この夏もまた、元気で過ごすこと。ミドルシニア以降は『今まで以上に』暑さに注意を![特集:ミドルシニアLIFE]
いきなりですが、大切に日々を過ごしたいと思うことが増えました。それは愛ブヒが5歳を過ぎた頃からでしょうか。今までは、夏はそこそこ好き。それが暑さに弱いフレブルを迎えて以来嫌いな季節となり、ぐるりと考えが一周した今は、相棒と巡る十何回かの夏をいかに素敵かつ心地よく過ごすかを考えるように。年齢とともにますます暑さに弱くなるまあるい体を眺めながら…それでもね。この夏の匂いを一緒に吸い込むことの醍醐味に心躍るのです。
ミドルシニア以降は、熱中症リスクがアップ。
ああ、本当に嫌な季節が今年もまた巡って来る…とため息をつくものの、思えば暑さにとことん弱い犬と暮らす以前は夏という季節に心躍っていました。
だってなんかキラキラしているでしょ、全体的に。
何かをしてもしなくてもその瞬きを享受できる季節というのは日本において夏ぐらいなもの。
それ以外の季節は新たな出会いとか文化的なことをしなくちゃだとか、イベント盛り沢山であっという間に過ぎ去ることが大半なのですから。
だからね、なんだか眩しい季節を相棒と分かち合えるのはとてもかけがえのないことだと思うようになったのです。
ただし、それも相棒が5歳を過ぎてミドルシニアと言われる年齢に差し掛かってからのことでしょうか。
フレブルってやつは、夏、とにかく暑さに弱い犬種です。
だからパピーの相棒を迎えて以来、とてもとても気を使って夏をやり過ごしてきたのです。
どうか暑さに大切なものを奪われないように、と。
しかし本当に年々、目に見えて暑さが苦手になる相棒を見るにつけ、いっそう気温に敏感になりました。
調べてみるとやはり犬もシニアの入り口に差し掛かった頃から体温調節機能が衰えるため、ミドルシニア以前のブヒと比べて熱中症にかかりやすくなり、それはハイシニアになるとより顕著に。
これはシニアになることで筋肉を駆使するパンティング(口を開けハァハァと大きく息をする行為)が体の負担になったり、涼しい場所へ移動するなどの行動が遅れることも一因だそう。
そして犬も人間のシニアと同じように、高齢になると暑さを感じにくくなるのです。
散歩時間を短縮し、カートを駆使。
まもなく7歳になる愛ブヒ。以前は夏の散歩でも「いつもと同じコース、同じ距離を絶対に歩くんだい!」とばかりに張り切っていました。
が、去年あたりから「もう暑いし、今日はこのぐらいで」とバテてきたら自ら家路につくように。
そんな姿を見て年齢を感じなんだかとても寂しくなったのですが、何より大切なのは体、そして命。
それ以降は早朝と夜遅くなってから行く夏の散歩にも今まで以上に色々な工夫をするようになりました。
散歩中はあまり水を飲まない時があるので、おやつ感覚で水分補給ができるようカットしたキュウリやスイカを持参。
そして愛ブヒは夏場、帰宅したらいつも水を張った大きなバケツに入ってクールダウンするのですが、その水の温度が冷た過ぎると心臓に負担がかかると思うので、散歩前に水を張っておきある程度ぬるい温度にしておくこと。
また、猛暑日にはペットカートに乗せて公園へ行き木陰になる場所だけを歩かせるなど、夏の散歩方法が若い時と比べ大きく変わってきました。
かかりつけの獣医師いわく、夏の暑い時期は犬も体力が落ちるため、運動量や運動の内容は気温に応じて変えてくださいとのこと。
なので相棒のペースで歩けるよう夏場は近所の犬友達と一緒に歩くことはせず、とにかく彼のペースに合わせることを特に意識しています。
そんなミドルシニア期真っ只中の相棒ですが、それでもやはり散歩が大好き。
しかし酷暑日と呼ばれるような日は夜遅くとも気温が下がりきらないため、心を鬼にして散歩に行かない選択をすることも増えたのです。
ウチの子はどうなのか、を念頭に。
フレブルを連れての夏のお出かけはとにかく準備が大変。
あらかじめ車のエアコンをかけておき、大きなクーラーボックスにクールネック用の予備保冷剤やお水をたっぷり詰める。
そして車内ではエアコンの風がよくあたる場所、かつ差し込む日差しを遮るグッズをアレコレ試すなど、出発する前段階で結構疲れます。
ならば出かけなければ良いのだろうけれど、たまには避暑地にも行きたいし、冷たい川で水遊びなんかもさせてあげたい。
それに場合によっては出ざるを得ない用事もあるでしょう。ただこれはあくまでウチの子の好みや体力を考えてのこと。
SNSを見ていると夏場でも屋外のカフェや水辺のレジャー、避暑地で寛ぐフレブルの姿がたくさんアップされていますが、「よそもやっているからウチも大丈夫」ってことはありません。
フレブルの中にも暑さに強い子と弱い子がいるし、年齢も体力も様々。
こういったことはSNSの画面上ではなかなか伝わらないものだから、夏のお散歩と同様に「他の犬がしているから問題ないだろう」と安易に思わないことです。
暑さをコントロールする力は個体により異なるので、何よりも「ウチの子はどうだろう」を見極めることが大切。
そしてその見極めは、愛ブヒが歳を重ねるごとにいっそうシビアに判断する必要が出てくるのです。
夏は素敵な季節だけれど、ミドルシニア以降のブヒにとってはリスキーなシーズンでもあるってことを、誰より私たちオーナーが常に念頭に置いておきたいですよね。
ミドルシニアは、何ごとも『今まで以上に』
フレブルオーナーさんは熱中症対策をしっかりされていることだと思います。
しかしブヒもシニアに近づいていくごとに暑さそのものへの耐性が弱まるので、ミドルシニア以降は今まで以上の警戒が欠かせません。
そういえば、気象庁と環境省が2020年から『熱中症警戒アラート』という暑さへの注意を呼びかける情報を公開しており、今年の4月から全国で運用が開始されました。
これからの季節は毎朝このアラートをチェックしてその日の熱中症危険度を前もって把握するなど、様々な情報を活用するのも愛ブヒを暑さから守る助けになりますよ。
文/横田愛子
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