)の2days!
お得な前売りチケット、いよいよ販売スタートです!
さらに今年はビッグニュースが。
なんと、ヒップホップグループ「スチャダラパー」がフレブルLIVEのテーマソングを制作してくれることになりました!
テーマソングの情報やお得な前売りチケットの販売情報など、内容盛りだくさんでお送りしていますので、最後までお見逃しなく!
フレブルLIVE
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
French Bulldog LIVE⚡️2025 (フレブルLIVE)
-
【特集】シン・スキンケア
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
【特集】永遠の選択。フレンチブルドッグ専用「THE fu-do(ザ・フード)」
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。