【取材】17歳の不死鳥ブヒ!長寿の鍵は信頼できる医師との出会い #73バーディー
10才を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。今回登場してくれたのは、なんと17歳の女の子レジェンド、バーディー。今もまだ目も耳も現役で、かつ食欲も満点という彼女。過去には膵炎なども経験したものの、持ち前のスタミナと獣医さんの的確なアドバイスで回復し、今日も元気にご飯を味わっているのです。
バーディーちゃんのプロフィール
年齢&性別
17才の女の子(2007年4月14日生まれ)
体重
体重 9.5kg(若い頃は10kg)
大好きなこと
ご飯
既往歴
・1歳になる前に避妊手術
・13歳の時に咳が出始め肺に水が溜まる。水を抜く処置をして回復
・15歳の時に膵炎にかかり、薬で治療を継続中
今の健康は病院のおかげ。転院が命を繋いだ
佐々木さん夫妻の元にフレブルの女の子、バーディーがやってきたのは17年前。
ゴルフ好きなご主人が名前を付け、社交的で愛されキャラのまますくすくと育った。
そんなバーディーは13歳になるまで大きな病気もなく元気いっぱいで、手術をしたのも避妊手術の1度きり。
しかし13歳の時に急に咳込むようになり病院へ行くと、肺に水が溜まっていることが発覚する。
その時は水を抜いてもらい落ち着いたものの、その際に病院を転院するという判断がのちに功を奏した。
「13歳まで健康だったのもあり、病院は予防治療が大半。
けれど肺に水が溜まった時に全身麻酔が必要な検査を薦められ、あまりにも検査をしたがる先生に少し不信感が芽生えたんです。
バーディーの体に負担のかかる検査はしたくないと考え、違う病院を探すことに。
そこで見つけたのが古くからある病院で、評判も良かったため転院することにしました。
その転院先で出会ったのが津島先生です。
先生は血液検査や必要に応じてレントゲンなど、負担が軽い検査を中心に診てくださいました。
結果バーディーにとっては命の恩人のような存在になったのです」(佐々木さん=以下「」内同)。
夫妻にとって初めて迎えたフレブルがバーディー。
そのため津島先生に言われるまでは、フレブルにとって13歳という年齢はさほど高齢だとは思っていなかったそう。
指摘されて初めて、バーディーが長寿であることを意識したという。
「それで改めて全身麻酔をかける検査を避けて良かったと実感しました。
肺に水が溜まった原因はわからなかったものの、もしあの時に言われるがまま検査をしていたら今バーディーがここにいたかどうか。
それ以降は回復し、15歳の時に膵炎を発症するまでは変わらず元気でした。
けれど膵炎にかかった時は危険な状態に陥り、黄疸も出て1週間の間ご飯も食べず水も飲まずの状態に。
この時ばかりは別れを覚悟しましたが、5日間の入院で無事私たちの元に帰ってきてくれたんです。
退院後は2日間だけシリンジでお水をあげるなどの介護が必要でしたが、そこから復活。
現在は膵炎の薬と胃薬、ステロイド、利尿剤を飲んでいて、先生と相談しながら薬の量を調節し、うまく病気と付き合っています。
今は2ヶ月おきに通院して血液検査を受けていますが、毎回また2ヶ月後に会おうねと言ってくださる先生の言葉が励みになっているんです」
年齢に合わせて量を調整しながら、食事はフードのみ
親身に診てくれる津島先生との巡り合いで2度も命の危機を脱したバーディーだが、大きな病気はこの2回だけ。
現在は後ろ足が弱ってはいるものの、自分で歩いてトイレに行き、ご飯もしっかり食べる。この元気の源はどこにあるのだろう。
「これといって特別なことはしていませんが、ご飯はパピーから今までドライフードのみです。
膵炎以降は低脂肪の療法食になりましたが、それまではロイヤルカナンのフードを継続していました。
トッピングなしでも残さず食べるのと、おやつをあげると吐くことが時々あったので基本的にはドッグフードだけ。
17歳の今もふやかしたりせず、そのままの状態のドライフードをボリボリ食べてくれます。
食欲がなくなったのは膵炎を患った時だけですね。食べる子は元気だと聞きますが、食欲旺盛なのが長生きの秘訣かもしれません」
硬いフードを今もそのまま食べられるということは、歯も丈夫だからに他ならない。
特に歯のケアはしていないそうだが、ドライフードしかあげないという選択ゆえに歯に汚れがつきにくく、口腔トラブルとも無縁だったのだろう。
「食事で意識しているのは、毎日同じ時間にあげること。朝6時と夜7時の2回、年齢に合わせ量は調節していますが、時間は一定。
同じルーティーンを続けるのも良かったのかもしれません。
バーディーは目も見えているし耳も遠くはなっているけれど聞こえていますが、瞳が白っぽくなってきて以降はヒアルロン酸の目薬を1日1回点眼しています。
あと、他のフレンチより少しマズルが長めなのもあって、ブヒブヒもさほど言わないせいか、パンティングも少なく呼吸器系のトラブルとも無縁でした。
持って生まれた素質が長生きにつながっているんだと思います」
サークルとカメラを用意して安全確保に努める毎日
現在はお散歩には行かず、安全に運動できるよう室内にベビー用サークルを設置しそこで自由に過ごしている。
サークルはぶつかっても安全な素材のものを選び、15歳からは留守番中に何か起きても対処できるようにと見守りカメラも設置した。
「以前から長い留守番の時は広めのケージに入れて誤飲や怪我をしないよう気をつけていましたが、今の年齢だといつ何が起きるかわからないのでカメラは必須です。
日によってよく歩く日と立ち上がるのもよっこいしょ、みたいな日があるのですが、調子の悪そうな日は仕事に行く前に病院で預かってもらうようにしています。
こうして頼れる先生がいることは心強いですね。食欲を体調のバロメーターにしていますが、17歳になって少し体重が増えたのには先生も驚いていました(笑)」
なお、バーディーが暮らすのは北海道。
そのため寒さ対策には気をつけていて、湯たんぽやカイロを取り入れ体が冷えない工夫をするほか、最近は夏も気温が高くなるのでエアコンも導入したそう。
「室温、体温ともに温度管理に気をつけ、血流が悪く冷えている箇所はカイロなどで温めます。
トイレは自分で行くけど間に合わないことも増えたので赤ちゃん用おむつをしっぽ部分に穴を空けて着けたりもしていて、お互いにストレスなく過ごすための工夫は惜しみません。
今は落ち着きましたが、一時ひと晩中寝てくれない時期があり、その時はやはり大変でした。変わらず可愛がり続けるためにも、バーディーだけでなくこちらがストレスを感じないようにすることも大事だと気づきましたね。
今は穏やかな状態のまま、少しでも長く一緒にいられたら。17という年齢である以上、いつどうなってもおかしくないという気持ちで一緒にいるので、より愛情が募るんです」
実は取材後、バーディーに再び危機が訪れた。日に日に食欲が落ち、ご飯を食べなくなったのだとか。
もう17歳。今回ばかりは覚悟しないとと思いつつ最後の望みを託したのは、やはり津島先生。
2日間かけて点滴や薬の投与などをし、再びご飯を食べるまでに回復した。
家族の生きてほしいという気持ち、そして先生の助けたいという思いが届いたに違いない。
「バーディーがまた家に帰ってこられたのは津島先生のおかげです。
あの時転院を決意し良い先生と出会えたことで、長寿には先生との出会いも肝心なのだなと痛感しました。
本当に先生には感謝しかありません」
気づけばバーディーを迎えた後に誕生した息子さんも13歳になり、今では自分からバーディーのお世話をするように。
家族として長く過ごす中で互いが成長し、こういう変化が見られるのも楽しみのひとつ。
まだまだこの先も、ひだまりのような穏やかな時間が続くこと、それが何よりの願いなのだ。
取材・文/横田愛子
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