フレブルがよくやるクネクネダンスの正体は?〜プロドッグトレーナーに聞いてみた〜
フレンチブルドッグたちは、よく地面に背中をこすりつけてクネクネする動きをしますよね。フレブル愛好家のみなさんなら、一度は目にしたことがあるはず。
なぜフレブルたちはこの動きをするのでしょうか。また、他の犬種もやるのでしょうか。
プロドッグトレーナーの大久保羽純さんにお話をうかがいました!
目次
- フレブルのクネクネダンスとは
- Q1:クネクネダンスは、何を意味する動きなのでしょうか
- Q2.他の犬種も、このような動きをするのでしょうか
- Q.3 クネクネダンスをしてほしくない場合や、やりすぎている場合は、どう対処をすればいいでしょうか
- 最後に、大久保さんからメッセージ
- 大久保羽純
目次
フレブルのクネクネダンスとは
以前もFrench Bulldog Lifeでご紹介した、フレンチブルドッグのクネクネダンス。
彼らは背中を地面にこすりつけて、独特の動きをするんですよね。
以前の記事はこちら。
これってフレブルだけ!?背中を地面にこすりつける謎の動き…〜フレンチブルドッグはおかしな生き物〜
ドッグラン、信号待ち、自宅の床…ところかまわずこの動きをするフレブルたち。
これに隠された意味とは…?
プロドッグトレーナーの大久保羽純さんにうかがいました!
Q1:クネクネダンスは、何を意味する動きなのでしょうか

Model:@ulala_garm(Instagram)
「諸説あるのですが、有力なものとしては、首と背中の部分の皮脂腺から出るにおい(フェロモン)をこすりつけているというものです。
マーキングだというとイメージしやすいかと思います。
男の子のワンちゃんだとよく、お散歩中にいろいろなところにオシッコをかけて「ぼくは今日ここに来たよ!ピチピチヤングな3歳の男の子だよ!彼女募集中だよ」と、電柱や壁に印を付けますよね。
それと同様に、クネクネダンスでは、フェロモンをこすりつける形で、マーキングをしているのではないかと言われています。
新しいベッドを出してあげたりすると、一生懸命にクネクネダンスをして体をこすりつける子がいます。
「このベッド、まだ犬のにおいがしないな!えいえいっ、ぼくのにおいを付けちゃおう!これはぼくのだよー!」なんて、思っているのかも知れませんね。
それ以外にも、ただ体がかゆいからこすりつけている場合もあります。一度こすりつけてみて、かゆみが治まったから、また次もこすりつける行動をとるということです。
また、あまりにもクネクネダンスの回数が多かったり、皮膚にダメージが出るほどクネクネダンスをしている場合、何かしらのアレルギーや皮膚のトラブルも考えられます。
かゆかったり、痛かったりするようであれば、一度獣医師さんに相談に行きましょう。どんな行動も、度が過ぎていれば正常ではなく異常のサインです。
また、無理やり服を着せようとしたり、リードを付けようとするときに、嫌なことから逃げるときにやる子もいます。
クネクネしている間は飼い主さんが手を止めて待っていてくれるため、嫌なことが続かないので、ストレス発散とその場しのぎでやる子もいます。
それとは逆で、クネクネしたらみんなが喜んだとか、おやつがもらえたなど、楽しいことがあれば、よくクネクネするようになったという子もいます。

Model:@ulala_garm(Instagram)
始めの一度は背中のフェロモンでマーキング…だったかも知れません。
しかし2回目以降は、「気持ちよかったから!」とか、「嫌なことから逃げられた」とか、何かしら別の理由がくっついて、その行動が起きやすくなった可能性もあります。
犬の行動は、本能的なものだけでなく、皆さんとの生活の中で培われていくものもたくさんあるのです。」
Q2.他の犬種も、このような動きをするのでしょうか

Model:@ulala_garm(Instagram)
「フレブルに限らず、他のワンちゃんもやります。
例えば…公園でミミズを見つけた柴犬が、ミミズを背中にこすりつけながら一生懸命クネクネダンスをしたり。
洗い立ての洗濯物の山の上で、毛を振り乱しながらクネクネダンスをするヨークシャテリアなど。
大きさ、年齢、犬種に関わらず、見ることが出来る行動です。」
Q.3 クネクネダンスをしてほしくない場合や、やりすぎている場合は、どう対処をすればいいでしょうか

Model:@ulala_garm(Instagram)
「例えば、ネズミの死骸に対してクネクネダンスをしようとしている、公園に落ちている猫の排泄物にクネクネダンスをしようとしている…そんな時は「お願いだからやめて~!」と言いたくなる場面もあるかと思います。
衛生的によくない場合には、クネクネダンスも、やめてもらう必要があります。
クネクネダンスをしてほしくない場所や物に、クネクネしようとし始めている時には、「行こう!」というトレーニングで対処します。
これは、何かしら止めさせたい行動を中断させて、一緒に違う方向に歩いていくという方法です。
怒ったり叱ったりすることなく、望ましくない行動を中断することが出来ます。
行動を中断する方法

Model:@ulala_garm(Instagram)
まず飼い主さんの手に、大好きなオヤツを5粒以上持ちます。
クネクネダンスをしようとしているワンちゃんの鼻先に、そのオヤツを出して嗅がせながら、「行こう!」と言って一緒に歩きだします。
一歩でも歩いてくれたらすぐに手の中から1粒オヤツをあげてください。
もう一歩、歩いたらオヤツ。さらにもう一歩でオヤツ…を繰り返し、5粒食べ終わったころには、クネクネしたかった気持ちはオヤツがおいしかった気持ちに代わっています。
まだクネクネしたいような場合は、「歩く→オヤツ」を繰り返して、歩くことに気持ちを持って行ってあげてくださいね。
オヤツでクネクネから気をそらし、歩き出すことに対してご褒美をあげていくこのトレーニング。
このトレーニングを繰り返すことで、「行こう!」という言葉によって、今やっていることを中断して飼い主さんの歩く方についてきてくれるようになります。
ワンちゃんにとっては、やりたいことをストップして飼い主さんについてきてくれている訳ですから、お礼としてのご褒美は毎回あげてくださいね。」
最後に、大久保さんからメッセージ
「ここまでお話しておいてなんですが、結局のところすべての行動の理由は、毎回その時その時にワンちゃん本人に聞かないとわかりません。
なぜなら、もともと持っている犬の習性だけでなく、生きている間に学習で得たことも、行動には大きな影響を与えるからです。
一緒に暮らしながら、ああなのか、こうなのかと、想像しながら、その子のことをよく観察して距離が近くなっていく。
飼い主さんが愛犬に対して、あなたのことをもっと知りたい、あなたのココロにもっと寄り添いたいと願う気持ちこそ、犬と暮らすことの幸せだと、私は思っています。」
***
フレンチブルドッグが見せるクネクネダンスの正体について、プロドッグトレーナーの大久保羽純さんにお話をうかがいました。私たちオーナーをいつも笑顔にしてくれるフレンチブルドッグたち。行動ひとつとっても、「なぜそれをするのか」と常に疑問をもちながら、理由を想像したりプロの方に聞いてみるのも、愛ブヒと距離をちぢめる重要なポイントかもしれませんね。
大久保羽純
米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持
SUNNY Dog Training Partner代表 プロドッグトレーナー
人と動物の心をつなげる仕事がしたいと、5年勤めた企業を辞めて単身修行へ。日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で、犬にも人にも優しいトレーニングを広めている。Dog Training for LOVE&PEACEをモットーに、トレーニングを通して、犬と人との生活を楽しいものにし、保護活動への協力も行っている。
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