食欲の秋がキタ!『特に』ミルドシニアに切実なダイエット問題。[特集:ミドルシニアLIFE]
「天高く馬肥える秋」なんてことわざがあるように、秋は快適な気候に後押しされて食欲が増進する季節。筆者も食欲の秋とばかりに旬の味覚を頬張り、体重計に乗って真っ青になるその横で鎮座するコロコロのかたまり。はい、絶賛ミドルシニア期の愛ブヒもムッチムチです。フレブルの多くは食欲旺盛な子が多く、体重コントロールが難しいと感じているオーナーさんも多いことでしょう。そしてミドルシニア期以降、体重との付き合い方と言うのは健康上マストな課題でもあるのです。そこで今回は、ミドルシニア以降のダイエット問題に斬り込みますよっ。
ムチコロの可愛さを凌駕するのは『熱中症リスクの爆上げ』と『足腰への負担増』だった
ハーネスからはみ出るお肉をユッサユサ揺らしながら満面の笑みで駆け寄ってくる相棒。
そういえば数年前のお洋服は一切入らなくなり、奮発した犬用ダウンの前ボタンも、とうの昔に閉まらなくなっているね…。
確かにちょっと太った? と訝しんではいたけれど、先日訪れた動物病院で先生がズバリ言い放ちました「これ以上体重が増えたら肥満です。今日からがんばれダイエット」と。
普段は温厚であまり厳しいことを言わない先生が発する真っ直ぐな言葉、そしてそれに続くひと言に背筋が凍りました。それは…
「太ることで脂肪が気管を圧迫し呼吸困難を起こしやすくなり、それに伴い熱中症リスクが上がります。さらに、体重を支える骨や関節に負担がかかり椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼リスクも上昇。そのうえ! 心臓病や膀胱炎といった病気の発症率も上がるのですよ」
というもの。
診察台の上で美人看護師さんに撫でられうっとりしている相棒はそれを聞いていたのかどうか、診察後のおやつを心待ちにしています。
そうよね、君は食べることが大好きなんだもん。でもここは心を鬼にする時が来たと、筆者はぎゅっと握った手に力を込め誓ったのです。
「ダイエット、しよう」と。
運動量以上に大切なこと、それは摂取カロリーの軽減!
私たちも中年になると体についた脂肪が落ちにくくなるように、フレブルもミドルシニア以降は痩せにくい体になります。
それは加齢によって新陳代謝量が落ちるから。
人も犬も加齢とともに“生きることを維持するために必要なエネルギー”である基礎代謝量が減少し、年齢と共に太りやすくなるのです。
例えば人間だと1日の総消費エネルギーのうちのなんと7割以上を基礎代謝が占めているので、若い頃はいくら食べても太らないなんてミラクルが起きていたのです。
しかしそんな無敵モードが長く続くわけもなく、人間女性の場合だと15歳をピークに基礎代謝量は下降を辿るのだとか。
そして我らがフレンチブルドッグも年齢と共に基礎代謝が落ち、加齢による運動量の低下が肥満に拍車をかけることに。
もちろん摂取カロリーを運動で消費すれば太ることはないけれど、ミドルシニア期ともなると若い頃と同じように運動をするのはやや無理があるでしょう。
それに、オーナーさんにとっても毎日それだけの運動を相棒にさせてあげることは正直難しいかもしれません。
そこで一番確実にダイエットできる方法はやはり『食事制限』。
しかしいきなり食べる量を減らすのはブヒのストレス要因にもなるため、まずは今のフードをより低カロリーのものに見直す方法がてっ取り早いです。
それに加え、茹でたキャベツなどをトッピングしてカサ増ししたり、食事を日に複数回に分けてあげることで満足感を満たす工夫も有効。
あと、忘れてはいけないのがおやつの存在です。
ついあげてしまうおやつは意外と高カロリー。しかしおやつって太るんだよねえ、これは人もブヒも一緒ですね。
けれどおやつは楽しみのひとつだからできれば奪いたくはない…ならばどのようにあげたらいいのでしょうか?
大好きなおやつは量より回数で満足感UP!
ひと切れ1000円近い高級ショートケーキを食べる時、私たちはなんだかとっても満足感に浸れますよね。
せっかく高級なお菓子なんだもの、良いお茶を淹れてじっくり味わおうじゃないのなんて思います。
けれども犬って生き物は、味わうより基本丸飲み。
というのも、犬の奥歯はほぼ退化していて人間みたく食べ物をすり潰す機能はなく、前歯で肉を引き裂きある程度小さく砕いて飲み込むのが彼らの習性。
私たちが噛むことで満足感を得るかわりに、彼らは食べた回数によって満足感が上がるのです。
そのためおやつをあげる際には、1回の量をほんの少しにして回数を増やすのがコツ。
ジャーキーなら丸ごと1本を1回であげるのではなく、細かくカットして数回に分ける方がブヒたちの満足度は上がるのです。
なお、おやつの適正量は『1日の食事カロリーの10%』が目安。
お散歩中に犬友達におやつをもらう習慣がある場合は、事前に「うちの子今ダイエット中なんです」と伝えておやつの量を減らしてもらうのもダイエット成功のポイントかもしれません。
ちなみに筆者のブヒは、散歩中におやつをくれる人をしっかり記憶。
おやつをくれる人にとっては「あげること」が楽しみである場合も多いので、今ダイエット中なのでほんの少しにしてくださいとこちらからお願いしています。
考えてみると、おやつに関してはオーナーさん以外からもらうことも多いフレブルたち。
本気でダイエットをするならば、周囲の犬友にダイエット宣言をするのがベストなのかもしれませんね。
まとめ
ダイエット。なんだか耳が痛い言葉ですよね。
だって美味しいし、美味しいって幸せなことよね、なんて思いながら日々胃袋を満たしていますが、自分で体重コントロールができないフレブルにとって肥満は命取りになることも。
とりわけ太りやすくなるミドルシニア以降のブヒにとって、適正体重をキープするのは健やかな体を持続する上で必須のこと。
だからもしアナタの愛ブヒが太り気味なら、彼らのために私たちがカロリーコントロールをするべきなのです。
文/横田愛子
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