2024年8月5日1,024 View

あなたの家は適正温度?犬も冷えすぎはNG![特集:ミドルシニアLIFE]

日本列島を襲っている猛烈な暑さ。気象予報では10年に1度の暑さだなんて言っているけれど、本当に毎日これでもかというほど暑いですよね。それでなくとも暑さに弱いフレンチブルドッグたちはクーラーが効いたお部屋でくつろいでいることと思いますが、ミドルシニア期以降のシニアや、逆にパピーたちに気をつけてほしいのが「冷えすぎ」なのです。この夏動物病院の先生に話を聞いたところ、現在通院してくる子で多いのが「冷えすぎでぐったりしている」という症状。フレブルオーナーさんは熱中症対策は万全だけれど、その一方で「冷えすぎ」に関しては意外と盲点なのではないでしょうか。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

怖いのは冷えからくるクーラー病

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Patryk Kosmider/shutterstock

 

今の日本の暑さだと、フレブルたち鼻ぺちゃ族のみならず全ペットに必須なのがエアコン。

 

とりわけ熱中症対策に余念がないブヒオーナーさんたちは室温管理に目を光らせており、よく耳にするのが、愛ブヒに合わせた室温に設定しているから人間は寒くて長袖を着用している、なんて声です。

 

実際フレブルたちの体温や体感温度は人間よりも高いため、冷房の設定温度をブヒ仕様にするのは正解。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

DuxX/shutterstock

 

けれども冷房に当たり続けることで体が冷え、冷えた部屋から屋外やエアコンをつけていない別の部屋への出入りを繰り返し、何度も急激な温度変化にさらされることで自律神経が乱れるのです。

 

自律神経が乱れると胃腸の異能が低下して下痢や嘔吐が起こり、消化器系の病気の引き金に。

 

これは体温調節機能が衰えているシニアブヒやまだ未成熟なパピーに多いのですが、実はミドルシニアは特に注意が必要なんですよ。

 

なぜかというと、まだパワフルで元気なミドルシニアのブヒは、暑い屋外と涼しい室内を行き来することになるお出かけ頻度が高いから。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Patryk Kosmider/Shutterstock

 

また、お出かけの際はがっつり熱中症対策をするのがフレブルたちのお約束ですが、出先だとこまめにクールネックを外したりせず、冷房の効いたドッグカフェなどに入ってもそのままつけっぱなしにしていませんか?

 

もちろん熱中症対策は絶対必須ですが、かといってとにかく冷やしておけば良いというものではなく、「適温を保ち冷やしすぎないこと」が暑い夏を元気に乗り切るコツなんです。

 

室内での対策は?

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Firn/Shutterstock

 

そもそも犬が熱中症になる可能性が高まるのは、個体差はあるけれど気温25度以上、湿度60%以上だと言われています。

 

そのため夏場のエアコンは25度〜27度くらい、湿度は60%以下に抑えるのがポイント。

 

けれどフレブルの中には25度でも暑そうにする子も多く、エアコンをもっと低い温度で設定しているご家庭もあるでしょう。

 

ただ、あまりにも低い温度で設定するとクーラー病にかかる恐れがあるので、ブヒの様子を見ながらこまめに調節を。

 

ハァハァというような息遣いではなく、普通の呼吸をしてくつろいでいるのなら、それがその子にとっての適温です。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

fongleon356/Shutterstock

 

また、フレブルの場合、夏場にお散歩をするのなら日が昇る前の早朝かどっぷりと日が暮れた夜遅い時間かと思いますが、それでも室内と比べるとかなり暑いですよね。

 

そんな時にすぐ冷えた部屋から屋外に出すと気温差で自律神経が乱れるので、まずは冷房の部屋から玄関先のさほど冷えていない場所でしばらく過ごし、そこから外へ、というように、急激な気温変化を緩和する対策がおすすめ。

 

また、室内では愛ブヒに直接冷房の風が当たらないように工夫し、寒さを感じたら潜れるようにブランケットなどを用意しておくと安心です。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

sophiecat/Shutterstock

 

ちなみに夏場はご飯も食べやすいように冷やしたものをあげる人も多いですが、冷房の効いた部屋でずっと過ごしているのなら、あえてフードを冷やす必要はありません。

 

体の中と外から冷やしてしまうとお腹を壊す原因にもなるので、夏はとにかく冷たいものを、と思い込まず、冷と温のバランスをとってあげましょう。

 

屋外での対策は?

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

New Africa/shutterstock

 

真夏の日中に愛ブヒ連れで出かける人はまずいないと思いますが、病院へ行ったり帰省したりする場合はどうしても暑い時間帯に外に出ることになりますよね。

 

そんな場合でも長時間屋外にいることは稀なものの、ブヒオーナーさんの熱中症対策は万全です。

 

首にクールネック、体にはワキなどを冷やせるクールエプロンなどを装着し、ブヒによっては内側に保冷剤が入る帽子を着用している子だっているくらい。

 

この完全無欠の熱中症対策は素晴らしいのですが、気をつけてほしいのは「適宜取り外すこと」。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Florida Chuck/shutterstock

 

例えば移動の際、最初は暑い車の中も次第に冷房が効いて涼しくなりますよね。冷えた車内で全身に保冷剤をつけていれば、今度は逆に冷えすぎになってしまいます。

 

窓からの日差しで暑がっている場合などはともかく、出先でも冷房の効いた場所ではクールアイテムを外してあげること。

 

接触冷感のお洋服程度なら大丈夫ですが、保冷剤を使っているものは直接肌に氷が当たっているようなもの。

 

そのため、涼しい部屋では冷えすぎになってしまいます。

 

装着の手間を面倒くさがらず、様子を見ながら付け外ししてあげましょう。

 

なお、いくら対策をしていても日本の夏の暑さは半端ではありません。特に日中は愛ブヒを連れての不要な外出は絶対に避けてくださいね。

 

おわりに

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Anastasiya Tsiasemnikava/Shutterstock

 

熱中症にさせないために冷やすのは大事だけれど、室温によってはクーラー病になってしまいます。

 

愛ブヒの足先などを触って冷たければ冷えている証拠なので、その場合はマッサージをしたり、足湯などをするのもおすすめ。

 

クーラー病の症状はくしゃみや咳、元気のなさ、食欲低下、下痢や嘔吐などが挙げられるので、どれかひとつでも思い当たったら冷やしすぎていないかを確認し、一度動物病院で診てもらってくださいね、

 

 

文/横田愛子

 

 

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