命の危険も…ダンボールに大興奮!かじる、吠える、飲み込むブヒの心理・対策は?
国際的なドッグトレーナーライセンスを取得している大久保羽純さんに、愛ブヒを正しく守り、導き、固い信頼関係を築くための方法を学ぶこの特集。今回は、ダンボールを見ると興奮したり破壊行動をするブヒたちの心理と、その対策をご紹介します。「たかがダンボール遊び」と侮っていると、場合によっては命を危険にさらすことも。油断せず、しっかりと対処したいものです。
目次
あぁ…今日もダンボールで大騒ぎ

Irina007/Shutterstock
皆さんの愛ブヒは、ダンボールにどのような反応をしますか?
かじってボロボロにしたがる子、ギャンギャン吠えてしまう子など反応は様々でしょう。
ダンボールは、掃除機のように大きな音を出して動き回るわけでもないのに、なぜ反応してしまうのでしょうか?
そこで今回は、ダンボールへの気持ちを数名のブヒさんたちにインタビューしてみました。
みなさんの愛ブヒに似た子はいるでしょうか? それぞれのブヒの意見を聞きながら、改善点も探っていきましょう。
ダンボールで興奮!ケース(1)プッチは、ダンボールが怖い

Cavan-Images/Shutterstock
インタビュアー:「まず1頭目はプッチくんです。ママから、ダンボールを見ると大声で吠えて飛びかかると聞いたんですが?」
プッチ:「もう! ママったら、勝手にぼくのプライベートをバラすんだから! あのね、ぼくダンボールが怖いんだよぉ。
だってね、大きくって、目の前をバサバサと飛んで、箱だったのに板みたいに形を変えるしさ。
だからね、ぼくダンボールに「嫌だ! あっちに行け!」って一生懸命叫ぶんだよ。
でもママってば「あらあら、遊んでいるの?」とか言うんだよ。もう参っちゃうよー!」。
インタビュアー:「プッチくん、ダンボールは別に怖いものではないですよ」。
プッチ:「はい、出たー! 価値観を押し付ける感じ! インタビュアーさんがどう思うかは関係なくてぼくは怖いの。感じ方はそれぞれでしょ?
だってぼくはママがキャーキャー騒ぐゴキブリは平気だもん。怖いものは犬それぞれなの! わかった?」。
インタビュアー:「プッチくんのおっしゃる通りです。ごめんなさい。ではどうすれば、プッチくんは快適に過ごせますか?」。
プッチ:「基本的に、ぼくの目の前にダンボールが無いほうが良いよね。
ただ置いてあるだけでもニオイで緊張するし、さらに目の前で箱を開け閉めしたり、折りたたまれたりしたらもう恐怖で頭に血がのぼっちゃう。
そういうのは、ぼくの見えないところでやってほしいな」。

Irina Kozorog/Shutterstock
プッチくんのように、ダンボールが苦手な子も少なくありません。他にも、ゴミ袋が怖くて吠えたり飛びかかっていくブヒもいます。
一見すると、興奮している様子から「遊んでいるのかしら?」と勘違いされてしまうこのケース。
遊んでいるのではない証拠に、身体のあちこちにストレスサイン(※)が出ているはずです。
※ストレスサインについて詳しくはこちら→「オーナーさん気づいてあげて!これが犬の「ストレスサイン」【愛ブヒの本音を知ろう】」
こういったケースでは、ダンボールを別の部屋や外で片付けるなど、ブヒとダンボールの物理的な距離を置くのも一つの方法。嫌なもの、怖いものをあえて近づける必要はありません。
オーナーさんもブヒも困っている場合は、無理に近づけて練習をさせるのではなく、ドッグトレーナーのサポートを受けながらトレーニングを進めてみましょう。
また、こうならないように、子犬の頃からダンボールに社会化するのも大切です。
ダンボールで興奮!ケース(2)モンちゃんは噛みたい、つくねくんは暇すぎる

Lee waranyu/Shutterstock
インタビュアー:「次は、モンちゃんとつくねくんにお話を聞いてみましょう。
オーナーさんからは、“2頭ともダンボールを見つけると大興奮でかじってしまう”と伺っています。モンちゃん、つくねくん、本当ですか?」。
モンちゃん「ワタシは噛むのが大好きなの。ダンボールをかじって、ボロボロにちぎれていくのって快感!
本当は、壁とか家具もかじりたいけど、それは怒られるから。オーナーがダンボールなら噛んでいいって言うから、遊びのひとつになったの」。
つくねくん「俺は、モンちゃんみたいに楽しいからかじるわけじゃないな。イライラするからやっているんだ。
正直、ダンボールをかじるより、もっと散歩をしたりオーナーと遊びたい。俺は体力が有り余っているから、暇すぎて仕方がなくダンボールをかじるわけ」。

Odor Zsolt/Shutterstock
同じように、ダンボールをかじって遊ぶ2頭でもモチベーションが異なっていますね。
モンちゃんのように、物がボロボロになっていく変化が大好きなブヒはたくさんいます。
狩りで獲物をバラバラに引きちぎる行動と似ていて、まるでお仕事のようにやる気満々で夢中になってくれます。
もし噛みちぎる行動自体を楽しんでいる場合は、汚れていないダンボールを与え、飲み込まないように注意しながら楽しんでもらうのも良いでしょう。
次につくねくんの場合ですが、一見ダンボールで楽しく遊んでいるように見えても、内心はイライラしています。
人間でも「あームカつくぜー」なんて言いながら、ガムをくちゃくちゃ噛んだり、やけ食いに走る人がいますよね。
つくねくんの場合は、ダンボールで遊んだところでなんの解決にもなりません。
ダンボールに飽きれば他の望ましくない行動をするでしょうし、なにより、つくねくん自身の生活満足度が低いまま。
ストレスが引き金となって、ダンボールを誤飲してしまうかもしれません。
ブヒはそれぞれ、気力も体力も違います。あなたの愛ブヒにあったエクササイズを提供して、幸せな毎日を送ってもらえるようにしましょう。
ダンボールで興奮!ケース(3)健康上の問題を抱えたムームーちゃん

technomolly/Shutterstock
インタビュアー:「次はムームーちゃんです。オーナーさんは“ダンボールをかじって飲み込んでしまう”と心配していました。ムームーちゃん、なぜそういうことをするのですか?」。
ムームーちゃん:「わたち、なんだかお腹がムカムカするの。うえってなるし、ぐえーって感じだし。
それでいろいろ噛んだり飲み込んじゃうの。
オーナーが怒るからバレないように飲み込んでるんだけど、最近お腹に溜まってきたような…」。
インタビュアー:「それは大変! オーナーさんには言いましたか?」。
ムームーちゃん:「わたち、日本語話せないから…。横になってぐったりした感じを出しているんだけど、寝ているだけに見えてるだろうなぁ…」。

CHADAPA CHANSANG/Shutterstock
このケースはとても怖いですね。健康上に問題があり、胃がムカムカしたり空腹を感じていると、ダンボールを飲み込んでしまう場合もあります。
急なダイエットや寄生虫が原因だったり、精神的ストレスが原因のケースも。
動物病院に行ってもすぐ原因がわからないこともあるので、オーナーさんがおかしいなと感じれば何度も病院に行き、セカンドオピニオンを取ることも検討しましょう。
ダンボールは紙とはいえ、誤飲は危険。小さな欠片をちょっとだけ飲み込んだ程度ならウンチとして出てきますが、腸内に溜まって詰まると死に至ることもあるからです。
誤飲で怖いのは、オーナーさんが「ちょっとしか食べていない」と思っていたのに、知らない間に実はかなりの量を食べてしまっていることです。
オーナーさんの「ちょっと体調がおかしいかな?」が命を左右すると肝に命じてください。
そしてダンボールを食べているようなら、まずはダンボールに愛ブヒが接触できないよう片付けましょう。
こんなときは専門科に相談

bnbb/Shutterstock
たかがダンボールひとつをとっても、愛ブヒのリアクションは愛ブヒの数だけあります。今回紹介したケースはそんな氷山の一角に過ぎません。
ダンボールを持っていると噛みつこうとしてくる場合や、威嚇してくることもあります。
攻撃行動が出てきたり、愛ブヒがストレスを感じているようなら、たかがダンボールと思わず専門家に相談をしましょう。
ドッグトレーナーに依頼をする場合も、複数人と面談をしてください。
そして、そのトレーナーが、生活環境の設定に関しての知識と豊富な経験を持っているか、学術的、科学的知識をもって動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人材かどうか、オーナーさんが確認をするようにしましょう。
PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純
PERRO株式会社 代表取締役
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純
米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー
日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。
おすすめ記事
-
皮膚にお悩みのフレブルが体験した奇跡を、どうしてもお伝えしたくて。
フレンチブルドッグにどうしてもつきまとう、健康上のアクシデント。
それはなんといっても「皮膚疾患」です。痒そうにしている愛ブヒを見るのはなかなかつらいものですよね。
皮膚疾患が強く出れば、もちろん動物病院での治療が必要になってくるわけですが、それ以降についてはどうやって良好な状態をキープすればいいのか。ぶり返してしまったら、また負のループに陥ってしまう。
今回はわたしたちがつくったコラーゲンサプリメント『Ta-Ta(タータ)』にまつわる、あるフレブルのお話をお伝えしましょう。
愛ブヒの皮膚にお悩みの方は、必読です。※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません
エッセイ -
【会員数No.1の圧倒的王者】18歳の愛犬が食欲を取りもどした「ココグルメ」の力 。「333円」キャンペーン実施中!
手作り食の子は、従来のドッグフードを主食とする子よりも「平均寿命が3年長かった」という有名なデータがあります。
今回ご紹介するのはプロが作った手作り食が届く「ココグルメ」。近年人気のフレッシュフードといわれるジャンルの中で、会員数No.1[*]の圧倒的王者です。
なぜここまで信頼を得ているのか、なぜフレンチブルドッグにふさわしいのか。ペット栄養管理士の荒木幸子先生にお話しをうかがったところ、説得力の塊でした! そしてフレブルたちが、今こそ試すべき理由とは…!?
(sponsored by株式会社バイオフィリア)
PR -
【チンスリTシャツ爆誕!】フレブルラバーは絶対買うべきです!PEGION×French Bulldog Lifeコラボ第2弾
「PEGION×French Bulldog Life」のコラボプロダクト第1弾は、ウンチ中のフレブルが可愛いPOOPINGシリーズ。
今夏、ついに待望の第2弾が登場! 今回はフレブル特有の行動である「チンスリ」デザイン。ありそうでなかった憧れのチンスリデザインが、オーナー向けのTシャツと愛ブヒ用のタンクトップになりました!
ストア情報 -
【インタビュー】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【なぜ日本製が良いのか】わたしたちが、Vague(ヴァーグ)をオススメしたい理由
一段と寒い日がつづき、フレブルたちにもお洋服が欠かせなくなりましたね。この時期は洋服の着用時間が長くなりがちなので、いつも以上に素材にこだわりたいところ。リーズナブルなお洋服は縫い目が荒く、脇やお腹がスレて肌荒れの原因になることも。
冬こそ、世界が認める「日本製(Made in Japan)」を選びましょう。そしてお肌に優しい日本製の犬服といえば、やっぱり…?
(sponsored by 株式会社Vague)
PR -
【TESの新デザイン&アイテムが登場!】愛ブヒの名前を入れられる、TESのカスタムオーダー
フレブルオーナーの間では、すっかりメジャーになったアパレルブランド「TES(The Endless Summer)」。とくに、愛ブヒの名前を入れられるカスタムオーダーは、“我が子愛”あふれるオーナーに大人気。
そんなTESファンのみなさまに朗報です! この度、新デザインのカスタムオーダーが誕生!
フレブルらしさがよりアップしたデザインと、今までになかったnewアイテム…これは、買うしかありません!
ストア情報 -
【大切なこと】近年若くして旅立つフレブルが増えている現実と向き合う〜交配や体格について〜
実は昨今、わずか3歳や4歳という若さで突然虹の橋を渡ってしまうフレンチブルドッグが増えています。よちよちのパピー期を過ぎてオーナーさんとのコミュニケーションも覚え、さあこれから! という時に突如として失われた命。どうして、なんで? と涙に暮れるけれど、そのことについてFrench Bulldog Lifeなりに調査し、考えられる理由をまとめてみました。是非ともフレブルラバーである皆様にお伝えすべきだと思ったのです。
読みもの -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【編集Yの太鼓判はコレ!】留守番中も爆睡!究極の癒しベッドー編集部厳選!本当に使えるドッグギア #44
全員フレブルオーナーである『FRENCH BULLDOG LIFE』の編集部員たちが、自分たちで愛用している「本当に買ってよかった!」ものだけを紹介するこの連載。
今回は編集Yが、すべてのフレブルが大好きだと確信する極上のドッグベッドをご紹介! 留守番中もぐっすり、埋もれる姿は激カワ、さらに高確率で「へそ天」が見られます!
特集 -
【イベントレポート】フレブルLIVE in FB愛!およそ1,000頭のフレブルが大集結(泣けたぜ、リアルに。)
本日3月20日(日)に開催された「French Bulldog LIVE」in FB愛。無事大成功で幕を閉じました!
イベント主催者のFB愛スタッフのみなさま、そしてご来場いただいたフレブルファミリーのみなさまには心より感謝いたします!
リアルイベントの参加はおよそ2年半ぶりでしたが、たくさんのフレンチブルドッグとオーナーさんに会えたことが一番の喜びでした。
さてさて、興奮冷めやらぬうちにイベントレポートを大公開です!
イベントレポート
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】短命拒否権ーフレンチブルドッグは、もっと生きる
この特集は、『短命』のレッテルを返上するための、有益なフレブル生活記録簿です。
-
【特集】新・家術〜進化型家電と、新しい愛情物語
愛犬たちとのかけがえのない生活をもっと楽しく快適に暮らすために。
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブルペット保険ガイド
あなたと、あなたの隣にいるフレンチブルドッグがより安心して暮らしていけるように
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。
-
迷子犬情報
French Bulldog Lifeは、迷子犬を家族の元へかえすための活動をしています。
-
French Bulldog LIVE⚡️2022 -秋- (フレブルLIVE)
イベント「French Bulldog LIVE」にまつわる情報をお届け。