今月のフレブルは「寒暖差対策」がマスト![特集:ミドルシニアLIFE]
今年一番の寒波が過ぎ去ったかと思えば、その翌日は小春日和で花粉情報まで飛び出す今日この頃。暖冬だと言われていたわりには思わぬ大雪で道路が麻痺するなんてこともあり、とにかく体調管理が難しい気候です。そもそもフレブルたち犬は季節の変わり目に不調が現れるケースが多いけれど、これほど寒暖差が大きいと毎日が季節の変わり目のようなもの。特に免疫力や体力が低下してくるミドルシニア以降のフレブルにとって、かなりの負担となるのです。
寒暖差を甘くみるべからず
通常だと秋から冬にかけて徐々に気温が下がることで体が寒さに慣れていき、犬の場合だと被毛が冬毛に生え変わったりして「冬仕様」の体になります。
しかしこれほど暖かい日と寒い日が繰り返し訪れる今年は徐々に寒さに体を順応させることができず、それが不調へと繋がってしまう。
私たち人間も同じで、気温差で風邪をひいてしまった人もいるはず。
そもそも犬は1日の気温差が7度以上になるとお腹を壊しやすくなるといわれており、そのほか気圧変化や寒暖差の影響を受ける生き物。
季節の変わり目に下痢をしたり食欲不振になる子が多いのはこういった理由からで、寒暖差に体が対応しきれずに不調を招いているのです。
季節の変わり目っていうのは寒暖差が激しいものだけれど、この冬は毎日が季節の変わり目みたいな気候。
筆者が住む大阪でも最高気温が5度の翌日は13度まで上昇したりと、もはや寒いのか暖かいのかさえわからなくなっています。
なお、寒暖差の影響を受けやすいのはパピーやシニア犬に加え、てんかんなどの発作を持つブヒも要注意。
てんかんは痙攣発作が不定期に繰り返し起きる脳の慢性的な病気ですが、フレブルは脳腫瘍など脳の病気を患う子が少なくないため、てんかん経験があるフレブルは特に気温差には御用心を。
獣医師によれば、脳の構造に異常がないものの発作を繰り返す「特発性てんかん」の場合、約1割の犬が気圧の影響を受けているそうですよ。
寒暖差の影響はこんなところに
寒暖差の影響を受けやすいのは下痢や嘔吐といった胃腸症状が知られていますが、急激な気温変化がダメージを与える箇所は他にもあります。
まずは喉。
気温差が喉に刺激を与えることで咽喉頭炎や気管炎になりやすく、発熱や咳を引き起こす要因に。
もしその時に免疫力が低下していたら炎症が喉から気管支や肺へと広がり、気管支炎や肺炎になる恐れもあります。
それに、フレブルに多いのが外耳炎。
元々耳の中は気温が上がると蒸れやすいうえ、寒暖差で皮膚のバリア機能が低下しています。
すると細菌が繁殖しやすくなり外耳炎になるのです。
また、皮膚のバリア機能が低下するってことは、もちろんアレルギーはじめ皮膚状態も悪化しがち。
一見気温とはあまり関係がないと思うようなことも寒暖差に関連しているので、普段よりも念入りに愛ブヒの様子を見てあげてくださいね。
なお、寒い時期は暖かいお部屋でゴロゴロするのを好むブヒも多く、日が昇るのが遅いため朝でもなかなか起きてこないフレブルもいます。
犬は日照時間に合わせて活動する傾向があるので、日の出が遅く日の入りが早い冬は睡眠時間も長め。
犬にとっても睡眠は心身のリカバリーのために大切なことなので、すやすやと寝ている時は無理に起こさず、暖かく快適な睡眠環境を整えてあげてください。
室内は暖房で暖かいと思いますが、乾燥しすぎないよう部屋の湿度を40〜60%程度に保つことも快適な眠りのポイントです。
寒暖差に負けない日頃のケアと食事
毎日コロコロ変わる気温に対抗する手っ取り早い手段はやはり洋服。
冬場は毎日お洋服を着ています、というブヒは多いけれど、気をつけたいのが着せっぱなしになること。
厚手から薄手、さらには裸までと、気温に合わせて変化をつけることが大事です。
例えば暖房が効いた室内では裸、散歩中は洋服着用など、気温と行動に合わせた着脱を。
洋服を着せっぱなしだと蒸れや摩擦から皮膚トラブルの原因にもなります。
次に食事ですが、寒暖差に負けないためには免疫力が重要。
ヨーグルトやバナナ、納豆にりんご、ニンジンなどが効果的なので、適量をご飯にトッピングするのはいかがでしょう。
人間でも最近よく言われる「腸活」はブヒにも有効なので、腸を整えることを意識してみて。
そして忘れてはいけないのが、意外なところでブラッシング。
ブラッシングをすることで被毛がふわりとし、皮膚の表面に空気の層ができるので保温効果が上がります。
さらに新陳代謝を促す効果もあり、血流を良くすることで内側からの冷え対策になるんです。
洋服を着せっぱなしだとブラッシング回数も減るので、毎日必ず裸の状態でケアをし、その際に皮膚状態のチェックを日課にしましょう。
ところで、筆者の周囲で非常に多いのが「トリミングの際にトリマーさんがしこりを見つけてくれた」という声。
フレブルはサロンでのトリミングが不要の犬種ですが、ブラッシングの際は何か異変を探すつもりで足先までしっかり触れ、体の変化を見逃さないようにしてくださいね。
おわりに
寒暖差の激しさはまだまだ続きそうですが、同時に気をつけたいのは急激な気温の上昇。
まだ2月だからなんて油断していると熱中症になることもあります。
さらに今年は花粉の飛来が例年より早い見込みなので、アレルギー体質のフレブルは花粉対策もお忘れなく。
文/横田愛子
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