2019年9月30日7,119 View

【取材】奇跡の16歳!病は気から、若さも気から。長寿の秘訣は「ギャル扱い」にあり!? #6すいか

10歳を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench BulldogLife。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。

今回ご登場いただくのは、16歳という超ご長寿のすいかちゃん。年齢を聞かなかったら、まだ成犬かシニアくらいの歳に見えるほどしっかりした足取りで、若々しいパワーにあふれたすいかちゃん。その元気の秘訣とは?

 

すいかちゃんのプロフィール

フレブル

・年齢&性別:16歳の女の子

・体重:9.3㎏

・大好きなこと:パピーと遊ぶこと。テレビを見ること。おもちゃは、自分で戸棚を開けて持ってきます。

・既往歴:10歳で肥満細胞腫を発症。かなり初期の段階での発見で、手術で全摘出。

12歳のときに前庭疾患を患い、そのころから耳があまり聞こえなくなりました。

15歳のときに肥満細胞腫が再発し、手術するも16 歳になったいまも自分の足でしっかり歩き、とっても元気です。

 

小さなサインを見逃さなかったことで病気の兆候を発見!

 

フレブルすいか

人間も犬も大好きで社交的なすいかちゃんは、毎日元気いっぱい。毛なみもツヤツヤで、まさに“奇跡の16歳!”です。

 

すいかちゃんのママさんはトリミングサロン、ペットショップ、ペットホテルなどが併設するワンコのための総合ショップ『DOGSLIFE PANNA』を経営していて、16年もの長きに渡って動物に携わるお仕事をしている山田陽子さん。

 

お店のお客様から寄せられる様々な質問に答えられるように、「飼い主さんが気づかないワンちゃんの細かい変化にも、気づいてあげたい」と、心がけているそうで、お店で預かる子は、しこりがないか、大幅な体重の増減がないかなど、細かいところまで目を配ります。

 

「毛の下の皮膚はトリミングの時にしかよく見えなかったり触れない場所もあるので、ほかの従業員にも徹底するようにといつもしっかり伝えていて、異変に気づいたら飼い主さんに報告したり、代わりに病院へ連れて行ったりします」(ママさん)

 

当然すいかちゃんもお客様の子と同じように、日々細かいところまでチェックするのが習慣化しているそうです。

 

健康診断は、8歳までは年に1回のペースで行っていました。何か数値に異常があるときは2~3カ月に1回、今は落ち着いているので半年に1回のペースだそうです。

 

「5歳のときに、健康診断で白内障の予兆があったんです。肉眼ではわからないくらいなんですけど。それ以来、ブルーベリーのサプリや『メニわん』という目用のサプリをあげています」(ママさん)

 

白内障は加齢とともに一気に進んでしまうことが多いですが、サプリのおかげか、進行は止まっているそうです。

 

10歳で悪性腫瘍「肥満細胞腫」に

フレブルすいか

肥満細胞腫が発症したのは10歳のとき。ある日、ママさんがすいかちゃんの足の付け根辺りの内側の白いところに、蚊に刺されたような丸いふくらみを見つけました。

 

「普段ならしばらく様子を見るところなんですけれど、たまたまごはんの前に興奮したときに、そのふくらみがボンって大きくなったんです」(ママさん)

 

 翌朝にはまた虫刺され程度に戻りましたが、何かおかしいと違和感を抱いたママさんはすぐに獣医師に相談。ところが先生からは「こんなの大丈夫だよ」と言われてしまったそうです。

 

というのも1か月以内に受けた検診に異常はなく、4日前にトリミングに行った際も特に変化は見当たらなかったから。

 

それでもママさんは「何もなければ安心できるから調べてほしい」と細胞の検査を依頼しました。

 

「検査を終えた先生は、検査室から肩を落として出てきたんです。“針を刺したら大きくなりました。どういうことかわかりますよね”って」(ママさん)

ママさんの悪い予感は的中してしまったのです。

レジェンドすいか

「すいかからのサインだったのかも。生きたいんだな、勝負しろってことだなと感じて、その場で最短日の手術を予約しました」(ママさん)

 

手術で全摘出。その後、5年間は問題ありませんでしたが、去年再発し、再手術を。

 

また12歳のときに前庭疾患を起こしたあたりから、耳があまり聞こえなくなってしまったものの、16歳のいまも毎日元気に過ごしています。

 

小さなサインを見逃さないためには、毎日のスキンシップや日頃からじっくり観察することが大事なのですね。

 

若いときは10日に1回のプールで筋力アップ!

フレブルすいか

「最近は寝てばかりの省エネ生活」と笑うママさん。運動は、今はお散歩だけだそうです。

 

「長距離は歩けないので近所の空気を吸いに行く感じで、200~300メートル歩いて戻ってきます。省エネ生活してますね」(ママさん)

 

しかし若いころは、よくプールで泳いでいたそう。

 

「10日に1回くらいは連れて行ってました。腰痛が出て歩けなくなるよりはいいと思って。泳ぐと体力を消耗するのと、心臓への負担が大きくて怖いので、年を取ってからは行ってないんですけど」(ママさん)

 

また、すいかちゃんの若さをキープするために、ママさんは「年齢を自覚させないように」心がけているそうです。

 

だから、おばあちゃん扱いなんて、もってのほか! ママさんは「すいかちゃんは赤ちゃんだね~」「ギャルだもんね~」といつも語りかけています。

 

加齢で足の筋力が落ちてきたので、前は普通に上れた段差を上れなかったり、階段が降りられないときもあります。そんなときは、先に抱えて乗せたり降ろしたりと、フォローは欠かせません。

 

「もし転んだりしたら、自信をなくすだけなので…。すいかに“ああ、私ももう歳ね”なんて思ってほしくないんです。年を取ったと実感すると、自分で自分を老け込ませてしまう気がして」(ママさん)

フレブル

体調管理には、食事も大事と考えています。もともとは高たんぱくなフードをあげていたそうですが、今は低たんぱくで、肝臓と腎臓を守ってくれるものを選んでいるそう。

 

「それに、無糖ヨーグルトやシジミと舞茸のスープなどで“菌活”をしたり、ビタミン、アミノ酸のサプリやオイルなどを一緒に与えています」(ママさん)

 

また冬場や夏の冷房時にもお腹や足先が冷えていたら、マッサージをしたり、ホットアイマスクなどを使い温めることも。

 

「身体全体の体温が同じくらいになるよう、冷えている場所がないように心がけています」とママさん。

 

「冷えは万病のもと」は人間も同じですよね。

 

パピーの教育係で元気ハツラツ

フレブル

「病は気から」と言いますが、前述したように、ママさんは「若さも気から」だと思っているそうです。

 

ペットショップ経営というお仕事柄、ママさんのお家には、すいかちゃんのほかにパピーも一緒に暮らしています。

 

「販売している子犬は、お座りや伏せ、待てとトイレのしつけを完璧にしてから、お客様に渡します。すいちゃんは、子犬たちの教育係さんなんですよ」(ママさん)

 

パピーと過ごすことですいかちゃんに母性が芽生えて、パピーたちにトイレや遊び方を教えたりするそうです。

 

「違う犬がいると疲れちゃうかなと思って、去年1年はやめてたんです。でも最近また一緒にいさせるように。すると、すごく元気になりました。本人はうれしそうなので、生きがいだったみたい」(ママさん)

 

パピーたちと楽しく遊びながら、しつけも教えるすいかちゃん。教育係としても頼れるお姉さんなんですね。遊びながら若い子からエネルギーをもらっているおかげで、お散歩中に年齢を聞かれて16歳と答えると、「信じられない!」と驚かれることもしょっちゅうです。

 

「フレンチって遊ぶのが好きな子が多いですよね。だから、多頭飼いのほうが若くいられるのかなって気がします」とママさん。

すいか

「人間でも、おばあちゃんになってもお友達といろんなところに遊びに行ったり、旅行に出かける人は若々しいですよね。社交が苦手で外に出ない方のほうが、老け込むのが早いような気がするんです。

 

たぶんワンちゃんも、若いうちからお友達ができる環境や、遊び方を覚える環境を作ってあげるといいんじゃないかな」(ママさん)

 

ただし成犬の場合、犬嫌いの子を犬同士で遊ばせるのはかえってストレスになるので、ママさんは無理に一緒に遊ばせることは勧めないそうです。

 

「若いうちからほかの犬と遊ぶ習慣をつけていくと、ほかの犬が来ても“いぇーい、友達見つけた! 遊ぼう♪”ってなるんです。パピーのころに社会性を学ばせて、ワンちゃん好きにしてあげられたことも、すいちゃんの若さの秘訣かなって思います」(ママさん)

すいか

ママさんは「まだまだ元気いっぱいなので、あと5年は長生きしてもらいます(笑)」と目標を高く持っています。

 

「なんだか歳を感じさせないという精神論的なお話ばかりになってしまいました」と恐縮されていましたが、気持ちを若く持つことこそ長寿の秘訣だというのは、人間も同じですよね。

 

また定期健診を受けて病気を早期発見するのも、健康に長生きするためには必須。病気が発見されないから無駄遣い、ではなく安心料。大きな病気が見つかってからかかるお金のほうが大きいと考えると、けして無駄使いではありません。

 

すいかちゃんのように、まめに健康診断を受けておくことは、レジェンドブヒを目指すならとても大切なことではないでしょうか。

 

取材・文/都丸優子

 

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