2022年8月2日729 View

ワンワンッ!電話がかかってくると犬が吠えるのはなぜ?その心理と対策4つ 

国際的なドッグトレーナーライセンスを取得している大久保羽純さんに、愛ブヒを正しく守り、導き、固い信頼関係を築くための方法を学ぶこの特集。今回は電話にギャンギャン吠えるブヒの心理と対策についてご紹介します。

フレンチブルドッグ,しつけ

電話にワンワンしちゃうブヒ、いませんか? 

フレンチブルドッグ

Beatriz Vera/Shutterstock

 

とあるブヒオーナーさんから、こんな声が届きました。

 

「なぜかスマホの着信音がなるとワンワン! 電話を取り、着信音がやんで話し出しても、話している間ずっとワンワン!

 

とってもうるさくて、相手の声が聞き取りにくくて困ります…。

 

私のひとりごとには吠えないのに、なぜ電話で話しているとワンワンするのか不思議でなりません。別部屋に移動する以外、なにか対策、対処法はありますか?」。

 

これは結構、あるあるなケースかも知れません。今回は、電話と愛ブヒの快適なお付き合いを目指し、電話に吠える心理を探っていきます。

 

そこでさっそく、道行く愛ブヒたちに電話をどう思っているのかインタビューをしてみました。みなさんの愛ブヒに似た子はいるでしょうか?

 

ケース(1)まるくんは電話に無関心

フレンチブルドッグ

hedgehog94/Shutterstock

 

まず1頭目はブヒのまるくんです。

 

まるくん:「僕はねー、電話は興味ないかなー。着信音がした後に、ママはなんかベラベラ話してるんだけど、よくわかんないしねー。

 

電話が始まったら終わるまで、どのみちぼくには無関係みたいだし。電話が来たら、一人でやりたいことをやるよー。

 

あ、でもチャイムにはギャン吠えだよ! だって、僕が呼んだわけでもないニンゲンが来るじゃん! 

 

電話は僕にとって無害だと思うから、無関心なだけだよー」。

 

まるくんのような子だと、オーナーさんは気が楽かもしれませんね。「電話=無害」、「電話=ぼくだけの時間」と割り切っていることがポイントなのかも知れません。

 

ケース(2)音に驚いて声が出ちゃうすももちゃん

フレンチブルドッグ

Annette Shaff/Shutterstock

 

すももちゃん:「ワタシ、急な音にビックリしちゃうタイプなの! 電話って、いきなり大きな音がするじゃない!? もー、あれでビックリしちゃう!

 

ビックリしたときって、ニンゲンも「キャー!」とか叫ぶでしょ? ワタシもまず「ワンワン!」って声を出すの。

 

そうすると、なんだかちょっとスッキリして落ち着くのよね。

 

だから、パパやママにうるさいって言われても、着信で「ワンワン」するのは仕方ないでしょー。電話が始まっちゃえば、もう落ち着くから、通話中にはワンワンしないよ」。

 

すももちゃんは、着信音での興奮を吠えることで発散しているようですね。

 

着信音以外でも、チャイムやバイクの音などに驚いたときや、ドッグランで興奮してきたときなどに、とりあえず吠える子たちがいます。なぜなら犬にとって吠えは、一つのストレス発散法なのです。

 

人間でも驚いたとき、声を出さない人もいれば「ぎゃー!」などと大声が出やすい人っていますよね。後者のタイプの場合、驚いても声を出すなと言うのは難しいもの。

 

ワンちゃんたちの場合は、興奮が吠えにつながりやすいので着信音を変えてみたり、もともと家にBGMを流しておいて電話の音を目立たなくしたり。

 

また着信音を消してスマートウォッチで着信に気づくようにするなどの対策も一つです。

 

ケース(3)そらくんはオーナーの動きと声に興奮しちゃう! 

フレンチブルドッグ

LightField Studios/Shutterstock

 

そらくん:「僕もちょっと、すももちゃんと似てるかなァ。着信音自体はまだ聞き流せるんだけどさ、電話が鳴るとオーナーがバタつくんだよね。あの動きにつられて、興奮して吠えちゃうわけ。

 

だってさ、普段ゆっくり動くオーナーがさ、電話とチャイムのときにだけはすんごい速さで動くんだよ? んもー、びっくりする! 

 

僕と遊ぶときにも、それくらいの速さと情熱で動いて欲しいよ!

 

あと、電話での会話を聞いていても、興奮しちゃうかなー。

 

だってさ、オーナーもちょっと興奮してんじゃん? 僕とお話しているときと声が違うでしょ? 

 

オーナーの動きとよそいきの声の感じで興奮しちゃうってわけ」。

 

そらくんの場合は、音自体ではなく、オーナーさんの急な動きと声の変化に興奮バロメーターが上がるようですね。

 

こういう子の場合は、着信のときだけでなく通話中にもワンワンが続きます。

 

例えば、電話を取るときにゆっくりした動きにしてみるとか、電話に出たらすぐに用意しておいた知育玩具※を渡して、そっちに興奮の矛先を向けてもらうなども対策の一つです。

 

興奮が身体の中に残ったままだと、犬はどうしても吠えたくなってしまうため、知育玩具で脳と鼻と体全体を使いながらストレスを発散させましょう。

 

さらに中に入っているオヤツを食べることでリラックスしてもらうのです。

 

※知育玩具とは:食べ物を中に入れて、取り出しながら遊ぶ玩具です。世界的に有名な動物行動学者のイアン・ダンバー博士も、犬の脳トレやストレス発散、作業意欲を満たすなどの観点で、知育玩具の使用を推奨しています。

 

いろいろなレベルの知育玩具が売っていますが、オヤツを出すのが難しすぎるものだと、愛ブヒは出来ずに諦めてしまいます。まずは簡単なものから挑戦してみましょう!

 

また少なくとも9個は持っておき、オヤツを詰めた状態で大きなタッパーに入れておくと、電話や来客、お留守番、ハウストレーニングの際などに、パッと取り出して愛ブヒに渡すことが出来ますよ。

 

ケース(4)プリンちゃんはオーナーを独り占めしたい

フレンチブルドッグ

nakaridore/Shutterstock

 

プリンちゃん:「アタチはね、いつでもママとパパのココロを独り占めしたいの。いつでも見ていてほしいし、一緒に遊んでほしい。

 

でも電話って、そんなアタチのママとパパを横取りするでちょ? だから、大キライ! 

 

せっかくナデナデしてくれていた手を止めて、電話の方に行っちゃうし。遊んでいたのに中断して電話で話し込むし。

 

んもー、アタチにはママとパパ以外にいないのに…浮気者! 

 

電話が続く限りワンワン言い続けて、電話をやめさせることを目指しているわ」。

 

プリンちゃんは今までの子たちと違い、電話に驚いてしまうのではなく、オーナーさんの関心が電話に向かうことが嫌なようですね。

 

・宅急便屋さんを侵入者と見なし、吠えることで追い払いたいワンちゃん。

・オーナーの興味を引いている電話を敵とみなし、吠えて辞めさせたいワンちゃん。

 

この2タイプは“吠えて敵を撃退!”という観点からすると同じかも知れません。

 

私達人間でも、デート中や一緒にゲームをやっているときなどに、相手の電話でその楽しい時間が中断されたら、気分の良いものではありませんよね。

 

対策としては、愛ブヒの関心が自分に集中しているときに電話に出ると、愛ブヒの敵対心を煽ってしまうので、あとで掛け直すのも手。

 

どうしてもすぐに出る必要がある電話なら、ナデナデや引っ張りっこなど、今やっていることを中断しないように電話をしましょう。

 

私は愛犬と散歩中は、基本は電話に出ません。しかしスマートウォッチで着信元がわかるようにしておき、急いで出る必要があるときのために、片耳だけApple Ear Podsを使い、散歩を安全に続けながら電話に出られるようにしています。

 

とはいえ、電話がかかってきたとき、いつも愛ブヒと遊び続けたり、余裕を持ってなで続けたりばかりは出来ないのが現実です。

 

そういうときは「ケース(3)そらくん」と同様、知育玩具を活用しましょう。とっておきのカミカミオヤツを提供するオーナーさんもいます。

 

この対策でのイメージは、大事なデート中に急な商談の電話で席を立つパートナーが「ごめんね、どうしても外せない電話なんだ。君のこと、愛しているよ。電話が終わるまで、このシェフ特製スペシャルケーキを食べながら待っていてくれないか?」という感じです。

 

要は、電話によって愛ブヒが損をするシチュエーションを避けられれば良いのです。

 

できればオーナーさんの近くで知育玩具やカミカミオヤツを与えるのではなく、愛ブヒのクレートやサークルの中のほうがオススメ。

 

「電話がかかってきたら、愛ブヒだけの個室で美味しいものを食べる時間の始まり」と覚えてほしいからです。

 

電話タイムでは、オーナーさんとの時間よりも美味しくて楽しい時間を演出しましょう! 

 

こんなときは、専門科に相談

フレンチブルドッグ

LightField Studios/Shutterstock

 

コロナ禍ではオーナーさんの在宅時間も増えました。家でのネット会議中に愛ブヒが騒いでしまったり、一緒にいる時間が増えたことでオーナーさんへの愛着が増して、オーナーさんの関心が自分に向かわないことにストレスを感じるブヒも多いようです。

 

愛ブヒの世界にはオーナーさんしかいませんから、ときに愛ブヒからの愛は重くのしかかり、問題行動として表面化してしまうでしょう。

 

しかし大切なのは、オーナーさんがすべての時間を愛ブヒに捧げることではなく、愛ブヒが満足行くプランを色々と考えて検証することです。

 

だってオーナーさん自身の人生も大切ですから。愛ブヒもオーナーさんも、どちらも笑顔でいられる対策を探していきましょう♪ 

 

どんな小さな事でも、日常で不便や困難を感じたら、どうか一人で悩まずに獣医師やトリマー、ドッグトレーナーなど専門家に相談を。

 

ドッグトレーナーに依頼をする場合も、複数人と面談するようにしてください。そして、そのトレーナーが、生活環境の設定に関しての知識と豊富な経験を持っているか、学術的、科学的知識をもって動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人材かどうか、オーナーさんが確認をするようにしましょう。

 

PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純

PERRO株式会社 代表取締役 
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純

米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー

日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。

「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。

 

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