2026年6月25日151 View

【取材】リビングに響く優しいいびきの音。 その主は、パクチー。【BUHI 愛の話】

パクチー。その個性的な名前を持つブリンドルのフレブルは、 田仲家の一員になった日から絶え間なく愛を注がれて暮らしている。 オーナーである琉偉さんと茉利香さんがパクチーを迎えたのはまだ結婚する前、 千葉県で暮らしていたときだった。 犬を迎えたいと思ったが、最初からフレブルが頭の中にあり、 まだ愛犬探しを始める前から名前は2人が好きなパクチーにしようと決めていたのだそう。 そうして2人のもとにやってきたパクチーだが、当時暮らしていたのは1DK 。 共働きで留守番も長く、自由に動けるスペースは決して広くなかった。

 

 

何から何まで パクチー仕様に

「留守番も長く、1DKの部屋はパクチーには手狭。

 

ストレスからか壊されたトイレトレーやケージは数知れず、賃貸の壁に穴が開いて慌てて クッションで塞いだことも。

 

散歩だけではストレスを発散しきれなかったのか、パクチー自身が元気が有り余る年頃だったのもあり悩みましたね。

 

それで3年前、結婚を機に栃木県の妻の実家の敷地内に家を建てることに決め、家族で引っ越しをしたんです」(琉偉さん)

 

 

「自然豊かな環境で不在時は私の家族に世話を頼めるのもありがたいし、なによりこの子にとって居心地の良い環境は何かを考えたとき、どうせ建てるのならパクチーファーストの家にしようと決めました。

 

フレブルに多いヘルニア対策のため、それに将来的にパクチーや私たちにとっても段差は少ない方がいいだろうと、家は平家に。

 

リビングには造り付けのパクチーの部屋を用意し、人工芝を敷いたドッグランも作りました。ハウスメーカーの人と相談しながら床材も滑りにくいものを選んだりと、何から何までパクチー仕様なんです(笑)」(茉利香さん)

 

 

「前の家では破壊系のいたずらが酷かったので新居もボロボロにされるんじゃないかと心配していたのですが、移り住んだ途端に不思議なくらいにいたずらをしなくなりました。

 

自分のスペースを理解しているのか留守番の際には自らそこに入るし、何より自由に動ける範囲が広がったのがうれしいみたい。

 

ただ、滑らないはずの床材が実際には思ったより滑るようで怖がって慎重に歩くんです。

 

そこでドッグライフコートというペット用の床コーティングを取り入れたら、それ以降は思い切り走り回るように。

 

僕は犬を迎えるのはパクチーが初めてですが、いつの間にか魅力にはまっていろいろなフレブル情報を集めるまでになりました。

 

また、川や海でパクチーと遊びたいと思い、ウォーターセラピーができるラブルズガーデンという施設にもプールトレーニングのために通い始めたんです」(琉偉さん)

 

 

「プールトレーニングもそうですが、 仕事の都合もあり、わが家は夫の方が一緒に過ごせる時間が長いので、 パクチーのことは夫が先導してくれます。

 

ワンコ用の薬膳料理を作ったり夫と男同士で出かける機会も多く、そのせいか迎えて5年になりますが、パクチーは完全にパパっ子ですね。

 

家のことにしても、パクチーを迎えていなければ引っ越しも家を建てることもなかったと思うんです」(茉 利香さん)

 

家を建てる決断も、日々の選択も、 田仲家の基準はいつもパクチー。

 

とてもうれしそうにするプールトレーニングには毎月高速道路で2時間かけて千葉まで通うし、以前季節の変わり目に体調を崩して以来、気温差や季節の変化にも気を使うように。

 

何かあればすぐに病院へ連れていくという徹底したケアをしているが、それでもときにはまさかの事態が起きることもあった。

 

ヘルニアの発症で気づいたフレブルの輪

1年前の寒い日のこと、プールトレーニングの帰り道にパクチーの歩き方に違和感を感じた。

 

トレーニングではドッグマッサージもしてもらうので人間で言うところの揉み返しのような感じかと思っていた数日後、今まで聞いたことがない悲鳴のような声で鳴き出したのだ。

 

 

「病院で診察をしてもらうとグレー ド1のヘルニアでした。

 

ヘルニアにならないように気をつけていたけれど、レントゲン写真を見たらヘルニアが発生した腰の辺りの骨に形成不全があり、どれだけ気をつけてもなる時はなるんだなと。

 

そのときはもし走れなくなったらと、想像するだけで胸が詰まりました。

 

そんな折り、とても親身になってくれたのがプールトレーニングの先生方だったんです。

 

トレーニングの内容も今のパクチ ーに必要なことを中心にメニューを考えてくださり、温活などヘルニアに効果的な情報も教えてくれました。

 

また、SNSで繋がっているフレブル仲間の先輩たちからたくさんのアドバイスやメッセージが届き、これにも励まされましたね」(琉偉さん)

 

「フレブルオーナー同士の絆が強いことは知っていましたが、実際に経験してみるとその温かさに感激しました。

 

いただいたアドバイスや情報をもとに、埼玉県の鍼灸院に週に一度通うようになったほか、プールトレーニングも様子を見るために月2回通うように。

 

 

トレーニングを主導する先生とマッサージを中心に施術してくださる先生のおふたりが常に一緒に向き合ってくださり、そのときのパクチーの状態に合わせてケアをしてくださったのがとても印象的です。

 

温活を始めたのも先生方のアドバイスがきっかけで、布にハーブを包んだドライハーブボールや米糠カイロを取り入れ、体を冷やさないように心がけました。

 

ヘルニアの引き金が寒さだったこともあり、腰が良くなった今でも温活は毎日続けています。

 

犬を迎えるのも、フレブルと暮らすのも初めてでしたが、SNSを通して広がったつながりや、支えてくれる人たちの存在は大きな心の支えになりました。

 

 

わが家は〝ブリンドルズ〞という コミュニティにも参加していますが、こういったつながりはフレブルを迎えていなければ知らなかった世界。

 

想像もしなかった世界を私たち に見せてくれるパクチーには、感謝の気持ちでいっぱいです」(茉利香さん)

 

パクチーと駆けるめくるめく世界

フレブルと出会っていなければ知ることのなかった人たち。

 

挑戦することもなかっただろう体験。

SNS越しに届いた言葉。

 

そんな〝パクチ ーが切り拓いていく世界〞を全力で楽しむ田仲夫妻は、これからもパク チーと並走しながら次々と新しい扉を開けていくのだろう。

 

「自分自身、こんなにフレブルに夢中になるとは思ってなかったので少し驚いているくらいですが、もうパクチーがいない日々は想像できません。

 

彼はとても表情豊かな子なので喜怒哀楽がわかりやすく、だから何をするにもパクチーが楽しいかどうかが判断基準。

 

旅が好きなのでよく一緒に旅行へ行くのですが、いつかはキャンピングカーであちこち巡るのが夢。

 

パクチーが広げてくれた世界をこれからも家族みんなで一緒に駆け回りたいんです」(琉偉さん)

 

「これからもたくさん一緒に楽しめ るように、パクチーには元気でいてほしい。

 

なのでトレーニングや温活などできることを継続し、いつかレジェンドブヒになってくれたらうれしいですね。

 

 

そういえば以前アニマルコミュニケーション体験をしたとき、最初は少し半信半疑だったんですが、コミュニケーターさんに言われたことをしてあげるとパクチーが今まで見たことがないくらい喜んでくれたことがあって。

 

そういうことも取り入れながら、 これからもパクチーの笑顔をたくさん引き出していくことが家族の幸せにつながると思っているんです」(茉利香さん)

 

今日もリビングにパクチーのいびきが響く。その音を聞きながら、田仲家の一日は静かにほどけていく。

 

パクチーのために考え抜いた家は、 いつの間にか家族全員の居場所になった。

 

それが、この家のいちばん確かな安心だ。

 

 

photo/Hikaru Akao text/Aiko Yokota

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