2023年4月28日1,513 View

体調を崩す犬たちが急増!季節の変わり目に注意すべきこと[特集:ミドルシニアLIFE]

季節の変わり目に体調を崩しやすいのは全犬種共通ですが、とりわけ警戒してほしいのが春。ちょうど春から初夏へと移行するこの時期が最も要注意で、ミドルシニア以降だと特に寒暖差や湿度差によって体調に変化をきたしやすくなるのです。特に今年は夏日の翌日に急に冷えたりと、気温の上下に翻弄されるお天気が続発。動物病院でもこの時期は特に「腸」のトラブルで来院する子が多いそう(筆者の愛ブヒも先日急性腸炎で駆け込みました汗)。熱中症リスクも上昇するシーズンだけに、今まで以上の体調管理がマストなんですよ。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

1年ごとに体も年をとるから。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Patryk Kosmider/shutterstock

 

フレンチブルドッグが熱中症になりやすいのはご存知の通りで、それに対してはほとんどのブヒオーナーさんが細心の注意を払っていると思います。

 

初夏一歩手前の今ですら夏日が頻発していることから、早くもクールスヌード系のアイテムを身につける子も多いですよね。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

O.T.W/shutterstock

 

けれど気をつけてほしいのが、熱中症以上に気温差と気圧。

 

昼間は汗をかくくらいの暑さでも夕方を過ぎるとぐんと冷えて上着が欲しくなる、春から初夏への移行期はそんな気温が続きます。

 

それに加え、「春の嵐」なんて言葉があるようにこの時期は台風並みの暴風が多発。

 

これは低気圧が急速に発達することで起こり、英語では「May Storm(メイストーム)」とも呼ぶもの。

 

英語表記を見ると5月の嵐となり非常にわかりやすいですが、3月から5月にかけては温帯低気圧によって荒天となりやすいのです。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

New Africa/shutterstock

 

この寒暖差と気圧の変化、さらに徐々に上昇する湿度が体調を崩す3大要因となるのですが、これらに体が順応する能力は年齢を重ねるごとに衰えていきます。

 

どのオーナーさんも季節の変わり目は愛ブヒのケアに注力していると思うけれど、ブヒの年齢に合わせてよりいっそうの注意が必要に。

 

実際筆者の周囲でも、春〜初夏にかけては体調を崩すワンコが多数いて、その多くは消化器官にトラブルが出るケースが大半なのです。

 

寒暖差を乗り切る具体策って?

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Patryk Kosmider/shutterstock

 

この時期は気温差が大きいといえども、真夏のような気温でもなくブヒとお出かけしやすいシーズン。

 

その際、必ず持参したいのがクールアイテムと防寒アイテムの2種です。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Tienuskin/shutterstock

 

先述したように昼間は夏のようでも、日が落ちたら冷たい風が吹くのが春〜初夏の特徴。

 

ミドルシニア以降は適応能力や代謝が落ちてくることから寒暖差の影響を受けやすく、気温に合わせてオーナーさんがこまめに体温調節をすることが欠かせません。

 

自宅でも昼間は裸、夜になると1枚着せたり緩く暖房を入れるなど、なるべく快適な温度を保つ工夫が必須。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Hryshchyshen Serhii/shutterstock

 

寒暖差は特に消化器官に影響することが多く、よく起こるのは胆汁が逆流して嘔吐したり下痢や血便が出るといった症状。

 

ヒトもブヒも自律神経の働きによって体温を一定に保つのですが、気温や気圧の変化が激しいと働きが悪くなり内臓に疲労が蓄積します。

 

その結果胃腸機能が低下して嘔吐や下痢となるのだけれど、予防にはまず腸を温めることが大事。

 

フードを温めたりふやかして消化しやすくしたり、ピンポイントでお腹を温める腹巻きを活用して。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Balkonsky/shutterstock

 

また、冬場に大活躍した加湿器ですが、初夏の手前になると湿度が一気に上昇する日も増えてきます。

 

そんな時は除湿機を使いブヒのいるお部屋の湿度を40〜60%に保つのがベスト。

 

去年はそこまでしなくても大丈夫だったというオーナーさんもいるかもしれませんが、フレブルだって年を重ねます。

 

年齢を重ねるほどにケアや対策は入念に行なってくださいね。

 

カビなどのアレルゲンにも注意を。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Sbolotova/shutterstock

 

健康な状態だとさほど問題にならないことでも、体調を崩していたり寒暖差で体力が落ちているとてきめんに症状となって現れます。

 

花粉症になるフレブルも少なくありませんが、春〜初夏は花粉に黄砂といった飛来物だけでなく、カビが繁殖しやすく身近にアレルゲンが増える季節。

 

気温の上昇とともに体が温まることで痒みの症状が強くなり、患部を掻き壊すことで皮膚症状が悪化することもよくあること。

 

大半の人は年間を通してノミ・ダニ駆除薬を使っていると思いますが、少なくとも4月から10月までは必ず使用を。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Andy Gin/shutterstock

 

ちなみに感染力の強い疥癬ダニは通常のノミ・ダニ薬が効かず、アトピー性皮膚炎と間違いやすい症状。

 

感染している動物との接触やレンタルしたペットカートからも感染するほど感染力が強く、初夏ごろからこの症状を訴えるワンコが増えるそう。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Todorean-Gabriel/shutterstock

 

疥癬ダニをはじめ様々なアレルゲンへの反応は、体の免疫力が下がっていると一気に悪化して感染が全身へと広がります。

 

そのため定期的なシャンプーはもちろん、室内を清潔に保つ、散歩後のブラシやふき取りといったケアは抜かりなく。

 

完全にアレルゲンを取り去るのは難しくても、基本のケアと予防薬をしっかりとし、皮膚に何か見つかれば早めに獣医師に診断をしてもらうのが賢明ですよ。

 

おわりに

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Tienuskin/shutterstock

 

気温差や気圧の変化にアレルゲンまでと、この時期はブヒの体調を脅かすアレコレが満載。

 

ミドルシニアやシニアになると徐々に体力や免疫力が低下してくるため、些細なことがきっかけで体調を崩してしまいます。

 

夏の熱中症もだけれど、同じくらい季節の体調変化を意識し予防することも大切です。

 

まだしばらくは気温差の激しい日々が続くので、どうか愛ブヒの体調管理を徹底してくださいね。

 

 

文/横田愛子

 

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