2024年5月1日3,468 View

ずっと一緒にいたいから。犬の寿命を延ばすための心構え[特集:ミドルシニアLIFE]

以前と比べればフレンチブルドッグの寿命は確実に伸びているという実感はあるものの、やはりミドルシニア年齢に差し掛かると顔に白い毛がちらほら現れるようになり、年齢を重ねてきたなあと実感することが増えてきます。加齢は避けては通れない道だけれど、ミドルシニア年齢って人間に例えると働き盛り年代でまだまだ気力も体力も充実している時期。しかし、ミドルシニアやシニア期という年齢だけで判断してしまうことって決して少なくありません。「年齢のせいかしら?」この思い込みの裏には、もしかしたら病気や異常が隠されていることが多々あるのです。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

多くのフレブルオーナーが経験済み

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Marvelous World/shutterstock

 

愛ブヒを虹の橋へと見送った後に、「そういえばあの時少し普段と違う感じがしたけれど、年齢のせいだと思っていた」という話をよく耳にします。

 

筆者自身もそうで、今まで散歩中に休憩なんてほとんどしなかった愛ブヒがある時からやけに立ち止まる回数が増えたのを、てっきり加齢のせいだと思い込んでいました。

 

実際は心臓に腫瘍ができていたためしんどかったのだろうと今になればわかりますが、その時は完全に年齢のせいだと思い込んでいたんです。

 

その理由には、食欲は変わらず旺盛で散歩中立ち止まる回数が増えた以外、目に見えて変化がなかったから。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Tienuskin/shutterstock

 

喋ることができないフレブルたちは行動で私たちオーナーに異変を伝えようとするけれど、そもそも犬は我慢強い生き物。

 

これは本能的に自分が弱っているのを敵に悟られると襲われてしまうため、痛みや怪我を隠そうとする習性が関係しています。

 

現代の犬の大半はペットとして飼育されているので痛みを隠す必要はないけれど、それでも野生の本能は未だ健在。

 

この我慢強さゆえに私たちはブヒの不調に気づきにくく、それがミドルシニアやシニア年齢の場合、なおさら「年齢のせいかな」とミスリードしてしまう。

 

この勘違いや思い込みによって病気の発見が遅れることは珍しくありません。

 

もちろん加齢によって視覚や聴覚、足腰などに衰えが出てくるのは当然だけれど、そういった変化の全てが加齢によるものだとは言い切れないのです。

 

歳のせいだと思う前に獣医師の判断を

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

ni_ninan/Shutterstock

 

どのフレブルオーナーさんも、大切な愛ブヒが病気に罹っているとは思いたくありませんよね。

 

うちの子に限ってそんなことあるはずがないと信じたいその気持ち、めちゃくちゃわかります。

 

この希望的観測と「もう歳だから」という思い込みの相性は抜群で、明らかな異常がない場合にはつい年齢のせいだろうと過信しがち。

 

今では毎年健康診断を受けているフレブルも多いことから、前の検査で問題はなかったし、普段と大きく様子が違うのでないのならきっと年齢によるものだ。と、自分を納得させてしまうんです。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

NACHAANOK/shutterstock

 

しかし、少し休憩することが増えた、なんだか寝ている時間が伸びた、食事で好き嫌いをするようになった、歩くスピードが遅くなったなど、こんな小さな変化を見逃さないでほしいのです。

 

フレブルと暮らすには疑り深いくらいがちょうど良い、今では筆者はそう思っています。

 

何かしらの違いや違和感を感じたら、まずは病院へ行く。

 

その際、血液検査だけだと腫瘍の有無はわからないことが大半なので、必ずエコー(超音波)検査や必要に応じてレントゲン検査もしてもらってください。

 

それでも何もなく、獣医さんも年齢のせいだというのならば、そこで初めて「やっぱり年齢のせいだったんだね」と納得することができるのです。

 

ここまで疑り深くなる背景には、「年齢のせいだと思った」ことで病気の兆候を見逃すフレブルオーナーさんが決して少なくはないからです。

 

加齢に抗うことだってできる

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Tienuskin/Shutterstock

 

年齢のせいだと思っていたが実際にはなんらかの疾患があった場合、早い段階で治療を開始できるため治療法の選択肢が増える可能性があります。

 

それに病気ではなく本当に加齢によるものだったとしても、弱っている箇所をサポートするようなサプリやマッサージなんかを取り入れることで、その進行を遅らせることも可能。

 

私たちも年齢に応じてサプリを飲んだり接骨院に通ったりするように、フレブルにも今ある症状を和らげたり症状を軽くする手立てはあるはず。

 

しかしこれらの手段を取るには、その違和感の正体がなんなのかを突き止めることが必須です。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Vershinin89/shutterstock

 

加齢による症状だと思って始めたマッサージが実は病気を悪化させるリスクがないとは言い切れないため、まずは愛ブヒに対して感じた違和感の原因を特定する必要があり、それに欠かせないのが検査なんです。

 

なお、一般的な検査だと全身麻酔の必要はないけれど、検査で何かしらの病気が見つかりそれをよく調べるためにCTやMRIを撮影する場合、全身麻酔とセットで行われます。

 

全身麻酔のリスクは年齢と共に上昇するので、どれだけ些細なことでも違和感を感じたらまずは病院へ、というのが鉄則。

 

年齢のせいだという思い込みは捨て、違和感の正体をしっかりと暴くことが健康長寿への近道なんです。

 

おわりに

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Tienuskin/shutterstock

 

振り返って思い出せばあの時に…後からこう気づくのは結構辛いことです。

 

なんであの時に気づけなかったんだろうという思いは、長く消えることはありません。

 

だからこそ今フレブルと暮らしているオーナーさんたちに同じ思いをして欲しくない。

 

そのためには「年齢のせい」という思い込みをなくすことがとても重要なんです。

 

 

文/横田愛子

 

 

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