【ワクチン基礎知識】フレンチブルドッグに必要な予防ケア、ちゃんと知ってる?
何かと病院のお世話になる機会が多い犬種とされるフレンチブルドッグ。
そのため他犬種と比べて病院に行く回数が多いんです、なんて声もオーナーさんからよく聞きます。しかし動物病院へ行くのは、何も怪我や病気の時だけではありませんよね。
その代表的なものが各種ワクチンの接種やフィラリアやノミ・ダニのお薬を処方してもらうためなどで、これらは愛犬を様々な病気リスクから守るために必要不可欠なもの。
とはいえ、初めてのペットにフレブルを迎えた場合など、どのタイミングでどんなワクチンを打ち、どんなお薬を飲ませればいいのか分からないことも。
現在日本では法律によって狂犬病ワクチンの接種が義務付けられていますが、病気を予防するために任意で接種するワクチンを「コアワクチン」と言います。今回はこういったワクチンをはじめ、フレブルがかかりやすい病気の予防ケアなどご紹介していきましょう。
ワクチン基礎知識①
日本で犬を飼育する際に飼い主に義務付けられていることに、飼い犬の登録と年に1度の狂犬病の予防接種があります。飼い犬登録は犬の飼い主が生後91日以上の愛犬のデータを居住エリアの市区町村に登録することで、あなたが愛犬を家族として迎えたらまずしておくべきこと。
この登録を元に毎年狂犬病の予防接種案内が届くのですが、実はこの狂犬病ワクチン、どんな理由があっても受けなければならないというものではありません。
もちろん基本は生後3ヶ月以上のすべての犬が対象ですが、心不全や腎不全を患っていたり、過去に狂犬病ワクチンで副作用が出たことがある場合などは猶予され、その場合は動物病院で猶予証明書を発行してもらい役所に届けるか、市区町村によっては獣医師から打たない方が良いとの判断を受けたと口頭で説明するだけで猶予手続きができるケースも。
中にはワクチンでアレルギーが出た、ショック状態に陥ったというケースもあるので、狂犬病に限らずどんなワクチンも獣医師と相談の上、愛ブヒの体調を見ながら接種するのが重要です。
では、義務である狂犬病以外に相棒に受けさせておきたいワクチンですが、次に紹介したいのが「コアワクチン」について。
まず「コアワクチン」とは、暮らしている環境に関わらず全犬種が摂取すべきワクチンのことで、その種類には以下のものがあります。
・ジステンパーウイルス感染症
・パルボウイルス感染症
・アデノウイルス感染症2種(犬伝染性肝炎、犬伝染性口頭気管炎)
これらのコアワクチンで挙げた病気はいずれも罹患すると致死率が高いため接種は必須で、ドッグランやドッグカフェなどを利用する際にはこれらのワクチンの接種証明書が必要となる場合が大半。
この「コアワクチン」以外にも「ノンコアワクチン」と呼ばれるワクチンがあり、「ノンコアワクチン」は居住エリアや生活スタイルによっては接種しておいた方が良いとされているもの。
「ノンコアワクチン」の種類には、
・レプトスピラ感染症(沖縄や九州、四国など温暖な地域で多い感染症)
・犬パラインフルエンザウイルス(通称犬風邪)
・ポルデテラ・ブロンキセプチカ感染症(犬の気管支敗血症菌)
「ノンコアワクチン」については、獣医師と相談しながら摂取すべきかどうかを判断し、例えばドッグランなどで他のワンコと頻繁に遊ばせるといった場合は、そういったライフスタイルを伝えて必要かどうかを決めるのがベターです。
ワクチン基礎知識②
ペットショップやブリーダーさんからフレブルパピーを迎えた際には、すでに接種済みのワクチンの証明書を一緒に手渡されていると思います。
特にパピーは母ブヒのミルクからもらう抗体が体内から減ってくると病気に感染するリスクが上がるので、パピー期には数回に分けてコアワクチンを打つ必要があるのです。
一般的なパピー期のワクチンスケジュールは、
・生後45日頃に1度目
・生後4ヶ月までの間に2度目と3度目
が基本ですが、中にはブースターワクチンと言い、コアワクチンの面英気を確実に着けさせることを目的として生後26週〜52週までのいずれかの時期にサイドワクチンを打つことも。
もしアナタがブヒパピーを迎えたばかりなら、一度手元のワクチン証明書を確認して何度目のワクチン摂取まで終えているかを確認して見ましょう。
ちなみに、本格的にパピーをお散歩デビューさせるのはワクチン終了後2週下院以上経ってから。それまではキャリーケースやバッグに入れて連れ出し、地面や他犬との接触を避けながら外の空気に慣れさせてあげてくださいね。
なお、その後のワクチン接種スケジュールですが、ワクチンによる効果は1年〜3年持続するとされているので、念のため1年に1度の接種を推奨している獣医師がほとんど。これらのワクチンの種類は動物病院によって様々ですが、5種〜8種混合ワクチンが中心となっています。
ただ気をつけたいのがワクチンの副作用で、稀にアレルギーやアナフィラキシーショック、嘔吐などの症状が出るコも。そういった副作用が出た場合に備えてワクチン接種は午前中に受け、接種当日は散歩を短時間にしたり穏やかに過ごさせることが大切です。
フレブルと麻酔リスク
上記のワクチンはフレンチブルドッグをはじめ全犬種に必要ですが、病気の中には軟口蓋過長症や心臓疾患など、フレブルが特にかかりやすいものがあります。中でも軟口蓋過長症は、口腔内から後方に伸びた軟口蓋という部分が通常より長いために呼吸を妨げるという病気で、イビキが酷いブヒは要注意。
この病気は手術治療が一般的でブヒの中にはこの手術を経験したコも多いですが、心配なのが手術の際の全身麻酔。ハナペチャ族であるフレブルやパグ、ブルドッグなどはハナペチャの構造ゆえに他犬種と比べて気道が狭く、呼吸困難に陥りやすいために麻酔リスクが高いとされています。
ただ、最近ではハナペチャ族の麻酔リスクを下げるよう呼吸しやすい方法を採用する病院も増えており、一概に「麻酔=危険」とは言えません。
ですが、人間でも身体的に消耗する全身麻酔。できることならブヒの生涯で全身麻酔をする回数をなるべく減らしたいですよね。
そこで最近増えているのが、去勢や避妊手術の際に軟口蓋などに問題がないかを一緒に調べてもらい、1度の麻酔で複数の手術を行うという方法。
とはいえ、去勢や避妊をするかどうかはオーナーの判断に委ねられます。去勢や避妊に関しては賛否あるものの、精巣や子宮系の病気のリスクが手術によって格段に下がるのはデータとして実証済み。
将来的な病気のリスクを軽減するという意味では、これらの手術も予防ケアのひとつになるのではないでしょうか。
毎日できる予防ケア
ワクチンや手術といった動物病院でないとできない予防ケア以外に、私たちが日々愛ブヒと過ごす中でできる最大の予防ケアが「肥満防止」。
フレブルは食欲旺盛なコが多いので太りやすい傾向にありますが、太ることで呼吸がし辛くなり、さらに足腰に負担がかかってヘルニアになりやすく、心臓疾患のリスクまでもが上昇します。適度な運動と適度な食事はオーナーだからこそできるケアで、大切なフレブルが健康で長生きするための基本とも言えるでしょう。
また、これからの季節には欠かせないフィラリアとノミ・ダニ予防ですが、普段からアウトドアを楽しんだり他のワンコと触れ合う機会が多いのであれば、フィラリアとノミ・ダニ対策も1年中しておくに越したことはありません。
フィラリアは地域によって多少異なるものの5月〜11月の期間が基本ですが、今年は暑くなるのが早いせいか蚊の発生も前倒し気味…。
「フィラリア薬は毎年○月からだから」と決めつけず、その年によって投与時期を調整するなどの工夫も必要です。
おわりに
今回は少し硬いお話になりましたが、大切なフレブルの健康を考えるにあたって、まずはオーナーである私たちがワクチンや予防ケアの重要性を知っておく必要があると思いました。なんとなく毎年打っているワクチンがどんな病気を予防しているのかを知るだけでも獣医師の説明が理解しやすくなるし、様々なリスクを知ることでそれに対していかに予防できるのかだって探れます。愛ブヒとこれからもずっとずっとハッピーに暮らすために、ぜひ予防ケアについて考えてみてくださいね。
こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。
おすすめ記事
-
【取材】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】上沼恵美子さん「もう一回だけ抱きしめたい」愛犬ベベとの12年間
運命の子はぼくらのもとにやってきて、流れ星のように去ってしまった。
その悲しみを語ることはなかなかむずかしい。
けれども、ぼくらはそのことについて考えたいし、泣き出しそうな飼い主さんを目の前にして、ほんのすこしでも寄り添いたいと思う。
その悲しみをいますぐ解消することはできないが、話をきいて、泣いたり笑ったりするのもいいだろう。
こんな子だった、こんなにいい子だった、ほんとうに愛していたと。
ぼくらは上沼恵美子さんのご自宅へ伺って、お話をきこうと思った。
取材 -
【販売開始!】フレブルオーバーオール「UNIVERSAL OVERALL × W-OKI KENTA × フレブルライフ」
アパレルブランド「UNIVERSAL OVERALL(ユニバーサルオーバーオール)」と、沖縄在住のフレブルオーナーで人気タトゥーアーティスト「W-OKI TATTOOのKENTA」。そしてフレブルライフのトリプルコラボで完成した、フレブルオーバーオール。
ストア情報
フロントプリント、バックプリントの2展開で、それぞれフレンチブルドッグのイラストも違います!
イベント「フレブルLIVE」で先行販売しましたが、ついにフレブルライフストアで販売スタートです! -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【取材】脳腫瘍治療のスペシャリスト・長谷川大輔教授が進める脳腫瘍の最新治療とは
フレンチブルドッグは脳腫瘍になりやすい犬種だといわれています。事実として、てんかん発作の症状が出てMRI検査を受けたフレンチブルドッグのうち、「約70%が脳腫瘍」と診断されたというデータも。犬の脳腫瘍は残念ながらあまり良い予後は期待できず、根本的治療も身体に負担がかかることから、私たちオーナーは希望を失いがちになります。
そんな脳腫瘍治療に、新たな風が吹こうとしているのです! このプロジェクトの先陣を切る、日本獣医生命科学大学・長谷川大輔教授にお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】川口春奈とアムのやさしい世界。ー大人気女優は生粋のフレブルラバー
いまをときめく人気女優が、フレンチブルドッグラバーであるという事実。
そうです、その人は川口春奈さん。
アムちゃんというパイドの女の子と暮らしています。
話を聞けば聞くほど、そして春奈さんとアムちゃんのやりとりを目の当たりにするほどに、そのフレンチブルドッグ愛がわたしたちのそれとまったく同じであることに、なんだかうれしくなってしまったのでした。
春奈さんとアムちゃんのすてきな暮らしを、BUHI編集長の小西がいつくしみながら、切り取らせていただきます。
-
【イベントレポ】のべ6,500人・4,500頭のフレンチブルドッグが集結!「フレブルLIVE2023」の全貌大公開!
第二回『French Bulldog LIVE 2023(フレブルLIVE)』が、無事閉幕しました!
今年は思い切っての2daysチャレンジ。当日までどうなるかドキドキでしたが…なんと、のべ「6,500人・4,500頭のフレンチブルドッグ」が集結。
開催地の山中湖はもちろんのこと、道中のサービスエリアもフレブルだらけで、他犬種のオーナーさんは「何があるんですか!?」と驚いていたとか(そりゃそうだ笑)。
さぁみなさん、いよいよ「フレブルLIVE 2023」のレポートをお届けです!
今年参加してくださった方も、来年こそと意気込んでくださっている方も、臨場感たっぷりのレポートをお楽しみください!
フレブルLIVE -
【愛ブヒのお肌に悩む方へ】THE fu-do(ザ・フード)を食べて「納得のいくお肌」になるまでの、3ステップとは!?
販売からわずか半年で20万食を突破し、満足度95%を超える「THE fu-do(ザ・フード)」。
フレンチブルドッグの中でも特にお肌に悩む子には、積極的にお召し上がりいただきたい!
そして、どうか焦らないでください。フレンチブルドッグの体質を踏まえると、納得のいくお肌になるためには、最低でも3ヶ月はかかります。
でも大丈夫。今回は、すこやかなお肌を目指すための「3ステップ」をお伝えします! 毎日のボディチェックが、ますます楽しくなりますよ。
ザ・フード -
【PUFFY出演決定!】フレブルLIVE 出演アーティスト発表【第一弾!】
今年の『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
「フレブルLIVE」の特徴は、二日間でコンテンツが異なること。
一日目は愛ブヒとオーナーさんが主役の参加型コンテンツ。そして二日目は、アーティストによる音楽フェスが中心です!
今回は、音楽フェス(二日目)の出演アーティスト発表第一弾!
なんと、オーナーにも「世代」が多いPUFFYの出演が決定しました!
フレブルLIVE -
【ロッチ出演決定!】フレブルLIVE「11/9(土)」の司会はフレブルラバーのロッチ!
『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
一日目は愛ブヒとファミリーが主役になる、参加型コンテンツ。
二日目はアーティストを呼んで、史上初の愛ブヒと楽しめる音楽フェスを開催。
2daysで大きく内容が異なるのも「フレブルLIVE」の魅力です。
そして…今年の司会は、待望の「ロッチ」が登場!
みなさん! ついにロッチのお二人が「フレブルLIVE」にやってきます!
フレブルLIVE -
【肉球の香りがするビール、誕生】イラストは千原ジュニアさん【フレブルLIVEで先行販売!】
『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
今年は例年以上に反響があり、二日間ともに駐車場付きチケットがSold outとなりました!
年々パワーアップしている「フレブルLIVE」ですが、今年はオリジナルのクラフトビールを制作。
世界初・肉球の香りがするビールで、その名も「Paw Pad Ale」。
パッケージのイラストは、なんと千原ジュニアさんが手がけてくださいました。
フレブルLIVEにて、先行販売いたします!
フレブルLIVE
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
French Bulldog LIVE⚡️2024 (フレブルLIVE)
-
7周年特別企画「プロジェクト7」
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】FBL編集部の「アバウトな幸福論」
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
【特集】短命拒否権ーフレンチブルドッグは、もっと生きる
この特集は、『短命』のレッテルを返上するための、有益なフレブル生活記録簿です。
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。