2021年10月7日1,316 View

「触られるのが苦手なブヒ」のままだと損!抱っこやボディケアへの苦手意識をなくす確実な方法とは

国際的なドッグトレーナーライセンスを取得している大久保羽純さんに、愛ブヒを正しく守り、導き、固い信頼関係を築くための方法を学ぶこの特集。今回は、触られるのが苦手なブヒのオーナーさんに向け、愛ブヒがスキンシップが好きになる方法をお伝えします。

今回は後編になるので、ぜひ前編から読んでみてくださいね。

フレンチブルドッグ,しつけ

触られるのが苦手な愛ブヒ、どうしたらいいの? 

フレンチブルドッグ

Job Narinnate/Shutterstock

 

その時の状況によって触られるのが苦手になってしまうブヒ、または特定の部位を触られることが苦手なブヒはいませんか? 

 

例えば、足拭きのときだけ足先を触られるのがダメだとか、獣医さんの触診が苦手だとか…。

 

身体に触れない部位があると、日々のお世話で愛ブヒにストレスが掛かってしまいます。

 

またオーナーさんも愛ブヒの病気を見逃すなど、身体を守る機会を失ってしまう可能性があります。

 

そういった犬の体を触れることで得られるメリットや、愛ブヒが触られることが苦手になってしまう理由を、前編「神経質だからじゃない!『触られるのが苦手なブヒ』になってしまう理由3つ&触れることのメリット5つ」で説明しています。前編を読んでいない方はぜひ、そちらから読んでくださいね。

 

後編の今回は、触られることが苦手なブヒのストレスを減らすために、家族がどう接していけばいいのかを具体的に紹介していきます。

 

愛ブヒの健康を守るため、触り方を改善しボディタッチへの苦手意識をなくしていきましょう。

 

そのためはまず、愛ブヒが苦手としていることを細かく分析することから始めます。

 

愛ブヒの「好きなボディタッチ」「苦手なボディタッチ」をチェック

フレンチブルドッグ

Dome Daensuk/Shutterstock

 

愛ブヒの好き嫌いが分かれば、触られることに関しての“好きの機会を増やす”“苦手の機会を減らす”ことができます。これが超重要! 

 

私達の人間関係も、良いことをしてくれる相手のことは好きになるし、嫌なことをする相手のことは苦手になっていきますよね。

 

それと同じように、ブヒが好きな触り方を増やして、苦手な触り方を減らしていくことが大切なのです。

 

では早速、以下6つの要素それぞれで、愛ブヒの“好き”と“苦手”を家族全員でチェックしてみましょう。

 

家族全員でやる必要があるのは、愛ブヒのリアクションが、その時一緒にいる人で異なってくるため。みんなの意見を集めることが大切です。

<人>誰に触られるのが好き? 苦手? 

(例)オーナーさん、友達のAさん、トリマーさん、病院の先生、初めて会った人、子供、高齢者…など。

<身体の部位>身体のどこを触られるのが好き? 苦手? 

(例)背中、お腹、頭、口、耳、目周り、首、前足、後足、足先、爪の間、お尻、内股…など。

<タイミング>どういう時に触られるのが好き? 苦手? 

(例)眠いとき、遊んでいるとき、帰宅したとき、車に乗っているとき、動物病院で待っているとき、起きたとき、食事が終わったとき…など。

<継続時間> どれくらいの間、触られるのが好き? 苦手? 

(例)1秒以下、3秒程度、10秒程度、数分間、数十分、1時間以上…など。

<場所> どこで触られるのが好き? 苦手? 

(例)家のリビング、ベッドの上、動物病院の待合室、診察台の上、トリミングサロン、公園、ドッグラン…など。

<触られ方>どういう風に触られるのが好き? 苦手? 

(例)ガシガシ力強く、柔らかくなでるように、指先でかくように、手の甲で触る、両手でコショコショ、手を広げておいてブヒ側から体を擦り付ける…など。

<触られる物>何によって触られるのが好き? 苦手? 

(例)オーナーさんの手のひら、オーナーさんの手の甲、オーナーさんの足、ブラシ、タオル、獣医さんの聴診器、看護師さんの保定する手…など。

 

ここまででも結構なボリュームですね。でもまだまだ書ききれていない項目もたくさんあります。

 

それほど愛ブヒの好きなこと、苦手なことを知るには細かい分析が大切。

 

ここで分かった“好き”はどんどん繰り返していき、“苦手”は極力やらないで済むようにしていきます。

 

苦手なことは避けるか、なるだけ短時間にする

フレンチブルドッグ

Hryshchyshen Serhii/Shutterstock

 

触り方を改善するにあたって好きなことをどんどん増やすのは簡単ですが、苦手なことをしないようにするのは難しいですよね。

 

そこで、苦手な触り方を減らすアイデアをいくつか紹介します。

 

【ハーネスを付けるときに頭を入れるのが苦手】

着脱が簡単で、頭を通さなくても良いハーネスを買い直すのも手。他にも、ハーネスに頭を通すトリックを教え、自分から頭をスポッと入れられるようにする方法もあります。

 

【足拭きが苦手】

極度に足を触られたくないブヒの場合、帰宅したらお風呂場に連れて行き、足元をシャワーで流したらタオルの上を歩かせて拭き取る。もし家の中で足を拭かれるのが嫌な場合は、外で拭いてから家に入ってくる方法を試してみる。

 

【知らない人や子供に触られるのが苦手】

オーナーさんが「ごめんなさい、うちの子触られるのが苦手なんです」と愛ブヒの代わりに断る。“他人から触られる”のは、暮らす上でどうしても必要なことではありません。ですのでオーナーさんが避けてあげましょう。

 

※蛇足ですが、私がニューヨークを旅行中、町中で出会ったブヒに「触ってもいい?」と声をかけたとき、10頭中8頭に「うちの子は喜ばないから。ごめんなさいね」と言われました。「写真撮って良い?」は全員OKだったのですが。

 

愛ブヒのココロを理解して、ちゃんと「NO」と言えるオーナーさんたちの姿勢に感激しました。

 

【診察台の上で触られるのが苦手】

台に乗せずに、床の上で診てもらえないか相談してみる。

 

もしも台の上に乗せる必要があるなら、ずっと乗せておかず、必要なとき以外はすぐに降ろす(よく乗せたまま長話になることがありますが、診察台が苦手なブヒにはいい迷惑です!)。

 

いずれの方法も、たくさんの大好きなトリーツ(報酬の食べ物)を与えながら行なうことをお忘れなく!

 

 愛ブヒが苦手な触り方をいかにして避けるか。それをオーナーさんが考えてあげることはとっても大切なことです。

 

どうしても苦手な触り方をしなければいけないときも、なるべく短時間で済ませてストレスをかけないように工夫してあげてくださいね。

 

コツコツ毎日の積み重ねが大切!

フレンチブルドッグ

Job Narinnate/Shutterstock

 

ここまで読んでいただいてご理解いただけた通り、このトレーニング方法は非常に地味で、日々の積み重ねが大切です。

 

そりゃあ私も「すぐに触られることが大好きになる方法を伝えるので、練習してみましょう♪ 3秒で触れるようになりますよ!」…なーんて言いたいです。しかしそんな簡単にはいきません。

 

なぜって? 即効性のあるトレーニングには、落とし穴がたくさんあるからです。

 

無理強いして愛ブヒが嫌がっても、触り続ければもしかしたら触れるようになるかも知れません。

 

しかし、それは“触られるのが好き”になったのではなく、触られるのが嫌だと表現するのをあきらめたからです。

 

いわばセクハラ、パワハラに反抗できなくなった、無気力な状態。みなさんは愛ブヒにそうなってほしいわけではありませんよね。

 

人間も動物も「嫌だな」「怖いな」などと思っていることを好きになるには、一朝一夕では不可能です。

 

ゆっくりコツコツ、愛ブヒが快適に暮らせるように触り方を改善していきましょう。

 

そうすることで、確実に未来のオーナーさんと愛ブヒの愛と絆と信頼関係は深まっています。

 

愛ブヒから心も体も許してもらえる『真のオーナー』になるために、日々触り方を研究してくださいね。

 

こんなときは、専門科に相談

フレンチブルドッグ

Pierre Aden/Shutterstock

 

最後に大切なことをお伝えします。

 

もしも今までに1度でも血が出るような噛みつき方をしてきたブヒの場合は、ご自身だけで頑張らずに、信頼できるドッグトレーナーと共に練習していきましょう。

 

プロのサポートがあれば、もう二度と愛ブヒが噛むほどまでに追い詰められずに済むような、適切なトレーニングプランを考えてもらえます。

 

触ることは大切な日常のコミュニケーション。改善して愛ブヒと家族の笑顔を取り戻していきましょう。

 

ドッグトレーナーに依頼をする場合も、複数人と面談するようにしてください。

 

そして、そのトレーナーが、生活環境の設定に関しての知識と豊富な経験を持っているか、学術的、科学的知識をもって動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行なえる人材かどうか、オーナーさんがしっかり確認をするようにしましょう。

 

PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純

PERRO株式会社 代表取締役 

SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純

米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー

日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。

 

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