フレブルはもはや短命犬じゃない!今から備えておきたいこと。[特集:ミドルシニアLIFE]
フレンチブルドッグは短命。そう言われていた時代もあったけれど、今やブヒに対する正しい知識を持って迎えるオーナーさんが増えたこともあり彼らの寿命は確実に伸びています。実際に12才を超えてなお元気満点の子もいれば、16、17とレジェンド年齢まで一緒に過ごしてくれる子も。ただし長生きするってことは、それだけ病気などのトラブルを抱えるリスクも上がるもの。だからこそミドルシニアの今から愛ブヒのロングライフを想定し、彼らが幸せに長寿を全うできるよう準備しておきませんか?
先々の医療費にどう備える?

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大手ペット保険会社が毎年発表しているデータを見ると、フレンチブルドッグは年間医療費が高い犬種にランクインしています。
2019年の調査では1位になったこともあり、最新の2021年版では10位だったものの上位がトイ・プードルやチワワ、柴犬という飼育頭数の多い犬種が占めていることを勘案すれば、フレブルが医療費が高い犬であることは疑いようのない事実。
では通院理由のデータを深掘りしてみましょう。

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トップは皮膚疾患、次に消化器疾患で、他犬種と比較してかかりやすい病気の1位は軟口蓋過長症、2位が脳腫瘍とあります。
この結果はフレブルオーナーにとって納得で、周囲にもこれらの病気で通院するブヒ友は少なくありません。
特に10才を過ぎると何かしらの病気を発症する率が多く、なりやすい病気2位の脳腫瘍の場合だとMRI検査をする必要があります。
MRI撮影は病院により異なるけれど1回約10万円から。
それ以外に麻酔費用や諸々の治療費を加えると物凄い金額になるんです。

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「病気になると数ヶ月で高級車が買えるほどのお金がかかる」というブヒオーナーさんのリアルな声も届いており、かといって多少無理をしても出来る限りの治療をしたいと願うのがオーナー心。
世知辛い話だけれど医療には出費が伴うため、愛ブヒの老後を見据えもしもの時のための貯金をしておくべきです。
ペット保険に加入しているオーナーさんは多いと思いますが、保険料も年齢とともに上がります。
また、仮に治療費の半額をカバーできる保険でも元の治療費が高額だとそれなりの出費になるため、ミドルシニア期を目処に保険以外に愛ブヒのための貯蓄をしておくに越したことはありませんよ。
足腰が弱った時の味方、歩行器を調べておく。

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人間もシニアになると歩行の補助として杖や歩行器を使う人が増えますが、フレブルも高齢になると足腰の筋力が衰えてきます。
特に顕著なのは後ろ足。獣医によれば老犬の場合約80%が後ろ足から弱ってくるそうで、ヘルニアなどの病気をきっかけに麻痺が出ることも多々あります。
しかし歩けないからと運動させずにいたらより筋力は衰え、ストレスを溜める原因に。

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そんな時に役立つのが犬用の歩行器や車椅子です。
これらはその子の体型に合わせて作るオーダーまたはセミオーダーが基本ゆえ、必要になったからといって今日明日に手元に届くものではありません。
サイズを測り調整をして…といった段階を踏むので完成までにある程度の期間を要します。
また、いきなり歩行器に乗せて愛ブヒがすぐに使いこなせるかといえばこれまた練習や慣れが必須。

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だからこそ足腰が完全に立たなくなる前の時点、つまり後ろ足のふらつきなどにオーナーさんが気づいた時点で導入を検討すべき。
もちろん元気に歩いているうちは不要だけど、どんな種類があって購入後に微調整が必要となった時に通いやすい店舗が近くにあるかどうかなど、いずれ必要になることを想定し調べておいて損はありません。
最近は1ヶ月単位でレンタルできるサービスもあり、レンタルで試してから購入できるお店も。
なおブヒに多い脳腫瘍ですが、摘出手術後に左右いずれかの半身や四肢の一部に麻痺が残るケースがあります。
そんな時のリハビリにも歩行器は役立ち、犬の歩行器は体幹を支えて四肢を動かしての歩行を支えるものなので全身運動にもなるんですよ。
要介護になった時、誰がどう見るか。

Firn/shutterstock
フレブルはじめ色々な犬種のレジェンドさんを取材していると、介護が必要になった時の大変さを耳にします。
何よりオーナーさんが参ってしまうのは排泄ケアや夜鳴きなどでまとまった睡眠が取れなくなること。
そんな時に頼りになるのはやはり家族。
ひとりに負担がかからないよう家族で介護を分担したり、実際に愛犬介護をしている人のアイデアを真似ることで負担の少ない介護ライフが送れるようになったと聞くたびに、ひとりで抱え込む介護は無理があると感じます。

GH Studio/shutterstock
中には夫婦のどちらかがリモートワークできる環境の仕事にシフトしたケースもあり、自宅で愛ブヒに寄り添いながら仕事と介護を両立させるご家庭も。
愛ブヒもハイシニアになると排泄や給水を自分で思うようにできなくなり、長時間留守番させられない状況になることは少なくありません。
そうなった時にどういう態勢でお世話するかを家族で話し合っておくことや、信頼できるペットシッターさんを探しておき、時々お願いして愛ブヒと絆を深めてもらうなど、今からできることは探せばかなりあるもの。
介護なんてまだ先の話だと思っていてもその日を迎えた時に慌てないように備えておくこと。その備えが覚悟となり、いざ要介護になった時の助けになるのです。
おわりに

Monkey Business Images/Shutterstock
1分1秒でも長く一緒に過ごしたいというのはペットオーナー共通の願いですよね。
フレブルもレジェンドと呼ばれる10才を軽やかに超える子が増え、ロングライフを生きる時代になってきました。
これはとても嬉しいことだけど、幸福な長寿を彼らが過ごすためには私たちオーナーの備えと覚悟が必須。
来年のことを言えば鬼が笑うなんて言うけれど、数年先のことを考え備えと知識を貯めておき、笑顔のハイシニアブヒライフを送ろうではないですか。
文/横田愛子
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