飼い主に万が一のことがあったら。愛しのフレブルに幸せな将来を遺す方法
愛ブヒと暮らす生活は、かけがけのないもの。まさに家族の一員なので、いつまでも一緒にいたいと思うものです。
でも最近では、犬も長寿になっていることから、高齢者の場合、「いまから飼っても最後まで面倒を見てあげられないかもしれない」と、心配している人もいるでしょう。
ひとり暮らしで愛犬を飼っている人も、「もし、自分に万が一のことがあったら、うちの子はどうなるのだろう」と、一度は考えたことがあるのでしはないでしょうか。
自分が亡くなったあとでも、愛ブヒの世話や金銭的な心配がなく、幸せに過ごしてほしいと思うもの。
そのためにできることとして、ペットを託す人を指定して、財産を残すという方法があります。
目次
ペットは「相続人」にはなれない
ペットを飼っている人は、自分に万が一のことがあったとき、残された愛すべきペットがどうなるか、心配したことがある人もいるかもしれません。
同居している家族がいれば安心かもしれませんが、独立した子どもや、遠くに暮らす両親に頼んだとして、きちんと世話をしてもらえるかは、正直なところわかりません。
特にフレンチブルドッグは、なにかと手がかかる犬種です。皮膚も弱く、アレルギーにもなりやすいので、医療費がかさむこともあります。
万が一手術なんてことになれば、数十万円もの出費となるので、いざ託された人も「こんなはずじゃなかった」と思ってしまい、手放すことを考えてしまうかも知れません。
ただ、どんなに大切な愛ブヒでも、ペットは法律上「もの」として扱われるため、直接財産を相続させることはできません。でも、別の方法でペットのその先の生活を守ることができます。そのひとつが「負担付遺贈」という方法です。
遺言で愛犬の世話と財産を残す人を指定する
自分の財産を誰に残すかを指定することができるのが「遺言書」ですが、ここに自分が亡くなったあと、愛犬を誰に引き取ってもらうかを書くことができるのです。
ただし、ただ世話を頼むだけでは、拒否されてしまう可能性もあります。そのため、今後の愛犬の世話をお願いするかわりに、財産の遺贈をセットで記すことができます。このことを「負担付遺贈」といいます。
例えば「長女に愛犬を託す。そのための費用として500万円を遺贈する」という内容を、遺言書に書きます。長女は受贈者となり、犬を引き取るという負担はあるものの、金銭が遺贈されるため、ペットのご飯代や医療費などは相続で受け取った金銭でやりくりできるなど、受け入れしやすくなります。
このように、愛犬自体に財産をあげることができなくても、万が一のときにも、愛犬の今後の生活を保障するという目的を果たすことができるのです。
負担付遺贈では、生前に話して承諾を得ることが重要に
ただし、遺言書には一定の法的効力があるものの、一方的に遺言書に書いただけでは、受贈者が拒否することも可能です。そのため、愛犬を託そうと思っている人に、事前に話をしておいて、承諾しておいてもらうことが重要になります。
また、きちんと愛犬の飼育をしていることを見届けるために、遺言執行者を指定しておくといいでしょう。遺言執行者には、遺言書の内容が正しく実行されているかを確認する役目があります。相続人の中から指定することもできます。
もし、受贈者がペット飼育の義務を果たしていない場合は、家庭裁判所に遺贈の撤回を申し立てることもできます。また、遺言書は何度でも書き直すことができます。
「負担付死因贈与契約」で愛犬を守る方法もある
負担付遺贈以外にも、「負担付死因贈与契約」という方法があります。
「自分が死んだら愛犬を引き取るかわりに〇〇を遺贈する」という点では変わりはありませんが、こちらは生前に取り交わした「契約」になるため、いざ飼い主が亡くなった際に、受贈者は一方的に契約を拒否することができません。その点では負担付遺贈よりも確実性が高いと言えます。
口頭での約束も可能ですが、契約書を交わして、公正証書にしておくと、より確実といえるでしょう。また、こちらは相続人全員の承諾が必要になります。
財産がからむだけに、話し合いが難航することもありでしょう。そうした事態が想像できる場合には、負担付遺贈を選んだほうがいいでしょう。
相続人でなくても指定できるが、相続税の支払いが生じる
なお、受贈者は、負担付遺贈も、負担付死因贈与契約も、相続人でなくても指定することができます。ただし、相続税は受贈者にも発生するので注意が必要です。
相続財産の基礎控除額は「3000万円+(600万円×法廷相続人の人数)」となっていて、相続財産がこの金額を超えると、相続税を支払わなければなりません。
また、独身で配偶者も子どももいない人が亡くなった場合、相続人は両親になります。両親がすでに他界している場合は、兄弟が相続人になります。その際、相続人には最低限の取り分として「遺留分」があります。
遺留分は、両親が相続人の場合は財産の3分の1となり、その分を侵害していると、相続人の同意が必要になります。そのため贈与金額に関しては、遺留分を損害しない範囲で遺贈することに気を付ける必要があります。なお、兄弟が相続人の場合は、遺留分はありません。
我が子の未来の幸せのために、考えたいこと
年齢に関係なく、ひとり暮らしで愛犬を飼っていると、自分に何かがあったときのことのことが、ふと頭をよぎることもあるでしょう。
そんなときは、これまで紹介した方法で、事前に対策しておくことで、大切な我が子が路頭に迷うことを防ぐことができるのです。
もちろん、仲のいい友人や信頼できる人に、引き取ってもらえるならば問題はありません。いずれにしても、事前に話し合って了承を得ておくことは、なにより大切です。
我が子の未来の幸せのために、こうした方法があることを、覚えておいてソンはないでしょう。
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