災害時に役立つトレーニング3選〜フレンチブルドッグの場合〜
東日本大震災から6年以上が経ちました。災害対策についての話が、少なくなってきたように感じている方も多いのではないでしょうか。最近ではミサイルが日本の上空を通過するなど、地震以外の災害も懸念されています。
災害が起きた後のリスクを考えることも大切ですが、どのように備えて被害を最小限にするのかの知識もとても大切です。犬と人の防災セミナーを日本各地で講演している、大久保ドッグトレーナーからの視点で、フレンチブルドッグに大切な災害対策を紹介します。この機会に改めて、災害への備えについて考えておきましょう。
それでは、災害時に役立つトレーニング3選(for フレンチブルドッグ)をご紹介します。
[1]クレートトレーニング
東日本大震災で犬が飼い主さんと同行避難をする際に、とても大切だと言われて見直されたのがクレートトレーニングです。
メリット
・避難所生活では、クレートが犬の落ち着く場所になります。周囲の人や犬にも迷惑が掛かりませんし、犬のプライベートエリアも保ててストレス軽減につながります。特に、興奮しやすいフレンチブルドッグは、スイッチをオフにして落ち着けるクレートという個室に慣らしておくことがとても大切です。
・飼い主さんがトイレなどで犬から離れるときにも、クレートに入れる犬であれば、犬だけで待たせることができます。
・家で被災して室内がガラスだらけになっても、まずは犬をハウスに入れて安全確保をしたうえで掃除が出来ます。
・災害以外でも、病院での入院やホテル、車での移動の際にも安全を確保してあげられます。
目標
2時間程度はクレートの中でゆったり寝ながら過ごせるようにしましょう。犬にとって安心、安全だと感じる場所にしていきましょう。
クレートの選び方
・犬が立ち上がった時に頭がぶつからない高さ
・犬がフセをしたときに体が曲がらない長さ
・犬が中で回転できる幅
・避難所などではクレートを重ねたりするため、丈夫で、天井が平らなもの。扉が閉められるもの。
※猫ちゃん用のドームベッドなどでは柔らかすぎ、扉もないので不適切です。
・クレートの扉あたりを噛んで壊すフレンチブルドッグも多いので、扉が壊れていないか定期的にチェックしましょう。
[2]人にも犬にも嫌がられない犬と飼い主になる
これは日頃からのトレーニングやマナーがとても大切です。日常では、飼い主さんさえ我慢すれば、吠えたり咬んだりしても問題ないと思う人もいます。しかし、非常時には強いストレスの中で集団生活を強いられます。みんなに嫌われない犬でなければ、一緒に生活はできないのです。
メリット
・避難所にも、そこにいる人たちにも、迷惑をかけなければ受け入れてもらいやすい。
・もし飼い主さんが怪我などで面倒を見られなくても、誰かに手伝ってもらったり、預かってもらいやすい。
・犬が迷子になっても、人なつっこくて人に近づける犬は捕獲しやすく助けてもらえる。
目標
・体中どこを触られても大丈夫にする。災害時に飼い主さんが無傷でいる保証はありません。他の人に面倒を見てもらう可能性は非常に高いです。飼い主さんしかできないことが多いほど、災害時には大変困ります。
・吠えないような環境管理(犬が苦手なら距離を置くなど)を飼い主さんが出来る。
・咬まない。咬んでしまうような状況に置かない(男の人が苦手でなでられると咬んでしまうかもしれないなら、飼い主さんが男の人に注意をする)。
[3]家具の転倒対策
トレーニングというと犬のしつけを想像するかもしれません。しかし、実は何より大切なのは、飼い主さんが生き残ること。その犬を守ってやれるのは飼い主さんだけなのです。飼い主さんが家具につぶされてしまうことは絶対に避けなければいけません。
メリット
・人も犬も転倒した家具による負傷を避けられる。大規模災害時は命の危険にさらされている方への医療が優先です。避けられる負傷は徹底して避けましょう。
・家具の転倒によるガラスの飛散など二次被害を避けられる。被災後は多くの方が避難所でなく自宅待機となります。災害後の自宅での生活がしやすいことも大きなストレスの軽減になります。
・室内に閉じ込められることを避ける。都市部では火災の危険も懸念されます。家具に挟まれたまま火災の危険が迫った場合、飼い主さんは犬を助け出せても、犬は飼い主さんを助けられません。また、出入り口を家具がふさぐことも避けねばなりません。
目標
・すべての家具に転倒防止の止め具などを使用してください。粘着パッドや、家具の足元に挟むだけのシートなど、ホームセンターにたくさんの種類の便利グッズが売っています。
・本棚や食器棚など、中のものが飛び出してきそうなところはロックできるような止め具を付けましょう。人だけの生活ではないので、低い棚にも(犬の体高より上なら)つけましょう。フレンチブルドッグの大きさでも、落ちてきた本によって重傷を負うこともあります。
おわりに
以上、3つの大切な防災知識をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。もし足りないものがあれば、早速ホームセンターかネット通販で必要なものをそろえましょう。思い立ったその日に動けるかどうかが、防災の分かれ道です。
大規模災害の時は人の命が最優先であるのは、人間社会ですから当然のことです。それはペットたちのことが大切じゃないのではなく、人が無事でいて初めて、ペットたちの命を守ってやれるのです。犬たちは災害に備えることが出来ません。人の手助けがないと生きていけません。飼い主さんに命を預けているのです。
災害後、被害に対してどうするかではなく、被害を最小限にする防災の知識を持つことで、大切な命を守ってやることが出来ます。今日ここから、防災を始めましょう!
大久保羽純
米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持
SUNNY Dog Training Partner代表 プロドッグトレーナー
人と動物の心をつなげる仕事がしたいと、5年勤めた企業を辞めて単身修行へ。日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で、犬にも人にも優しいトレーニングを広めている。Dog Training for LOVE&PEACEをモットーに、トレーニングを通して、犬と人との生活を楽しいものにし、保護活動への協力も行っている。
おすすめ記事
-
【取材】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】上沼恵美子さん「もう一回だけ抱きしめたい」愛犬ベベとの12年間
運命の子はぼくらのもとにやってきて、流れ星のように去ってしまった。
その悲しみを語ることはなかなかむずかしい。
けれども、ぼくらはそのことについて考えたいし、泣き出しそうな飼い主さんを目の前にして、ほんのすこしでも寄り添いたいと思う。
その悲しみをいますぐ解消することはできないが、話をきいて、泣いたり笑ったりするのもいいだろう。
こんな子だった、こんなにいい子だった、ほんとうに愛していたと。
ぼくらは上沼恵美子さんのご自宅へ伺って、お話をきこうと思った。
取材 -
【販売開始!】フレブルオーバーオール「UNIVERSAL OVERALL × W-OKI KENTA × フレブルライフ」
アパレルブランド「UNIVERSAL OVERALL(ユニバーサルオーバーオール)」と、沖縄在住のフレブルオーナーで人気タトゥーアーティスト「W-OKI TATTOOのKENTA」。そしてフレブルライフのトリプルコラボで完成した、フレブルオーバーオール。
ストア情報
フロントプリント、バックプリントの2展開で、それぞれフレンチブルドッグのイラストも違います!
イベント「フレブルLIVE」で先行販売しましたが、ついにフレブルライフストアで販売スタートです! -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【取材】脳腫瘍治療のスペシャリスト・長谷川大輔教授が進める脳腫瘍の最新治療とは
フレンチブルドッグは脳腫瘍になりやすい犬種だといわれています。事実として、てんかん発作の症状が出てMRI検査を受けたフレンチブルドッグのうち、「約70%が脳腫瘍」と診断されたというデータも。犬の脳腫瘍は残念ながらあまり良い予後は期待できず、根本的治療も身体に負担がかかることから、私たちオーナーは希望を失いがちになります。
そんな脳腫瘍治療に、新たな風が吹こうとしているのです! このプロジェクトの先陣を切る、日本獣医生命科学大学・長谷川大輔教授にお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】川口春奈とアムのやさしい世界。ー大人気女優は生粋のフレブルラバー
いまをときめく人気女優が、フレンチブルドッグラバーであるという事実。
そうです、その人は川口春奈さん。
アムちゃんというパイドの女の子と暮らしています。
話を聞けば聞くほど、そして春奈さんとアムちゃんのやりとりを目の当たりにするほどに、そのフレンチブルドッグ愛がわたしたちのそれとまったく同じであることに、なんだかうれしくなってしまったのでした。
春奈さんとアムちゃんのすてきな暮らしを、BUHI編集長の小西がいつくしみながら、切り取らせていただきます。
-
【愛ブヒのお肌に悩む方へ】THE fu-do(ザ・フード)を食べて「納得のいくお肌」になるまでの、3ステップとは!?
販売からわずか半年で20万食を突破し、満足度95%を超える「THE fu-do(ザ・フード)」。
フレンチブルドッグの中でも特にお肌に悩む子には、積極的にお召し上がりいただきたい!
そして、どうか焦らないでください。フレンチブルドッグの体質を踏まえると、納得のいくお肌になるためには、最低でも3ヶ月はかかります。
でも大丈夫。今回は、すこやかなお肌を目指すための「3ステップ」をお伝えします! 毎日のボディチェックが、ますます楽しくなりますよ。
ザ・フード -
【PUFFY出演決定!】フレブルLIVE 出演アーティスト発表【第一弾!】
今年の『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
「フレブルLIVE」の特徴は、二日間でコンテンツが異なること。
一日目は愛ブヒとオーナーさんが主役の参加型コンテンツ。そして二日目は、アーティストによる音楽フェスが中心です!
今回は、音楽フェス(二日目)の出演アーティスト発表第一弾!
なんと、オーナーにも「世代」が多いPUFFYの出演が決定しました!
フレブルLIVE -
【ロッチ出演決定!】フレブルLIVE「11/9(土)」の司会はフレブルラバーのロッチ!
『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
一日目は愛ブヒとファミリーが主役になる、参加型コンテンツ。
二日目はアーティストを呼んで、史上初の愛ブヒと楽しめる音楽フェスを開催。
2daysで大きく内容が異なるのも「フレブルLIVE」の魅力です。
そして…今年の司会は、待望の「ロッチ」が登場!
みなさん! ついにロッチのお二人が「フレブルLIVE」にやってきます!
フレブルLIVE -
【肉球の香りがするビール、誕生】イラストは千原ジュニアさん【フレブルLIVEで先行販売!】
『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
今年は例年以上に反響があり、二日間ともに駐車場付きチケットがSold outとなりました!
年々パワーアップしている「フレブルLIVE」ですが、今年はオリジナルのクラフトビールを制作。
世界初・肉球の香りがするビールで、その名も「Paw Pad Ale」。
パッケージのイラストは、なんと千原ジュニアさんが手がけてくださいました。
フレブルLIVEにて、先行販売いたします!
フレブルLIVE
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
French Bulldog LIVE⚡️2024 (フレブルLIVE)
-
7周年特別企画「プロジェクト7」
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】FBL編集部の「アバウトな幸福論」
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
【特集】短命拒否権ーフレンチブルドッグは、もっと生きる
この特集は、『短命』のレッテルを返上するための、有益なフレブル生活記録簿です。
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。