2021年8月26日1,821 View

命の危険も…ダンボールに大興奮!かじる、吠える、飲み込むブヒの心理・対策は?

国際的なドッグトレーナーライセンスを取得している大久保羽純さんに、愛ブヒを正しく守り、導き、固い信頼関係を築くための方法を学ぶこの特集。今回は、ダンボールを見ると興奮したり破壊行動をするブヒたちの心理と、その対策をご紹介します。「たかがダンボール遊び」と侮っていると、場合によっては命を危険にさらすことも。油断せず、しっかりと対処したいものです。

フレンチブルドッグ,しつけ

あぁ…今日もダンボールで大騒ぎ

フレンチブルドッグ

Irina007/Shutterstock

 

皆さんの愛ブヒは、ダンボールにどのような反応をしますか?  

 

かじってボロボロにしたがる子、ギャンギャン吠えてしまう子など反応は様々でしょう。

 

ダンボールは、掃除機のように大きな音を出して動き回るわけでもないのに、なぜ反応してしまうのでしょうか? 

 

そこで今回は、ダンボールへの気持ちを数名のブヒさんたちにインタビューしてみました。

 

みなさんの愛ブヒに似た子はいるでしょうか? それぞれのブヒの意見を聞きながら、改善点も探っていきましょう。

 

ダンボールで興奮!ケース(1)プッチは、ダンボールが怖い

フレンチブルドッグ

Cavan-Images/Shutterstock

 

インタビュアー:まず1頭目はプッチくんです。ママから、ダンボールを見ると大声で吠えて飛びかかると聞いたんですが?」 

 

プッチ:もう! ママったら、勝手にぼくのプライベートをバラすんだから! あのね、ぼくダンボールが怖いんだよぉ。

 

だってね、大きくって、目の前をバサバサと飛んで、箱だったのに板みたいに形を変えるしさ。

 

だからね、ぼくダンボールに「嫌だ! あっちに行け!」って一生懸命叫ぶんだよ。

 

でもママってば「あらあら、遊んでいるの?」とか言うんだよ。もう参っちゃうよー!」。 

 

インタビュアー:プッチくん、ダンボールは別に怖いものではないですよ」。 

 

プッチ:はい、出たー! 価値観を押し付ける感じ! インタビュアーさんがどう思うかは関係なくてぼくは怖いの。感じ方はそれぞれでしょ?

 

だってぼくはママがキャーキャー騒ぐゴキブリは平気だもん。怖いものは犬それぞれなの! わかった?」。 

 

インタビュアー:プッチくんのおっしゃる通りです。ごめんなさい。ではどうすれば、プッチくんは快適に過ごせますか?」。

 

プッチ:「基本的に、ぼくの目の前にダンボールが無いほうが良いよね。

 

ただ置いてあるだけでもニオイで緊張するし、さらに目の前で箱を開け閉めしたり、折りたたまれたりしたらもう恐怖で頭に血がのぼっちゃう。

 

そういうのは、ぼくの見えないところでやってほしいな」。

フレンチブルドッグ

Irina Kozorog/Shutterstock

 

プッチくんのように、ダンボールが苦手な子も少なくありません。他にも、ゴミ袋が怖くて吠えたり飛びかかっていくブヒもいます。

 

一見すると、興奮している様子から「遊んでいるのかしら?」と勘違いされてしまうこのケース。

 

遊んでいるのではない証拠に、身体のあちこちにストレスサイン(※)が出ているはずです。

 

※ストレスサインについて詳しくはこちら→「オーナーさん気づいてあげて!これが犬の「ストレスサイン」【愛ブヒの本音を知ろう】」

 

こういったケースでは、ダンボールを別の部屋や外で片付けるなど、ブヒとダンボールの物理的な距離を置くのも一つの方法。嫌なもの、怖いものをあえて近づける必要はありません。

 

オーナーさんもブヒも困っている場合は、無理に近づけて練習をさせるのではなく、ドッグトレーナーのサポートを受けながらトレーニングを進めてみましょう。

 

また、こうならないように、子犬の頃からダンボールに社会化するのも大切です。

 

ダンボールで興奮!ケース(2)モンちゃんは噛みたい、つくねくんは暇すぎる

フレンチブルドッグ

Lee waranyu/Shutterstock

 

インタビュアー:次は、モンちゃんとつくねくんにお話を聞いてみましょう。

 

オーナーさんからは、“2頭ともダンボールを見つけると大興奮でかじってしまう”と伺っています。モンちゃん、つくねくん、本当ですか?」。

 

モンちゃんワタシは噛むのが大好きなの。ダンボールをかじって、ボロボロにちぎれていくのって快感!

 

本当は、壁とか家具もかじりたいけど、それは怒られるから。オーナーがダンボールなら噛んでいいって言うから、遊びのひとつになったの」。

 

つくねくん俺は、モンちゃんみたいに楽しいからかじるわけじゃないな。イライラするからやっているんだ。

 

正直、ダンボールをかじるより、もっと散歩をしたりオーナーと遊びたい。俺は体力が有り余っているから、暇すぎて仕方がなくダンボールをかじるわけ」。

フレンチブルドッグ

Odor Zsolt/Shutterstock

 

同じように、ダンボールをかじって遊ぶ2頭でもモチベーションが異なっていますね。

 

モンちゃんのように、物がボロボロになっていく変化が大好きなブヒはたくさんいます。

 

狩りで獲物をバラバラに引きちぎる行動と似ていて、まるでお仕事のようにやる気満々で夢中になってくれます。

 

もし噛みちぎる行動自体を楽しんでいる場合は、汚れていないダンボールを与え、飲み込まないように注意しながら楽しんでもらうのも良いでしょう。

 

次につくねくんの場合ですが、一見ダンボールで楽しく遊んでいるように見えても、内心はイライラしています。

 

人間でも「あームカつくぜー」なんて言いながら、ガムをくちゃくちゃ噛んだり、やけ食いに走る人がいますよね。

 

つくねくんの場合は、ダンボールで遊んだところでなんの解決にもなりません。

 

ダンボールに飽きれば他の望ましくない行動をするでしょうし、なにより、つくねくん自身の生活満足度が低いまま。

 

ストレスが引き金となって、ダンボールを誤飲してしまうかもしれません。

 

ブヒはそれぞれ、気力も体力も違います。あなたの愛ブヒにあったエクササイズを提供して、幸せな毎日を送ってもらえるようにしましょう。

 

ダンボールで興奮!ケース(3)健康上の問題を抱えたムームーちゃん

フレンチブルドッグ

technomolly/Shutterstock

 

インタビュアー:次はムームーちゃんです。オーナーさんは“ダンボールをかじって飲み込んでしまう”と心配していました。ムームーちゃん、なぜそういうことをするのですか?」。

 

ムームーちゃん:わたち、なんだかお腹がムカムカするの。うえってなるし、ぐえーって感じだし。

 

それでいろいろ噛んだり飲み込んじゃうの。

 

オーナーが怒るからバレないように飲み込んでるんだけど、最近お腹に溜まってきたような…」。

 

インタビュアー:「それは大変! オーナーさんには言いましたか?」。

 

ムームーちゃん:「わたち、日本語話せないから…。横になってぐったりした感じを出しているんだけど、寝ているだけに見えてるだろうなぁ…」。

フレンチブルドッグ

CHADAPA CHANSANG/Shutterstock

 

このケースはとても怖いですね。健康上に問題があり、胃がムカムカしたり空腹を感じていると、ダンボールを飲み込んでしまう場合もあります。

 

急なダイエットや寄生虫が原因だったり、精神的ストレスが原因のケースも。

 

動物病院に行ってもすぐ原因がわからないこともあるので、オーナーさんがおかしいなと感じれば何度も病院に行き、セカンドオピニオンを取ることも検討しましょう。

 

ダンボールは紙とはいえ、誤飲は危険。小さな欠片をちょっとだけ飲み込んだ程度ならウンチとして出てきますが、腸内に溜まって詰まると死に至ることもあるからです。

 

誤飲で怖いのは、オーナーさんが「ちょっとしか食べていない」と思っていたのに、知らない間に実はかなりの量を食べてしまっていることです。

 

オーナーさんの「ちょっと体調がおかしいかな?」が命を左右すると肝に命じてください。

 

そしてダンボールを食べているようなら、まずはダンボールに愛ブヒが接触できないよう片付けましょう。

 

こんなときは専門科に相談

フレンチブルドッグ

bnbb/Shutterstock

 

たかがダンボールひとつをとっても、愛ブヒのリアクションは愛ブヒの数だけあります。今回紹介したケースはそんな氷山の一角に過ぎません。

 

ダンボールを持っていると噛みつこうとしてくる場合や、威嚇してくることもあります。

 

攻撃行動が出てきたり、愛ブヒがストレスを感じているようなら、たかがダンボールと思わず専門家に相談をしましょう。

 

ドッグトレーナーに依頼をする場合も、複数人と面談をしてください。

 

そして、そのトレーナーが、生活環境の設定に関しての知識と豊富な経験を持っているか、学術的、科学的知識をもって動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人材かどうか、オーナーさんが確認をするようにしましょう。

 

PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純

PERRO株式会社 代表取締役 

SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純

米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー

日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。

 

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