3月でも油断しないで!5歳以降のフレブルは熱中症に注意を。[特集:ミドルシニアLIFE]
思えばこの冬、ダウンジャケットは出番がなかった。それどころかロングコートさえ着ていない。暖冬とは言われていたけれど、この記事を書いている2月下旬、筆者が暮らす大阪では日中は暖房が不要な日もあります。そして全国の気温を見てみると、三寒四温というだけに寒い日と暖かい日が交互に訪れてはいるものの、その「暖かさ」が異常なんですよね。地域によっては20度近くまで上昇することもあり、これは東京だと5〜6月の気温に相当します。そして思いました、この春はフレブルたちにとってかなり危険だぞと。
油断していると熱中症の危機に!

Kajohnwat Srikulthanakij_/Shutterstock
熱中症は防げる病気であることは以前から申しておりますが、フレブルがどれほど熱中症リスクが高い犬かというのは既にご存知のはず。
オーナーさんたちの夏場の熱中症対策の念の入れようは素晴らしく、他犬種のオーナーさんと比較してもその対策は徹底しています。
が、それは暑い季節の話。
2月や3月初旬なんてまだまだ寒いからとつい油断してしまうんですよね。
「この時期に熱中症の心配はいらない」と。

Veran36/shutterstock
私たちは体感よりも「その季節の常識」をベースに物事を考えがちだけれど、この春の異常ともいえる気温の高さは決して侮れません。
とりわけ体温調節がし辛くなってくるシニア組、それに活発で運動量の多いミドルシニア世代にとっては危険度もかなり高め。
朝晩の気温が低いことから、「今日も寒い」と感じ、留守中にフレブルたちが快適に過ごせるように暖房を入れたまま仕事に行く。
そんな人も少なくないでしょう。

bozsja/shutterstock
ただ、昼間の気温が5月並みまで上昇すれば、自ら暖房のスイッチを切れないフレブルは室内で熱中症になる恐れがあるのです。
それにブヒたちは日向ぼっこが大好きなので、家で過ごす時間は日差しが入る場所を陣取りお昼寝するのもよく目にする光景。
日差しの当たる場所は体感温度がぐんと上がるため、これまた気温が高い日は要注意。
この春は例年よりも早めに熱中症について意識し、対策する必要があるのです。
お出かけシーズンだからこそ

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初夏以降はブヒ同伴で屋外のイベントや行楽に行く人は激減します。
しかし季節はまだ冬。
この時期はペットイベントも多く、ブヒ連れでのお出かけもしやすい季節。
20度前後だとフレブルも快適に過ごせますが、冬場の外出だとまだお洋服を着ているブヒは相当数いるでしょう。
朝から出かける場合は朝の気温に合わせて服を選ぶので、どうしても厚手の服を着させがち。
けれど時間と共に気温が上昇し、昼間になればその服が命取りになりかねません。
そのため出先ではパンティングの有無や呼吸の荒さなどをこまめにチェックし、気温や状態によって服を脱がせてあげましょう。

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また、ミドルシニアブヒの場合、まだまだ体力旺盛で屋外ではテンションが上がることも多々あります。
さらに運動すると体温が上昇するので、ドッグランやお散歩で体を動かしたり、人や犬が多い場所に行って興奮することが予測される場合は特に注意を。
お水はもちろんのこと、夏の定番であるクールネックなどを念のため準備し、少し運動したら日陰で休ませてクールダウンの時間を必ず取りましょう。

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ところで、夏に愛ブヒを車内に残して待たせる人は皆無だと思いますが、冬場の短時間なら大丈夫だろうと考える人はいると思います。
しかしJAF(日本自動車連盟)のデータによれば、気温20度前後でも締め切った車内では熱中症になる恐れがあるとされ、直射日光下での車内温度は最初の10分で11度、20分後には17度も上昇するというテスト結果が得られています。
なお、仮に窓を数センチ開けていたとしても、60分後の車内温度は締め切っていた場合と差がないそう。気温が20度前後でも絶対にフレブルを車内に残して待たせることはしないでくださいね。
ミドルシニアからのリスク

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熱中症は年代を問わず全フレブル共通ですが、特にミドルシニア以降に気をつけてほしいことがあります。
それは短頭種気道症候群。
フレブルは鼻ぺちゃゆえに気管から上の気道が閉塞しやすい構造で、ブーブーやガーガーという呼吸音やいびき、それに頑張って息を吸う努力呼吸などが短頭種気道症候群の主な症状です。

Tienuskin/shutterstock
短頭種気道症候群には「軟口蓋過長症」も含むのですが、軟口蓋過長症は進行性。
若い頃は特に呼吸に問題がなくても、努力呼吸を続けることで軟口蓋が引っ張られて伸びていき、気道が狭くなって呼吸が難しくなるケースもあります。
これはつまり、今までは大丈夫だったとしても長く努力呼吸を続けることで軟口蓋過長症が悪化し、ミドルシニア以降になって短頭種気道症候群の症状が顕著になる可能性があるということ。

Yokwar/shutterstock
短頭種気道症候群が悪化すると呼吸困難や失神で命を落とす可能性がありますが、そこまでいかなくても気道が狭くなることで効率的に熱を逃せなくなり、熱中症に陥りやすくなるんです。
短頭種気道症候群は早い子なら生後3ヶ月くらいから症状が出ると言われていますが、若い頃に呼吸の問題がなかったとしても、年齢を重ねることで短頭種気道症候群になることはあります。
そのためミドルシニア以降はブヒの呼吸の仕方もこまめにチェックし、特に肥満のフレブルは注意してあげてくださいね。
おわりに

bozsja/shutterstock
時には半袖でも大丈夫なんじゃないかと思うほどの暖かい日もある昨今の気温。
このぽかぽか陽気が愛ブヒにとって致命傷となることもあるので、今年の春は早めの熱中症対策をしっかりしてあげてください。
文/横田愛子
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