2024年3月29日2,584 View

動物病院を「正しく」知ろう。2次診療病院とは?[特集:ミドルシニアLIFE]

フレンチブルドッグに限らず、どの犬種でもミドルシニア年齢以降は病気のリスクが上昇します。こればかりは人間も同様なので致し方ないことですが、何か病気になった際、その病気や症状によってはかかりつけの動物病院で対処できないケースも出てきます。その場合に紹介されるのが「2次診療」と呼ばれる専門性の高い病院。多くの人は2次診療専門病院について、存在は知っているけれど内容はよく知らない、というケースが多いので、改めて「2次診療」について掘り下げたいと思います。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

そもそも2次診療病院って?

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Goami/Shutterstock

 

2次診療専門の動物病院があるのは知っていても、実際に行ったことがある人はさほど多くないかと思います。

 

そもそも2次診療の病院はかかりつけ医の先生からの予約診療があって初めて受診する病院のため、個人が自ら予約して診察に行くことは基本不可能。

 

普段私たちが愛ブヒを連れていく動物病院は「1次診療病院」であり、1次診療病院の中でも、専門的かつ幅広い医療提供を行う病院を「1.5次病院」と分類します。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Hryshchyshen Serhii/Shutterstock

 

なお、筆者が調べたデータでは、現在日本国内にある2次診療専門とされている動物病院数は47件(※calooペット調べ)。

 

日本には47都道府県があるので1県あたり1ヶ所あるのかと思いきや、実はその多くは大都市圏に集中しているのが現状。

 

つまり、2次診療病院が県内にない地域の方が多いです。

 

2次診療病院の特徴は、獣医学部がある大学の附属病院や、各科の専門医がいて高度医療や専門医療が受けられる総合病院であること。

 

院内にはMRIやCTスキャンなどの機器が揃っており、放射線治療などができるのも特徴です。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Oleksandr Lysenko/shutterstock

 

そのため1次や1.5次病院では対応できない場合に、紹介状と1次診療先でのデータを持って訪れる病院が2次診療病院というわけです。

 

2次診療病院はこういった経緯でかかる病院のため、基本的に軽症や各種予防などで訪れる子はいません。

 

病院そのものの規模も大きく、前述したように数が限られているため遠方から診察を受けにくる子もとても多いです。

 

2次診療が必要になった時

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Andy Gin/shutterstock

 

なるべくならいつものかかりつけ病院で診てもらいたいけれど、場合によっては2次診療先を探す必要も出てきます。

 

基本はかかりつけ医の先生からの紹介ですが、紹介された病院に複数の選択肢がある場合、どう選ぶのが良いのでしょうか。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

technomolly/shutterstock

 

例えば筆者の友人の愛犬のケースだと、大学附属病院とそうでない2次診療病院の場合、大学附属病院の方が待ち時間が長く予約が取りにくいと言われました。

 

そのため急を要するケースならどちらが最短で予約が取れるかで判断。

 

ただ、このように選択肢があるのは2次診療病院が複数あるエリアに限られます。

 

そのため県内に2次診療病院がない場合、オーナーさんは前もって通える範囲にある2次診療病院を探し、いざという時に慌てず迷わずに行けるようアクセスなどを確認しておくに越したことはありません。

 

その際のポイントですが、闘病中のフレブルの場合、車での長時間移動は体に負担になります。

 

なのでなるべく短時間で通える病院が最優先。

 

いくら評判が良くても通えない病院では意味がないですから。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Hryshchyshen Serhii/Shutterstock

 

また、2次診療病院がないエリアでは1次や1.5次病院でも、その地域の動物医療拠点的な体制を整える病院が増加傾向にあります。

 

2次診療病院が遠いのなら、まずはお住まいのエリア内にある規模の大きな病院、仮に腫瘍なら腫瘍科があるなど、専門性の高い病院にセカンドオピニオンを求めるのもひとつの手。

 

最近は月に何度か各分野の専門医を呼んで診察対応するなどの体制をとる病院も増えているので、元気なうちからかかりつけ医とは別に、もう1ヶ所くらいは頼れる病院を探しておくのもおすすめです。

 

やっぱり気になる費用のお話

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

135pixels/shutterstock

 

2次診療病院で提供されるのは精密な検査や高度医療を含むことが多いので、必然的に治療費は高額だと言わざるを得ません。

 

もちろんペット保険に対応しているので保険に加入しておくのがベターですが、支払いは現金不可でクレジットカードのみという病院もあります。

 

そのため事前に支払い方法は必ず聞いておきましょう。

 

なお、実感として、病院や先生にもよるのだろうけれど「次回はこういった検査をするのでこのくらいの費用がかかります」と教えてくれることが多いです。

 

額が二桁万円になることも多いため、前もって金額を伝えるようにしているのかも。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Hryshchyshen Serhii/shutterstock

 

また、初診時の問診時にどの方法で支払うかを聞かれるケースも多々あり、大半の病院は公式HPに費用目安を掲載しているのでかかる前の参考にしてみてくださいね。

 

ちなみに、愛犬の体重や病院により差はあるけれど、CT検査で6万円前後、MRI撮影で11万円前後、これらに画像診断費や初診料や再診療などが加わります。

 

余談ですが、2次診療病院で手術や治療をお願いして愛犬を預け、そのまま引き取りに来ないオーナーさんもいるそうです。

 

助けてあげたいけれど治療費が払えないからだろうと思うし許せないことですが、高度医療=高額であることが多いのは事実なので、ミドルシニア機に差し掛かった時点で、将来に向けて医療費貯金を始めるのが安心ですよ。

 

おわりに

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Oleksandr Lysenko/shutterstock

 

病気によっては2次診療病院での治療が必須になることもありますが、急にここに行ってくださいと言われても戸惑う気持ちが大きいはず。

 

そのため事前に周辺にどんな2次診療病院があり、どのような治療ができるのかなどを知っておけば、もしもの時の備えになりますよ。

 

 

文/横田愛子

 

 

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