【取材】19歳7ヶ月のスーパーレジェンド。自力で歩き、キャンプも楽しむ史上最高齢 #76ジェミニ
10才を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。
今回取材したのは、19歳7ヶ月(取材当時)のスーパーレジェンド・ジェミニ。フレブル専門誌『BUHI』を含めると、17年以上フレブルたちを取材してきた編集部ですが、まちがいなく史上最高齢。
全国の、いや世界中のフレブルファミリーに勇気と希望を与えるジェミニのインタビューを「スペシャル番外編」としてお届けします。
目次
はじまりは、一通のメール。

ジェミニ(19歳7ヶ月)
19歳7ヶ月のスーパーレジェンドブヒ「ジェミニ」との出会いは、一通のメールだった。
題名のないそのメールを開くと、「うちの子は19歳7ヶ月ですよ」と一文だけが記されていた。
これはイタズラなのか……でも、そうじゃなかったとしたら……?
半信半疑で返信文を送ってみることにした我々編集部。
すると「メールに慣れていなくてすみません。名前はジェミニといいます。19歳7ヶ月です」という文章に加え、数枚の写真や動画が送られてきたのだった。

ジェミニを迎えた2005年頃の写真。
フレブル専門誌『BUHI』が創刊されて17年以上。
『フレブルライフ』もスタートし、格段にレジェンドブヒを取材する機会が増えた編集部だったが、まちがいなく過去最高齢。
おそらく日本だけでなく「世界一のスーパーレジェンド」だと確信した我々は、さっそくジェミニに会いに行ったのだった。
自分の足で歩く、19歳7ヶ月
ジェミニ家が暮らすのは、自然に恵まれた千葉県の中央部。取材は自宅で行うことになっていた。
年齢を考慮すると、おそらく寝ている時間が長いはず。
自力で歩くのも難しいだろうから、負担にならない程度に短時間で撮影を済ませよう。
事前にカメラマン(大竹宏明氏)とも綿密な打ち合わせをし、指定の集合場所に向かった。
すると目に入ったのは、驚きの光景。なんとジェミニは、自分の足で歩き、散歩を満喫していたのだ。
やわらかな芝生から、力が入りやすいコンクリートまで、全身で外の空気を浴びているようだった。
「まさかお外にいて、お散歩ができるとは思っていませんでした!」という編集部の驚きに対し、ママさんは「今もお散歩が大好きで、よく歩きますよ。視力や聴力は落ちていますけど、ずっとここに住んでいるから歩く場所もわかっているみたいで」と笑顔で答えてくれた。
オムツこそしているものの、念のためだという。排泄も自力でするというから驚きだ。
感動の幕開けとなったジェミニ家の取材。お話しをうかがうと、さらに驚愕のエピソードが待ちうけていた。
趣味はキャンプ! 取材後も栃木県にお出かけ
撮影をしていると「ジェミニが大好きなキャンピングカーもご覧になりますか?」とママさん。
え、キャンピングカー!? きっと自宅の駐車場に停めたまま、息抜き程度に車で寝たりするのかなぁなんて思っていたのだが……
スーパーレジェンド・ジェミニは、なんと今でもキャンプを楽しんでいるという。
そしてママさんは「じつはこの後も、那須高原まで紅葉を見にいくんですよ」とつづけた。
その言葉に拍手をしながら笑ってしまった編集部。
人間は猛烈な感動を超えると、笑ってしまう生きものなのかもしれない。
同じフレブルオーナーとしてそれくらい嬉しくて、感動した瞬間だった。
ちなみにジェミニのお気に入りは、後部座席の専用ベッド。
ふかふかの布団を何層にも重ね、そこで眠るのが大好きだという。
するとママさんが、車にまつわるエピソードを教えてくれた。
「以前は大型のバンをキャンプ仕様にしただけだったんです。でもジェミニがあまりにも車が好きだから、本格的なキャンピングカーを買っちゃいました。今度はすっかり"ジェミニ仕様"です」とのこと。
車中泊のときは3人で川の字になり、ピッタリ寄り添って眠る。
その時間は、ジェミニだけでなくパパさんママさんにも至福の時間だ。
大病の経験はない。元気の秘訣はささみ
ジェミニに負担がかからないよう短時間で撮影を済ませ、お話しをうかがうため、ご自宅にお邪魔した取材班。
自宅のリビングはママさん曰く、ジェミニファースト。
ぶつからないように大きめのクレートを置き、ジェミニはいつもそこで寝ているという。
「年齢的にも寝ている時間が多いですけど、クレートの出入り口はわかっているので、よく出して出して! って催促してきますよ。やっぱりまだ歩きたいんでしょうね」
そんな元気なジェミニだが、今までに大病はなかったのだろうか。
「もうね、わたしたちもびっくりするほど病気をしない子で。パピーの頃は少しアレルギーが出たりもしたけど、成犬になってからはお肌も安定していますね。でも14歳を超えたくらいかなぁ、唯一目が気になって動物病院に行ったんですけど、年齢的なものだから仕方ないですねって。だから目薬をするくらいで、大きな治療は経験したことがないんです」
今だに下痢や便秘もなく、おなかも絶好調というジェミニ。
とんでもなく食事に気を使っているに違いない! そう思いママさんにうかがってみたところ……
「なんでも食べてくれるので、ブリーダーさんに勧められたドライフードをずっとあげているだけですよ」と、またしても驚きの答えが返ってきた。
「あっ! でもね」と思い出したようにつづけるママさん。
「チキン(ささみ)はジェミニに合っているみたいで、毎日トッピングであげています。ささみを茹でてドライフードにトッピングするだけですけど、即効性があるんですよ。なんだか今日は元気がないなぁと思ったときは、ささみを切らしてあげられなった日。急いでスーパーに買いに行ってトッピングしてあげると、すぐ復活します」
これは明日からでも参考にしたい貴重なエピソード。
もちろん個体差はあるだろうが、愛ブヒに合ったタンパク質を厳選するのは長寿の秘訣といえそうだ。
フレブルLIVEで、ロッチ中岡さんも感動

「フレブルLIVE2024」レジェンド表彰式にて。
11/9(土)-10(日)に開催された「フレブルLIVE」に、なんとジェミニも参加してくれたのだ。
もちろんあのキャンピングカーに乗って。
フレブルLIVEでは12歳を超えるレジェンドブヒを表彰するコーナーがあるのだが、まさかステージ上でジェミニと再会できることになるとは。
取材が行われたのは10月下旬だったが「なんとかフレブルLIVEまでがんばります」と言っていたママさん。
宣言通りジェミニはステージに立ち、自力で歩き、富士山をバックにスーパーレジェンドらしく"ステージ散歩"を満喫していた。

フレブルLIVEのステージを歩くジェミニ(編集部撮影)
フレブルLIVEの司会をつとめたロッチの中岡さんも、ジェミニの年齢に感動を隠せない様子。
そしてあの場にいた数千人のフレブルオーナーが「うちの子も!」と勇気と希望をもらった瞬間になったのは、まちがいないだろう。
2025年3月で「二十歳」になる
ジェミニの誕生日は3月。なんと、2025年の3月に「二十歳」を迎えることになる。
短命といわれつづけてきたフレンチブルドッグが成人式を迎えるなんて、誰が想像できただろうか。
勝手に騒いでしまうわたしたちに、ママさんは終始笑顔でこう答える。
「19歳ってこんなに驚かれるなんて、思ってもいませんでした。ほんとうにインターネットに弱くて……。ジェミニってすごいのかな……?」
まちがいなく、すごいです。日本中の、いや世界中のフレブルオーナーたちが声をそろえてそう答えるはず。
とてもお茶目で愛に溢れたママさんと、その様子をずっと微笑みながら見つめるパパさん。
もしもジェミニが二十歳になって、世界中のフレブルオーナーに賞賛されたとしても、きっとママさんはニコッと笑いながら「ジェミニってすごいのかな……?」というのだろう。
photo:Hiroaki Otake
text:Chika(editor-in-chief)
★【取材させて!】10歳以上の「レジェンドブヒ」を大募集!
フレンチブルドッグライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドブヒを探しております。
10歳を超えたブヒたちは、エピソードを添えて、アンケートからご応募ください。
記入いただいたメールアドレスに、編集部からご連絡させていただきます!
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