【おサボり厳禁!】犬の被毛ケアしてる?毛が綺麗なのは健康の証。[特集:ミドルシニアLIFE]
中年に差し掛かったことを実感するいくつかの事象のうち、特に女性は髪質の変化を挙げる人も多いかと思います。絶賛ミドルシニア年齢の筆者も数年前から髪のツヤやハリがなくなってきたとため息を吐く日々ですが、これはフレブルたちも同じ。犬の被毛も人間の髪同様に主成分はタンパク質ですが、人間の髪が約80%なのに対し、なんと犬は95%がタンパク質。もちろんタンパク質は普段の食事から摂取するので、栄養が行き渡っていないと被毛にも影響は大。しかも年齢とともにツヤや潤いが失われていくため、ミドルシニア年齢からケアを開始し、被毛の状態を日々の健康管理に役立てるのが鉄則なのです。
ツヤがないのは年齢のせいなの?
フレブルは短毛種なので、長毛の犬に比べれば常日頃から毛ヅヤや手触りを意識することは少ないかもしれません。
顔まわりになんだか白い毛が増えたかな? というのがミドルシニア期の特徴ですが、明らかに若い時よりも毛が乾燥している感じがしたり、パサつきが気になることも。
確かに年齢を重ねるとある程度毛並みは変化しますが、実は年齢以上に鍵を握っているのが食事と病気。
個体差はあるものの1日に摂取したタンパク質の約30%が被毛の成長に使われているそうで、食事でしっかりとタンパク質を摂っていなければ必然的に被毛の状態は悪くなります。
シニアになるにつれ毛並みが変化するのは、年とともに食が細くなったり栄養不足が起きている可能性が高いのです。
なお、最新の研究ではビタミン豊富なフィッシュオイルがツヤのある豊かな被毛の成長と維持に効果的だとわかっています。
美しい被毛に欠かせない栄養素はタンパク質と脂質ですが、ミドルシニアやシニア年齢になったのを機にフードの内容を大幅に変更するオーナーさんもおられるでしょう。
通常はシニア向けのフードほど脂質が控えめに作られていることが多いため、もしフードを変えてから毛並みが悪くなった場合は改めてフードを見直すか、フィッシュオイルを含む食材をトッピングに混ぜてあげると良いですよ。
加齢でなく病気の可能性も
ミドルシニア以降に毛並みが変化するのは、新陳代謝の衰えも一因です。
犬も人も皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層から成っていますが、犬の被毛が作られるのは一番外側にある表皮。
ここで日々新しい細胞が生まれ、古くなった細胞は角質やフケとなって体外に剥がれ落ちる仕組みです。
こうして一定のサイクルで細胞が生まれ変わることで健康な皮膚を保てるわけですが、新陳代謝が落ちるとそのサイクルが乱れがちに。
それが被毛や皮膚の乾燥、皮膚トラブルにもつながるのです。
ただ、新陳代謝の衰えはあくまでも加齢によるものですが、中には毛質の変化の裏に大きな病気が隠れていることも多々あります。
中でもミドルシニア年齢のフレブルに多いのが「クッシング症候群」。
これは副腎皮質から分泌されるコルチゾールというホルモンが過剰になる病気で、その初期症状として現れるのが被毛トラブルなのです。
例えば毛が抜けるようになる、皮膚が黒ずむ、被毛がパサパサになるといった症状のため、老化現象によるものだと思い込みがち。
「年だから仕方ないか」と見落としていたら密かに病気が進行しているケースが多いため、特にフードやお手入れ方法を変えていないのに毛並みが変わったと思ったら、まずは獣医師に相談し一度検査をしてもらいましょう。
内と外、両方からケアを
食べ物や病気によって被毛の状態は大きく変化しますが、「食」で内側からのケアをするだけでは美しい被毛は保てません。
私たちも毎日髪にブラシを通しヘアオイルなどで手入れするように、外側からのケアも当然大切なこと。
特にブラッシングは毛並みを整えるだけでなく、健康に欠かせない血行促進にも効果絶大。
栄養や酸素は血液によって運ばれるため、血行が悪いとそれらが表皮まで行き渡りません。
特に耳の先などは血管が細いので、ブラッシングの際はお腹や背中だけでなく耳や足先まで意識してブラシしてあげてくださいね。
こういった毎日のブラッシングは毛が抜け落ちやすいフレブルにとっては必須のケアですが、冬場はサボりがちというオーナーさんも実のところ多いのです。
なぜなら寒い時期に多くのブヒはお洋服を着せてもらっており、裸で過ごす時間が少ないから。
確かに洋服は防寒にもなり汚れも防いでくれますが、日に1度は裸にしてブラッシングし、その時に被毛や皮膚の状態も一緒にチェックしましょう。
服で隠れていて気づかなかった皮膚トラブルがあったりもするので、毎日のケアはおさぼり厳禁ですよ!
おわりに
レジェンド年齢になっても抜群の毛並みを誇るフレブルは多数いますが、その多くはオーナーさんが日頃から食やお手入れに力を入れている賜物。
被毛って愛ブヒの健康状態を映し出す鏡のような存在なので、毎日撫でて確認し、その手触りやツヤなどを確認することで健康状態にいち早く気づけるものなんですよ。
文/横田愛子
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