愛ブヒを抱えて震えた台風の恐怖【大阪より緊急リポート】
関西に大きな爪痕を残した台風21号。FBLライターの私は大阪市内で夫と相棒ブヒである「大福」と暮らしており、自宅は大阪湾にほど近いエリアにあります。今年最強と言われた今回の台風21号は大阪に大きな被害をもたらしましたが、その被害は海に近いほど大きかったようで、もちろん私の自宅周辺でも様々な被害がありました。大型で速度がはやい台風だったため実際に恐怖を感じた時間はそんなに長くはなかったものの、その渦中にいる間は何時間にも思えて、家ごと吹き飛ぶんじゃないかと言う命の危険すら感じました。そもそも大阪市内はさほど災害の影響が少ない土地。先日の地震や水害などの際も市内はほぼ通常通りの生活を送れており、恥ずかしながら台風がこんなにも怖いものだと思ったことさえなかったのです。しかし、それが大きな間違いだったことが身に沁みた今回の台風。この体験によって、大切な家族の一員であるフレンチブルドッグを非常時にいかに守るかを改めて考えるきっかけになりました。そこで、今回の台風で得た教訓やワンコにまつわる情報をリポートしたいと思います。
都市の油断が招く危険。その時ブヒは…?

Runa Kazakova/shutterstock
高層ビルが立ち並び多くの人が生活する都市部、一般的に大都市と呼ばれる地域は、そもそも過去に災害が少なかったために発展して「都市」となったという背景があります。
最近は温暖化の影響か異常気象が続き大都市圏が被害に見舞われることが増えてはいるものの、天災に慣れているとは言えないのが実情ではないでしょうか。
実際今回の台風では、JR西日本や大手百貨店などが台風上陸の前日の時点で運休や閉店を決めていました。
でも、そのニュースを耳にした時も「なんだか大げさだな」と思った人も私を含め少なくはなく、“自転車や植木が倒れると危ないから家の中に入れておこう”レベルの対策しかしていなかった家が大半。
我が家も同じくで雨戸シャッターすら閉めずに、呑気にテレビで台風のニュースを見ていたのです。が、突然雨風が激しくなったなと思った瞬間、あまりの強風に家が地震のように揺れ始めました。
慌てて窓の外を見ると、空中にはどこかの家の瓦やバルコニーの屋根だったであろうパネルが舞い飛んでおり、向かいの並びの家の屋根の一部がバリバリと剥がれ上空に浮かぶ様子を目の当たりにしました。
それらが電線を巻き込みながら地面に激突し、再び風で舞い上がり…。そこでようやく我に返り、慌てて窓のシャッターを閉めたのです。
さて、この時点で自宅は停電していました。突如薄暗くなった部屋で、こちらの恐怖が伝わったのか足元を一切離れない大福。
大福は台風そのものに怯えたというよりも、飼い主である私たちが感じる恐怖を察知して怯えたようで、吠えることもなくただただ引っ付いていました。
こういう時こそ、ゆっくり撫でたり声をかけたりして愛犬を落ち着かせることが重要で、もしブヒがパニックになって暴れたりするとケガをしたりする恐れもあります。
飛来物で窓が割れたりすることもあるので、窓からは離れてなるべくケージなどに移動させ、事情がわからないワンコの安全性を確保してあげて下さいね。
停電時に暑さからブヒをどう守るか

Runa-Kazakova/Shutterstock
ようやく台風が通過したその後、しばらく待っても一向に電気がつく様子はありません。
エアコンもテレビも停止し、まだ風が強いので窓も開けられず、蒸し暑い部屋でまず考えたのは大福の暑さ対策でした。
途中でポッキリ折れた電柱や切れてぶら下がってる電線を見る限り、電力の復旧は直ぐには難しいと判断したのです。
なお、一般的に冷蔵庫はドアを一切開けなければ約72時間は保冷できると言われているので、開ける回数を減らすためしばらく考えてから、クーラーボックスに保冷剤とその日食べる分の食品、飲料を移しました。
この時に本当に助かったのは、お散歩時の熱中症対策にと大量に凍らせていた保冷剤の存在。朝晩は涼しくても昼間は30度の暑さなので、フレブルには体を冷やせるアイテムが不可欠です。
幸い我が家は電気のみが止まっていたため水やガスは使えましたが、頼みの綱であるスマホを充電することもできず、契約している携帯電話会社が通信障害を起こしていたために一切のニュースが入らない状況でした。
そのためその時点では関空が機能停止していることも、神戸港の車両火災やコンテナが海に流出したことも全く知らなかったのです。
なお、災害時には行方不明となるペットが増加しますが、今回のような台風の場合は突発的に起きる地震などとは違い、前もって対策でき家にこもっている人が多かったために行方不明のペット数自体はそんなに多くなかったのが幸いでした。
ただ、台風から数日が経過した今なお電気が復旧してない地域もあるので、ドッグカフェや老犬介護ホームなど、電気が復旧している複数のペット関連施設がペット預かりなどを引き受けてくださっています。
これらはSNSで「#台風」「#停電」「#犬連れ」などのキーワードで検索できます。
台風一過のその後

Runa-Kazakova/Shutterstock
我が家で電力が復旧したのは台風上陸から約24時間後でしたが、同じ市内でも都心部では停電もなくいち早く日常を取り戻せたようで、一方未だ電気が復旧していないエリアもあります。
また、同じ町内でも電力で水道ポンプを動かしているマンションなどは水道が使えなかったため、ペットの飲み水の確保も大変だったそう。
人間の食料は調達しやすい状況でしたが、ペットフードは扱っている店が限られているので、非常時に備えて多目に買い置きしておくことが大事だと実感した他、例えば要冷蔵のフードなどは停電したら傷んでしまうため、ドライフードや常温保存ができるパウチ、缶詰のフードに愛ブヒを慣れさせておくことも大切です。
なお、大きなゴミや瓦礫の類は早い段階でまとめられ片付けが行われたものの、道路にはガラス片があちこちに残り、公園も倒れた木々が積み重なっている状況。
そのため散歩にはいつも以上に注意が必要で、肉球を守るための靴の重要性を改めて感じました。
ちなみに、今回大活躍したもののひとつが手拭いでした。タオルと違ってすぐに乾くので洗濯機が使えない中でも手洗いしやすく、もし保冷剤がなくても濡らして絞ればブヒの首やお腹に巻いてクールダウンに使えます。
あと、ランタンや電池、ロウソク(マッチゃかライターも)は必ず常備しておいてくださいね。
そういえば、ラジオはスマホで聞けば良いと思っていたので我が家には古いラジオしかなく、情報を求めてラジオをつけたらまともに音が入ったのはなぜか野球中継のみでした…。
この時ほど心底「なんでやねん!」と呟いたことはありません。
さて、地震と違い、事前にある程度の予測が分かる台風は備えることができます。
今回備えを怠った私が言うのもなんですが、規模の大小に関わらずやはりニュースで危険だとされている事象にはキチンと備えておくべきだと痛感した次第。それでなくても最近は災害が多いので、うちは大丈夫だろうという考えは通用しないのです。
おわりに

Marharyta Lias/shutterstock
台風の後片付けに奔走している時に、北海道を襲った大地震のニュースが飛び込んできました。
台風や地震で被災された方々に、心からのお悔やみを申し上げるとともに、少しでも復興の力になれるよう自分のできることからやっていこうと思っています。
今、この国は全体が被災地域だと言っても過言ではないほどに、あちらこちらで災害が起こり、その復興途中でさらに新たな災害に見舞われています。
今まで大きな災害がなかったから大丈夫、と言う考えでは大切な相棒を守れません。どうか、何事もない平常時にこそもしもの時のための備えをしっかりとしておいて下さいね。
こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。
おすすめ記事
-
「停電=命のリスク」から愛ブヒを守る。猛暑時代に「Jackery ポータブル電源 2000 New」が欠かせない理由とは?
もしも、真夏に停電が起きてエアコンが止まったら…。
フレンチブルドッグと暮らす私たちにとって、それは「ただの不便」では済まされません。
暑さに弱く熱中症のリスクが高いフレンチブルドッグにとって、空調が途絶えることは命に関わる問題。
そんな“いざ”に備えておきたいのが、「Jackery ポータブル電源 2000 New」。
これはフレブルと暮らすご家族にとって、欠かせないアイテムです。
実際に導入したフレブルオーナーのリアルな声や、キャンプなどでの活用事例とともに、愛ブヒの命を守るための「本当に必要な備え」をご紹介します。
(PR 株式会社Jackery Japan)
PR -
【愛犬とのキャンプに】行って実感!「ELL’S PARK 長瀞」が犬オーナーに“選ばれる理由”とは〜フレブルJACK〜
2024年11月にオープンしたばかりのアウトドア複合施設「ELL’S PARK 長瀞(エルズパークながとろ)」。
ここは日本では珍しい「犬連れ専用アウトドア施設」で、すべてのエリアがドッグフレンドリー!
そんな「ELL’S PARK 長瀞」さんから、「フレンチブルドッグで全施設をジャックしませんか!?」という素敵なご依頼をいただき、
フレブルだらけのキャンプイベント——その名も「フレブルJACK」が開催されました!
当日は晴天に恵まれ、全国から約45組のフレブルファミリーが大集結。
この記事では、イベント当日の様子をレポートしながら、参加したフレブルファミリーたちが実感した「ELL’S PARK 長瀞」の魅力をたっぷりとご紹介していきます!
(PR リバストン工業株式会社)
-
【取材】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】上沼恵美子さん「もう一回だけ抱きしめたい」愛犬ベベとの12年間
運命の子はぼくらのもとにやってきて、流れ星のように去ってしまった。
その悲しみを語ることはなかなかむずかしい。
けれども、ぼくらはそのことについて考えたいし、泣き出しそうな飼い主さんを目の前にして、ほんのすこしでも寄り添いたいと思う。
その悲しみをいますぐ解消することはできないが、話をきいて、泣いたり笑ったりするのもいいだろう。
こんな子だった、こんなにいい子だった、ほんとうに愛していたと。
ぼくらは上沼恵美子さんのご自宅へ伺って、お話をきこうと思った。
取材 -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【取材】川口春奈と愛犬アムのやさしい世界。ー大人気女優は生粋のフレブルラバー
いまをときめく人気女優が、フレンチブルドッグラバーであるという事実。
そうです、その人は川口春奈さん。
アムちゃんというパイドの女の子と暮らしています。
話を聞けば聞くほど、そして春奈さんとアムちゃんのやりとりを目の当たりにするほどに、そのフレンチブルドッグ愛がわたしたちのそれとまったく同じであることに、なんだかうれしくなってしまったのでした。
春奈さんとアムちゃんのすてきな暮らしを、BUHI編集長の小西がいつくしみながら、切り取らせていただきます。
-
【スペシャル対談】愛犬の旅立ちと供養。霊感がない人も「愛犬の成仏」を知る方法!?【シークエンスはやとも×PELI】
愛犬の旅立ちは、誰もが目を背けたくなるもの。けれど事前に知っておくこと、考えておくことで、救われることがたくさんあります。
今回は、お盆スペシャル企画。世間が認めるほどの霊視能力をもつお笑い芸人「シークエンスはやとも」さんに、愛犬の旅立ちや供養についてインタビュー。
インタビュアー兼対談相手は、大の犬好きで心霊分野の知識にも長けているPELIさん。
「愛犬が旅立ったあと、ベッドやおもちゃはどうすればいい?」「お骨はどうするべき?」「お花やお線香は喜んでくれる?」
さらには、霊感がない人でも愛犬が成仏したことを知る方法まで。
お笑い芸人だからこそ暗くなりすぎない、むしろ心がスッと軽くなる。
永久保存版のスペシャル対談です!
対談 -
諦めかけた命。あれから2年、フードを変えたら15歳の今もお散歩大好きなフレンチブルドッグに!
今日は15歳の愛ブヒと暮らす、編集メンバーの実体験。
愛ブヒは二年前からすべてのフードが合わなくなり体重が激減。検査をしても異常はなく「年齢のせいですね…」と言われてしまいました。
もう諦めるしかないのかな…そんなとき、我が家に届いたのが「THE fu-do(ザ・フード)」の試食品でした。
そして「THE fu-do(ザ・フード)」を食べつづけて二年、愛ブヒは15歳になり、今も元気にお散歩をしています。
今回は、二年前の絶望から今までを包み隠さず、時系列でお話しさせていただきます。
-
【イベントレポ】5,000頭のフレンチブルドッグと7,000人が集まった「フレブルLIVE2024」の全貌!
11/9(土)-10(日)の二日間にわたって開催された『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』。
今年はのべ5,000頭のフレンチブルドッグと7,000人のフレブルオーナーが集まりました!
day1の司会はフレブルラバーのロッチさん。day2の音楽フェスには世代ど真ん中のPUFFYが出演するなど、例年以上に豪華なラインナップ。
北は北海道、南は鹿児島県から。全国のフレンチブルドッグが一堂に会した「フレブルLIVE2024」の模様を、詳しくお届けです!
最後には2025年の情報もありますので、要チェックでございます!
フレブルLIVE -
【前売りチケット販売開始!】フレブルLIVE 2025は、11/8(土)9(日)開催!スチャダラパーによるテーマソング制作も決定
『French Bulldog LIVE 2025(フレブルLIVE)』の開催は、11/8(土)-9(日)の2days!
お得な前売りチケット、いよいよ販売スタートです!
さらに今年はビッグニュースが。
なんと、ヒップホップグループ「スチャダラパー」がフレブルLIVEのテーマソングを制作してくれることになりました!
テーマソングの情報やお得な前売りチケットの販売情報など、内容盛りだくさんでお送りしていますので、最後までお見逃しなく!
フレブルLIVE
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
French Bulldog LIVE⚡️2025 (フレブルLIVE)
-
【特集】シン・スキンケア
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
【特集】永遠の選択。フレンチブルドッグ専用「THE fu-do(ザ・フード)」
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。