フレブルと生きることは病と共生すること。向き合い付き合うために今から備えを!
フレンチブルドッグと暮らしていると自然と犬の病気に関心が向きます。それはそれだけ病気を患うブヒが多いからで、ほとんどのオーナーさんは愛ブヒの健康を維持するために食事や運動、生活習慣まであらゆることに気を配っているでしょう。そしてふと思いました。病気しやすいからこそ、私たちはこれほど大切に慈しみ、愛を注げるんじゃないだろうかと。
もし病気しないと約束された犬がいたら
あなたは「絶対に病気せず15才まで生きる犬」がいたら、その子を相棒として迎えたいですか?
一見これはとても素敵なことのように思います。
様々な病気のリスクから解放され、長寿が約束されている。
けれどよくよく考えてみた時に、もし今隣にいる愛ブヒがこの先の命の最後まで病気をしないのなら、きっと私はさほどない財産をかき集めてでもそんな「病知らずのからだ」を愛犬に与えたいと願うでしょう。
けれど、最初から一切病気をしない犬を迎えるかと聞かれたら、首を縦には振らないように思うのです。
どうして? そんな素晴らしいからだを持つ犬なら人生のパートナーとして最高じゃないの。なんて思いますか?
もちろん、今もこの先も大切な愛ブヒには健康でいてほしい。
けれども病気という存在があるからこそ、私たちは日々のあれこれに心を砕き熱心にケアをし、より注意深く彼らに対して接することができるのかも。
生き物であるがゆえに、彼らの体調には波があります。
怪我もすればストレスも溜まるし、時には大きな病に罹ってしまうことも。
それが生きているということで、仮に病気をせず手間の掛かるお世話も不要ならロボットで良いのではないか、いやもうアイボじゃん! と思った次第。
当然病気は避けたいけれど、それでもそれを含め愛せること、それが犬と暮らすということだと改めて気がついたのです。
生きることは病と共生すること
なんでうちの子がこんなことに。そう思いますよね。できるなら代わってあげたいと願うことも。
人と同じように、犬も様々な病気に罹ります。
数日で治るものもあれば、この先ずっと治療が必要なもの、手術の決断を迫られるもの、もうケアの段階で現状ではこれ以上打つ手がないもの。
本当はどの子も健やかに、大きな病気にならずその一生を駆け抜けて欲しい。
心からそう願います。
ところで、私たち日本人の死因は何が多いかご存知ですか?
厚生労働省による昨年のデータでは、1位は悪性新生物(腫瘍)、2位は心疾患(高血圧を除く)、3位が老衰となっています。
そして1位の死者数が約38万人であるのに対し、3位は約15万人。
その差はゆうに倍以上で、円グラフを見るとざっと1/4の日本人が腫瘍、いわゆるガンで他界するのです。
医療がこれほど発達した今でも私たちの多くは病で命を落とし、いつか闘病する日がやってくる可能性が高い。
これは犬も似たようなものかもしれません。
昔と比べると犬の平均寿命はとても伸びていますが、その理由には新薬の開発や動物医療の進歩があります。
そして、長寿になったことで発症する病気も増えました。
生き物の体はいわば精密機械のようなもので、長く使ううちにあちこちが傷んできます。
それを休息や医療という名のメンテナンスをして動かす訳ですが、関節や内臓機能、それにあらゆる神経も長年使うことで弱ってくるのは当たり前のこと。
使い傷みとでも言うのか、もっと簡単に言えば老化です。
それでもできれば自分も愛ブヒも老衰で穏やかに旅立ちたい。
そのために様々な努力をするのですが、それが叶うとも限りません。だから病気を知ること、受け入れることがとても大切なのです。
備えることは、できる
病気の中には予防できるものとできないものがあります。
生活習慣病などはある程度予防できるけれど、腫瘍を予防するのは無理。
だからといって何もできないのかと言えば、それは違います。
ブヒが患いやすい病気には脳腫瘍や呼吸器疾患、関節の病気がありますが、これらの病気はどんなものか、どういう治療法がありそれが受けられる身近な病院はどこかを知っておくこと。
また、フレブルは麻酔のリスクが高いと以前から言われています。
けれど獣医師によれば、フレンチブルドッグが突出して麻酔に弱いわけではなく、麻酔による事故が起きるのは0.1〜0.2%だそう。
ただしこれも、例えば鼻腔狭窄や軟口蓋過長症などではない、または治療できている場合。
鼻腔狭窄や軟口蓋過長症だと夏場や運動時には通常の呼吸もしんどいはずですが、こと手術の場合は気道の確保のためにまずは鼻腔狭窄や軟口蓋過長症でないことが必須となります。
そのため目的の手術を受ける前に鼻腔狭窄や軟口蓋過長症の手術を要することも。いつかに備え、今できる治療は体力のあるうちにしておくことも大事なのです。
おわりに
病気にならないからだ。それは生き物の夢かもしれません。
けれど病気ってね、全くならない子の方が稀なもの。
生きている限り何かしらの病気になる可能性は高い。
だからこそ備え、いざ病が立ち向かってきた時に闘う術を知っておく必要があるのです。
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