フレンチブルドッグと「いのち」の話
愛犬はフレンチブルドッグです。と言うと、時々「病気しやすいんでしょ?」「寿命が短いって聞いたけど?」と悲しいレスポンスをもらいます。確かにフレンチブルドッグは人間が改良を重ねて今の姿になった歴史を持つがゆえに、とびきりユニークで愛らしいルックスを持つ反面、様々な病気リスクがあることも事実。実際に現在、病気と戦っている、またはシニア期に入って先のことを考えると色んな不安に苛まれているオーナーさんも多いことでしょう。でもね、思いませんか?大切なのは一緒に過ごした時間の長さではなく、その密度だって。
平均寿命にとらわれすぎないこと。

Golden House Studio/shutterstock
一般的に言われているフレンチブルドッグの平均寿命は約10年から12年。私たち日本人の平均寿命は約80年。そう思うとフレブルの寿命は、もっと言えば「犬」と言う生き物の寿命はひどく短いように感じます。
だからこそ、きっと多くの人が一瞬一秒でも長く愛犬と過ごそうと、その有り余る可愛さを脇に置いておいてもパピー期から飼いたがるのではないでしょうか。
一緒に過ごせるのは10年とちょっぴり。そう考えると彼らの一生は短く、とても儚いように思います。
だた、私たちの4倍速で一生を駆け抜ける彼らにとってそれはいたって普通のことであり、何よりも重要なのは、「生きる時間の長さ」よりも「愛された時間の長さ」なのではないかなと思うのです。
私たちはつい人間の尺度で何もかもを見てしまうけれど、短い時間で大人になり老成する犬にとって、大切なのはいくつまで生きるかではなく、どう生きるか。
こう言葉にすればきっと、私たちだって「うんうん」と頷くはずだけれど、オーナーとしてフレブルを飼育していると、いつの間にか彼らの「平均寿命」にとらわれてしまう。
でも、本当は何年生きるかよりも、どう一緒に過ごすか、が大事なのではないでしょうか。「起きる。食べる。ちょっと散歩する。留守番する。」の12年間と、「跳ねる。走る。大好きな飼い主と笑う。その側に寄り添う。」5年間では、その密度が違いますよね。
現在フレブルと暮らしている人の中には、シニア期に差し掛かってあちこちに違和感が出始める愛犬を心配する人も、まだまだ若いのになんでウチの子が病気になるの?と病魔と闘っているブヒを持つオーナーさんもいることでしょう。
もちろんどのコも、健康で幸せにできるだけ長い寿命を全うしてほしい。でも、それ以上に今、この瞬間を、生きているこの一瞬を一緒に過ごす時間を大事にして欲しいなと思うのです。
いつでも送り出せると思える毎日を。

Golden House Studio/shutterstock
人間だって、朝行ってきますと家を出たその日が最後になる、なんてありえないことじゃない。残念ながら「死」というのは、いつもどこかに身を潜めているのです。
それは事故だったり病気だったり寿命だったりするけれど、単に恐れていてもどうしようもないものでもある。
だからこそ、大切な愛ブヒには毎日「大好きだよ、大切な存在だよ、うちの子になってくれてありがとう」を伝え、今日も最高の1日だったねと思える日々を過ごさせるのがブヒオーナーとしての目標ではないでしょうか。
たとえその期間が短くても、幸せなことに長くても、飼い主として忘れたくないのは「一緒に過ごす時間の密度」。ありがたいことに犬という動物は、私たちが思う以上に人間のことをよく見て、その機微を感覚的に理解しています。
だから私たちが愛ブヒにそういう気持ちで接していれば、彼らもまた、それをちゃんと理解してくれているはず。
もちろん別れの時は悲しいし、できればずっと先に延ばしたい。もっと言えば、いっそ自分が旅立つ3日くらい前までその時が来ないで欲しいけれど、あなたに愛された相棒はあなたに看取られることが最大の幸せなんです。
もちろん相棒が元気なうちはそんなことを考えるのも嫌だろうけど、いつか必ずくるその日に、「ね、うちの子になって良かったでしょ?」と言えるオーナーであって欲しい。
そういう飼い主が増えることで、幸せなワンコが増えるのではないでしょうか。
出会えた、という奇跡。

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1年の間に何頭のフレンチブルドッグが誕生するのかはわかりませんが、狭いようで広い日本の中であなたとあなたの愛ブヒが巡り会え、家族として同じ屋根の下で暮らすのは何かしらの運命。
きっとあなたの相棒はあなたを選んでここに来たのでしょう。これは別にスピリチュアルがどーたら、とかではなく、何かしらの「縁」があなたとあなたの愛ブヒを繋いだ結果。
この「縁」と言うのは、平たく言えば「出会い」や「機会」ですが、日本人的な感覚で言えば「縁」は「縁起」に繋がり、「物事が起こるには原因があり、それは縁に作用して成り立つ」ということ。
つまり、出会うべくして出会い、寝食を共にする相棒となったと(無理やり?)解釈できなくもない。だからこそ、もし今愛犬が何かしらの病気と闘っているならば、それはきっとあなたの元で、あなたに付き添われながら闘いたかったから。
フレンチブルドッグをはじめ生き物と暮らしていると思いもよらない過酷な事態に見舞われることもあるけれど、どんな時もそばにいて一緒に闘うことがオーナーとしての使命なのではないでしょうか。
お空に旅立った時、どうする?

Fayzulin Serg/shutterstock
いつかは必ずやってくることだけれど、もし愛ブヒが旅立つ時が来たらどうすれば良いのかわからない人、多いのではないでしょうか。
ひと昔前は愛犬や愛猫が命を全うしたら、自分が暮らす地域の自治体に連絡して火葬してもらうのが一般的でした。
ただし、この場合ペットは「一般廃棄物」という扱いとなるため、人間の葬儀のような流れはありません。
最近はペットのお葬式を請け負う業者も増加していますが、この場合は「個別葬儀」と「合同葬儀」など様々なプランが用意されています。
自分がどう愛犬を送りたいのかで変わってはくるものの、基本的にペット葬儀はその大半を業者へ委託することが多いため信頼できる業者を選ぶことが何よりも大切。
ちなみに土葬する場合は私有地に限られ、公共の土地や他人の土地に無断で埋めると法律に違反することになります。
何にせよ、大切なのは送る側の気持ちです。どんな形の送り出しであれ、生前とびきり愛して可愛がったのなら、送る形はどんなものでも良いのではないでしょうか。
とにかく生きている時に、溢れてこぼれ出るほどの愛情を注ぐ。これが飼い主にとっても、甘えることが何より好きなブヒにとっても、最高の一生の過ごし方に違いないのですから。
おわりに

Ysbrand Cosijn/shutterstock
フレンチブルドッグの「いのち」。それはその時間の長短ではなく、大好きな飼い主と過ごした時間の密度に比例して語るべきもの。
生まれてはいたけど生きていただけなんだ、じゃない「生きていた実感」を多くのフレブルが得られることを、強く願います。
そして最後にもうひとつ。よく「死は2度ある」と言いますが、ひとつめは「肉体が生命を全うした死」そしてもうひとつは「記憶から消え去る死」です。
愛ブヒを思い出すこと、忘れないことで、あなたの愛犬はずっと心の中で生き続けるのではないでしょうか。
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