情報を選ぼう!フレブルの長生きのためにできること[特集:ミドルシニアLIFE]
うれしいことにここ数年、我らがフレンチブルドッグの寿命はどんどん長くなってきているように感じます。最新号のBUHI(2024年冬号)の表紙を飾ってくれているブヒは撮影時なんと19歳と7ヶ月。筆者も多くのレジェンドブヒたちを取材させていただく中で、16歳越えの子だって珍しくなくなってきていることを体感しています。愛ブヒがミドルシニア年齢に差し掛かると、やはり気になるのはこの先どう健康長寿を目指していくか、という点。それに欠かせないのが、フレブルについてよく知ること、そして知った情報を愛ブヒに合う形で実行に移すこと。つまり、情報を制することなのです。
まずフレブルについて知る、次に愛ブヒについて知る
当サイトや雑誌BUHIをはじめ、フレンチブルドッグという犬種を掘り下げ、彼らに合う食や環境、ケアなどの情報を発信するメディアも増えています。
フレブルは暑さに弱く、アレルギーをはじめ先天的に罹りやすい疾患が決して少なくはない。
こういう情報を得て、犬種特性をしっかりと学んでから迎える人が増えたことが現在のフレブルたちの長寿化に影響しているのは間違いないでしょう。
過去に(残念なことに今でも)フレブルたちが命を落としてきた熱中症は予防で回避できることや、アレルギーに対する知識、ヘルニアにさせないための工夫などは、今では多くのオーナーさんが当たり前にしている対策。
これらの対策こそがフレブルの健康長寿を伸ばし、押し上げてきたのです。
なら、次にすべきことは、愛ブヒについて知ること。
うちの子はどういう体質で、何が良くて何が受け付けないのか、どういう状況でストレスを感じやすいのかなど、大きく区切ったフレブルという枠の中から、さらにうちの子に照準を絞って「我が子のデータ」を集めることが長寿対策にはマスト。
たとえば日本人がかかりやすい病気があるとして、その中でもうちの家系だとこういう疾患に罹る率が高い、自分の生活習慣だとこの病気になりやすいなどを知り、より的を絞った対策を取り入れたなら、リスクはそれだけ下げることができるはずです。
「情報を得る」というこれらの行為が、結果として愛ブヒの健康長寿につながる。
だからまずは、フレブルという犬種を知った上で、さらに我が子にフォーカスした情報を集める、これが健康長寿を目指す最初の一歩になるのです。
情報の取捨選択
現在、フレブルについての情報は星の数ほどあり、多すぎてどれが正しいのか、本当に良い情報はどれなのかを選ぶのが難しい時代かもしれません。
誰もがスマホひとつで多くの情報にアクセスできるからこそ、どれを選び取るのか、というのが課題になってきているようにも感じます。
信頼できるメディアから情報を得るのが大前提ですが、とても役立つのが周囲のブヒオーナーとの情報交換。
どの病院が短頭種の疾患に強いのかや、フレブルを多く診察している先生は誰か、より良いフードやサプリについてなどは、ブヒオーナーであれば誰もが気になるところ。
それゆえにオーナーさんそれぞれが自前で情報を集めているから、それを交換することで手持ちのデータは何倍にもなるのです。
けれど、ここでも大事なのはその情報が我が子に役立つかを見極めること。
使えない情報をたくさん持っていても役には立たないので、我が子と体質や年齢などが似ている子、病院探しなら同じ地域や通えるエリアに住んでいるフレブル、病気治療であれば同じ病気で同じ症状のブヒなど、我が子との共通点があるオーナーさんから情報を得るのが近道。
ここまで具体的な情報は探しておらず、でも健康のために何かを取り入れたいという場合は、それこそフレブル界のレジェンドたちのライフスタイルを参考にするのもおすすめです。
当サイトや雑誌BUHIのレジェンドの記事には、食や生活習慣で工夫している点がたくさん書かれています。
もちろん全部を真似しなくても、愛ブヒにとって良さそうなものを取り入れてみて、良さそうであれば継続する。これだって立派に健康長寿へのアプローチ法なんです。
正しいアウトプットの仕方
情報は持っているだけでは役に立たず、実際に使ってこそ効力を発揮するもの。
とはいえ様々な情報をやみくもに実行に移しても、どれが功を奏しているのか分かりませんよね。
食にしても運動にしても、多くの情報の中からうちの子に合うと思うものを選び、しばらくの間は継続して様子を見ること。
あれもこれもと欲張るのではなく、一定期間様子を見ながら我が子への効果を確認し、効果を感じると思うものだけを残してレギュラー化していく。
気の長い作業だなと思うかもしれませんが、多くのレジェンドブヒのオーナーさんたちはこうして「うちの子の定番」を探し、さながらオートクチュールのように愛ブヒにぴたりとフィットする健康管理術を作り上げているのです。
それに、病院もかかりつけ医のほか、緊急時に診てもらえる病院や二次診療での評価が高い病院、特定の疾患に強い病院など、複数の病院を把握しています。
昨今は動物医療でもセカンドオピニオンが重視されていることもあり、もしもの時の医療の選択肢も愛ブヒが元気なうちから調べておくのがベター。
情報を制するというのは、情報を得るだけにとどまらず正しく使うこと。
なので、ミドルシニアのうちから我が子に合った情報を精査し、健康長寿でいられるメニュー作りを進めるということなんです。
おわりに
私たちの体質がそれぞれ違うように、フレブルたちも個々の違いがあります。
我が子にとって何が良いのかを見極めるには、何より愛ブヒのことをよく知ること。
そのうえで得た情報からうちの子に合うものを試し、試行錯誤をしながら定番化していく。
情報を知識として脳内にしまっておくだけじゃなく、うちの子仕様にカスタムして実生活に取り入れてこそ、愛ブヒの健康長寿の一助になるのです。
文/横田愛子
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