フレブルなら“ほぼ全員”が該当!?健康に歩き続けるため『関節』について知ろう[特集:ミドルシニアLIFE]
フレブルは関節に何かしらの症状が出る子がとても多く、以前お話を伺った獣医さん曰く、「私が診察した限りでは98%くらいの確率でフレブルは関節に問題を抱えている」とのこと。それを聞いたとき「ほぼ全員じゃないか」と驚きました。実際にレントゲンを撮ると大小の差はあれど何かしら異常が見つかるケースが多く、もはやフレブルにとって関節トラブルは避けて通れない道。年齢とともに関節の症状は悪化するけれど、予防を含め打てる手はたくさんある。だからこそミドルシニアから関節ケアを始めておくべきなのです。
10歳以上の犬の約半数が関節に問題あり。

Hryshchyshen Serhii/shutterstock
ひと口に関節の病気と言っても色々ありますが、ヘルニアや膝蓋骨脱臼(通称パテラ)なら症状の出方が顕著なので、オーナーさんはすぐに気づき治療を開始できます。
しかし多くの犬が加齢とともに発症する関節炎は見逃されがちで、そこには「痛みをなるべく悟られまい」とする犬の本能も関係しているのかもしれません。
ある大学病院の調査では、関節以外の病気で診察に訪れた10歳以上の犬の約半分が関節に問題を抱えていることが判明したそう。

yhelfman/shutterstock
そのうちのおよそ半数のオーナーさんが、愛犬の関節の病気に気がついていなかったとのデータがあります。
これら多くのシニア犬が密かに抱えていた症状は『変形性関節症』というもので、これは関節炎の中では代表的な疾患。
ちなみに関節炎とは“運動や肥満、加齢、疾患などが原因で関節に負担がかかり関節部分に痛みや腫れが生じる状態”ですが、関節炎の辛いところは痛みが継続すること。
人間でも高齢になると膝が痛くて歩きにくいといった症状が出ますが、これはフレブルたち犬も同様。

yhelfman/shutterstock
そして慢性疾患であることから、なってしまうとずっと付き合っていかねばならない病気なのです。
だからこそ、なるべく発症を防ぐ策を知ること。
そして日頃から関節に痛みがないかをチェックをし、違和感を感じたら早い時点で治療を始めることが、悪化を遅らせる術なのです。
『変形性関節症』には2パターンある

Kamil Zajaczkowski/shutterstock
関節炎と聞くとまず膝を思い浮かべるかもしれませんが、フレブルたち犬の場合、膝はもちろん肘や肩もなりやすい部位。
四足歩行であるがゆえ、関節に負担がかかる箇所が多いのです。
変形性関節症は、関節にある軟骨が次第にすり減ることで骨同士がぶつかり痛みを生じさせる病気。

Africa Studio/shutterstock
中でも加齢や老化、関節の不安定により発生するものを『原発性』と言い、肥満や激しい運動といった過度な負担や他の病気が元で発症するものを『続発性』と呼びます。
原発性の場合は老化現象のひとつですが、フレブルの場合は若くてもなってしまう『続発性』が多いという事実。
その理由には、発症の元となる股関節形成異常や膝蓋骨脱臼のブヒが多いからなんですね。

Oyls/shutterstock
冒頭に書いた「フレブルのほぼ全員が何かしらの関節問題を抱えている」の“何かしら”とは、ズバリ股関節形成異常と膝蓋骨脱臼。
大半がこれらにかかりやすい骨格を持って生まれるフレブルにとって、シニア世代になる前に変形性関節症を発症するのは珍しくないのです。
また、とにかく食べるのが大好きという子や、スイッチが入ると我を忘れて走ったりジャンプしちゃう子も多く、肥満&過度な運動により、若くても発症する率は格段にアップ。

katamount/shutterstock
年齢を重ねていて、でもまだ元気に駆け回るミドルシニア世代のブヒにとっては、加齢による『原発性』の影も忍び寄りつつ、『続発性』の危機にも晒されている状態だと言えるのです。
予防と治療、発見のコツ。

Honcharuk Andrii/shutterstock
一度なると付き合っていくべき病気なのにオーナーが気付きにくい…それが厄介なところですが、痛みのサインは必ずあるもの。
例えば散歩を嫌がったりゆっくり歩く、段差を避ける、走ることが少なくなる、立ち上がる際などの動き出しが辛そう、などなど。
今まではソファーやベッドに上がっていた子が上がらなくなったり、歩行時に足を引きずるような仕草を見せるのも要注意。

Goami/shutterstock
関節部分を繰り返し舐めるのも痛みを感じているサインです。
これらを見逃さず、気になったら診察を受けましょう。
では関節炎になってしまった場合の治療ですが、まず鎮痛剤で痛みを管理し、肥満を防ぎ適正体重を保つため、食事と体重の管理をすること。
そして大事なのが適度な運動です。

Postmodern Studio/shutterstock
「え、運動?」と思うかもですが、関節を動かさないでいると関節周囲の軟部組織が萎縮し筋肉も衰え、症状が深刻化します。
動くことで関節の機能が維持され回復するので、動けるように鎮痛剤で痛みを抑えることが必須。
同時に滑りにくい床材にする、階段を昇降させないといった自宅の工夫もしてあげましょう。

kwanchai.c/shutterstock
体重管理や自宅の工夫は予防策にもなるので、ぜひ今から取り入れていきたいですね。
あと予防のもうひとつのポイントは、コラーゲンやグルコサミンといった軟骨成分を含むサプリメントを飲ませること。
きっと多くのフレブルがいつかはかかるであろう関節の症状も、正しい予防と知識があれば発症を遅らせたり進行を緩やかにすることができるのです。
おわりに

Tienuskin/shutterstock
関節の病気とフレブルは切るに切れない関係だけれど、予防できないわけじゃない。
例えば関節軟骨に良い食材には、コンドロイチンが豊富な鶏皮や山芋、納豆、なめこ、オクラがあり、キノコ類にはグルコサミンが含まれています。
同様にシャケやブリ、サバ、イワシ、サンマ、マグロにはオメガ3脂肪酸がたっぷり。
これらの食材を日々のご飯のトッピングにするなど、今からでもできる予防策は意外と身近にあるんですよ。
文/横田愛子
おすすめ記事
-
「停電=命のリスク」から愛ブヒを守る。猛暑時代に「Jackery ポータブル電源 2000 New」が欠かせない理由とは?
もしも、真夏に停電が起きてエアコンが止まったら…。
フレンチブルドッグと暮らす私たちにとって、それは「ただの不便」では済まされません。
暑さに弱く熱中症のリスクが高いフレンチブルドッグにとって、空調が途絶えることは命に関わる問題。
そんな“いざ”に備えておきたいのが、「Jackery ポータブル電源 2000 New」。
これはフレブルと暮らすご家族にとって、欠かせないアイテムです。
実際に導入したフレブルオーナーのリアルな声や、キャンプなどでの活用事例とともに、愛ブヒの命を守るための「本当に必要な備え」をご紹介します。
(PR 株式会社Jackery Japan)
PR -
【愛犬とのキャンプに】行って実感!「ELL’S PARK 長瀞」が犬オーナーに“選ばれる理由”とは〜フレブルJACK〜
2024年11月にオープンしたばかりのアウトドア複合施設「ELL’S PARK 長瀞(エルズパークながとろ)」。
ここは日本では珍しい「犬連れ専用アウトドア施設」で、すべてのエリアがドッグフレンドリー!
そんな「ELL’S PARK 長瀞」さんから、「フレンチブルドッグで全施設をジャックしませんか!?」という素敵なご依頼をいただき、
フレブルだらけのキャンプイベント——その名も「フレブルJACK」が開催されました!
当日は晴天に恵まれ、全国から約45組のフレブルファミリーが大集結。
この記事では、イベント当日の様子をレポートしながら、参加したフレブルファミリーたちが実感した「ELL’S PARK 長瀞」の魅力をたっぷりとご紹介していきます!
(PR リバストン工業株式会社)
-
【取材】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】上沼恵美子さん「もう一回だけ抱きしめたい」愛犬ベベとの12年間
運命の子はぼくらのもとにやってきて、流れ星のように去ってしまった。
その悲しみを語ることはなかなかむずかしい。
けれども、ぼくらはそのことについて考えたいし、泣き出しそうな飼い主さんを目の前にして、ほんのすこしでも寄り添いたいと思う。
その悲しみをいますぐ解消することはできないが、話をきいて、泣いたり笑ったりするのもいいだろう。
こんな子だった、こんなにいい子だった、ほんとうに愛していたと。
ぼくらは上沼恵美子さんのご自宅へ伺って、お話をきこうと思った。
取材 -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【ドッグフードの闇を暴く】フレンチブルドッグに最適なドッグフード選びガイド【2025年最新版】
みなさんは、日本におけるドッグフード業界の実態をご存知でしょうか。
日本では「ドッグフード=雑貨」の扱いで、ゆえに規制もゆるゆる。
良いと思い込んで与えつづけているフードの未来は、果たして明るいのでしょうか…。
今回は、原材料の見極め方からフレンチブルドッグ専用フード「THE fu‑do(ザ・フード)」まで。約20年間フレブルと向き合いつづけてきた私たちが、専門知識で結論を出します。
-
【取材】川口春奈と愛犬アムのやさしい世界。ー大人気女優は生粋のフレブルラバー
いまをときめく人気女優が、フレンチブルドッグラバーであるという事実。
そうです、その人は川口春奈さん。
アムちゃんというパイドの女の子と暮らしています。
話を聞けば聞くほど、そして春奈さんとアムちゃんのやりとりを目の当たりにするほどに、そのフレンチブルドッグ愛がわたしたちのそれとまったく同じであることに、なんだかうれしくなってしまったのでした。
春奈さんとアムちゃんのすてきな暮らしを、BUHI編集長の小西がいつくしみながら、切り取らせていただきます。
-
【スペシャル対談】愛犬の旅立ちと供養。霊感がない人も「愛犬の成仏」を知る方法!?【シークエンスはやとも×PELI】
愛犬の旅立ちは、誰もが目を背けたくなるもの。けれど事前に知っておくこと、考えておくことで、救われることがたくさんあります。
今回は、お盆スペシャル企画。世間が認めるほどの霊視能力をもつお笑い芸人「シークエンスはやとも」さんに、愛犬の旅立ちや供養についてインタビュー。
インタビュアー兼対談相手は、大の犬好きで心霊分野の知識にも長けているPELIさん。
「愛犬が旅立ったあと、ベッドやおもちゃはどうすればいい?」「お骨はどうするべき?」「お花やお線香は喜んでくれる?」
さらには、霊感がない人でも愛犬が成仏したことを知る方法まで。
お笑い芸人だからこそ暗くなりすぎない、むしろ心がスッと軽くなる。
永久保存版のスペシャル対談です!
対談 -
諦めかけた命。あれから2年、フードを変えたら15歳の今もお散歩大好きなフレンチブルドッグに!
今日は15歳の愛ブヒと暮らす、編集メンバーの実体験。
愛ブヒは二年前からすべてのフードが合わなくなり体重が激減。検査をしても異常はなく「年齢のせいですね…」と言われてしまいました。
もう諦めるしかないのかな…そんなとき、我が家に届いたのが「THE fu-do(ザ・フード)」の試食品でした。
そして「THE fu-do(ザ・フード)」を食べつづけて二年、愛ブヒは15歳になり、今も元気にお散歩をしています。
今回は、二年前の絶望から今までを包み隠さず、時系列でお話しさせていただきます。
-
【イベントレポ】5,000頭のフレンチブルドッグと7,000人が集まった「フレブルLIVE2024」の全貌!
11/9(土)-10(日)の二日間にわたって開催された『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』。
今年はのべ5,000頭のフレンチブルドッグと7,000人のフレブルオーナーが集まりました!
day1の司会はフレブルラバーのロッチさん。day2の音楽フェスには世代ど真ん中のPUFFYが出演するなど、例年以上に豪華なラインナップ。
北は北海道、南は鹿児島県から。全国のフレンチブルドッグが一堂に会した「フレブルLIVE2024」の模様を、詳しくお届けです!
最後には2025年の情報もありますので、要チェックでございます!
フレブルLIVE -
【前売りチケット販売開始!】フレブルLIVE 2025は、11/8(土)9(日)開催!スチャダラパーによるテーマソング制作も決定
『French Bulldog LIVE 2025(フレブルLIVE)』の開催は、11/8(土)-9(日)の2days!
お得な前売りチケット、いよいよ販売スタートです!
さらに今年はビッグニュースが。
なんと、ヒップホップグループ「スチャダラパー」がフレブルLIVEのテーマソングを制作してくれることになりました!
テーマソングの情報やお得な前売りチケットの販売情報など、内容盛りだくさんでお送りしていますので、最後までお見逃しなく!
フレブルLIVE
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
French Bulldog LIVE⚡️2025 (フレブルLIVE)
-
【特集】シン・スキンケア
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
【特集】永遠の選択。フレンチブルドッグ専用「THE fu-do(ザ・フード)」
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。