2020年5月16日5,454 View

【外出自粛後のトラブルに備える】留守番再開でブヒを「分離不安」にしないために!いまオーナーができること。

愛ブヒを本当の意味で幸せにするには、オーナーが犬にとって頼れるリーダーになることが何より大切です。
そこで、国際的なドッグトレーナーのライセンスを取得している大久保羽純さんに、“愛ブヒから信頼されるリーダーになる方法”を学ぶのが、この特集。

今回は、緊急事態宣言が解除され、ふたたび留守番を再開することになるブヒたちの心のケアを考えます。
 

フレンチブルドッグ,しつけ

生活の変化は分離不安に繋がる可能性大! 

フレンチブルドッグ

LightField Studios/shutterstock

 

新型コロナの影響で、世界中の人々の生活に変化が起きていますね。

 

日本で仕事をする皆さんも、リモートワークや休業などの対応に迫られている方も多いのではないでしょうか。

 

生活リズムが変わったことで、愛ブヒのココロにも変化が出ています。

 

愛ブヒとオーナーさんが自宅で一緒に過ごす時間が増えた分、フレブルたちは「わーい、このままずっと一緒にいてくれる」と思っているかもしれません。

 

しかし、日常が戻ればオーナーの出勤(=留守番再開)で、愛ブヒは急に一人ぼっち…。

 

予想外のお留守番にショックを受けた愛ブヒは、『分離不安』になってしまうかも! 

 

一度、分離不安になってしまったココロを修復するのは、並大抵のことでは有りません。

 

愛ブヒのお留守番再開に備えて、オーナーさんができることを考えていきましょう。

 

留守番再開のだいぶ前:オーナーさんが愛ブヒとできること。

フレンチブルドッグ

Irina Kozorog/shutterstock

 

外出自粛中は、自宅にいられる時間が増えることで、いつもより少し余裕を持って愛ブヒと向き合える時期かもしれません。

 

そんなときだからこそ、“ただただイチャイチャする”だけではなく、今後に向けて“お留守番で愛ブヒが楽しめる環境づくり”を整えていきましょう。

 

愛ブヒが日常で得られる楽しさの対象が、“オーナーさんだけ”だと、お留守番は地獄です。

 

“留守番=やることがなくて暇でツライ”、“留守番=ひとりぼっちで悲しい”ではダメ! 

 

愛ブヒが一頭でも快適に楽しめる状況作りに、こんなことをやってみましょう!

 

・知育オモチャを集めよう、覚えよう! 

食べ物を中に入れ、まるで獲物の狩りをするように、脳トレをして楽しめる知育オモチャ。

 

これを使えば、食事の時間が、愛ブヒ自身がごはんを取り出す“達成感”を得られる遊びに大変身。

 

世界中のトレーナーも「ご飯をお皿で食べるなんてもったいない!」と言っています。

 

とはいえ、留守番本番でいきなりやっても、うまく出来ないかも知れません。

 

オーナーさんが一緒に見ていられるうちに、知育玩具を愛ブヒと試してみましょう。

 

オーナーさんはその様子を見守りながら、オモチャの種類や、中に入れるご褒美の種類や量を研究してくださいね。

 

愛ブヒが楽しめる知育オモチャを、最低9個は用意できるようにしましょう。

 

■知育オモチャの例

  • 犬用知育おもちゃ

    犬用知育おもちゃ

    フードやオモチャを挟んで遊べるボール。
    噛むことで歯磨き効果も。

    販売サイトを見る

  • DoyenDog

    DoyenDog

    起き上がりこぼしのようなデザインで、上部のふたを開けて中におやつやフードを入れて使用します。ブヒが手でおしてユラユラすると、中心の穴から少しづつフードやおやつが出る仕組みに。

    販売サイトを見る

 

・愛ブヒ自身で楽しめる遊びを作ろう。 

愛ブヒが暇になってしまわないように、留守番中のお仕事を与えましょう。

 

例えば、かじるのが好きならガジガジするものを部屋に隠したり、穴掘り好きなら、ホリホリするものを準備したり♪ 

 

先ほど紹介した知育オモチャを部屋中に隠して、探してもらうのもいいでしょう。

 

誤飲を防ぐためにも、留守番本番でいきなり実施するのは危険です! 

 

何事も、オーナーさんが見ている場所で事前に試して安全を確認しましょう。

 

・トリックを覚えよう。

フレンチブルドッグ

Patryk Kosmider/shutterstock

 

留守番再開時は、オーナーさんも外出で忙しくなるもの。

 

愛ブヒと一緒にいられる時間が減る中で、「なんとなく一緒にいる」のではなく、愛ブヒと濃厚に一緒に遊べると良いですよね。

 

そんなときには、トリック(一芸をして、ご褒美をもらう遊び)が絆を深めてくれます。

 

おまわり、おすわり、おいでなどの簡単なものでもOK! 

 

愛ブヒが“ドヤ顔”になれば完璧です。

 

忙しくなってからではなく、一緒にいられる時間の多い今だからこそ、トリックを開発しておきましょう!

 

・忙しくなったときに備えて、お世話グッズや場所の効率化をしよう。

家にいられる今だからこそ、愛ブヒのお世話の作業徹底効率化を図りましょう。

 

トイレシーツの位置や出し入れ、掃除セットの場所、内容、サークルがある方はその位置の改善など。

 

忙しくなった時に、お世話ではなく、一緒に遊ぶことに時間を割けるように、その他の作業が時短になる工夫をしましょう。

 

・愛ブヒのボディチェックをしよう。体の隅々まで毎日チェック。 

フレンチブルドッグ

LightField Studios/shutterstock

 

今だからこそ、普段チェックできなかった体の隅々までチェックしましょう。

 

体の不調がある上に、留守番再開の時にストレスが掛かってしまったら最悪ですよね! 

 

体の表面だけでなく、少し圧迫するように押したり触れたりして、腫瘍や出来物がないかなども見ましょう。 

 

【留守番再開が間近 : オーナーさんが愛ブヒとできること。】

フレンチブルドッグ

Margarita Mindebaeva/shutterstock

 

いよいよオーナーさんの外出が始まる時期が近づいてきたら、愛ブヒとどう過ごせばいいでしょう。

 

・生活リズムを日常に戻していく。

急に生活リズムが変わると、愛ブヒに大きなストレスが掛かります。

 

出勤時の生活と同じように、散歩、食事をして、1日を過ごしましょう。

 

・ブヒだけの時間を作っていく。

上記「知育オモチャを集めよう、覚えよう!」、「愛ブヒ自身で楽しめる遊びを作ろう」でブヒの一人遊びを紹介しましたよね。

 

愛ブヒが一頭でこれらの作業に没頭している間に、オーナーさんが違う部屋に行ったり、短時間の留守番をさせてみましょう。

 

WEBカメラなどを使って、一人でいるブヒの様子を見てみるのもいい作戦です。

 

このとき、愛ブヒが一頭で楽しめる時間を伸ばしていけたらGOOD! 

 

パニックになったり、いつも楽しめるはずの作業をやめてオーナーさんを探し回ったりとストレスサインが出ているような場合は、すでに分離不安の可能性があります。

 

この場合は、急いで専門家に相談しましょう。

 

愛ブヒだけで楽しむ時間を作るのは、オーナーさん家族全員の協力が必要。

 

無責任に、誰かがずっと愛ブヒをかまっていれば愛ブヒはずっとそれを期待するからです。

 

オーナーさんと愛ブヒが片時もそばを離れない生活は難しいもの。

 

愛ブヒが自分ひとりで楽しめる環境づくりは、日常から欠かせません。

 

・行ってきます、お帰りで、感動の再会を演出しない。 

フレンチブルドッグ

ebiricheva/shutterstock

 

これは日頃から言えることですが、留守にする前と帰宅時に、愛ブヒを興奮させることは、百害あって一利なし。

 

留守始めの喪失感や、オーナーさんの帰宅前の焦燥感につながり、留守番のストレスを高めます。

 

外出前と後は、愛ブヒが落ち着くまで、オーナーさんは愛ブヒを構わずに、穏やかに身支度をするなど、興奮させないようにしましょう。

 

【いざ留守番再開! :オーナーさんが愛ブヒとできること】

さあ、色々準備をしてきましたが、ついに留守番の再開です。

 

ブヒたちが分離不安になりやすい条件として、以下の条件が挙げられます。

 

それらに当てはまらないように、留守番を再開していきましょう。

 

・生活リズムが予測できない。

フレンチブルドッグ

Vantage_DS/shutterstock

 

例えば、いつも帰ってくる時間に戻ってこないと、愛ブヒは「もう18時過ぎたのに、なんで帰って来ないのかな、不安だよ。怖いよ」とパニックになる可能性があります。

 

留守番再開時に、急激な日常の変化は厳禁です。

 

・不用意に大きなストレスがかかる。

留守番再開にまだ慣れていない時に引っ越しをしたり、留守中にチャイムや訪問客、悪天候による雷、花火など、愛ブヒが不安になる刺激が加わることは、留守番の印象を悪くします。

 

できるだけ避けるようにましょう。

 

・日頃の刺激不足。

やることがなくて暇すぎると、刺激に敏感になり、不安も増幅してしまいます。

 

留守中に寝ているのは、やることがなくて家の中で行き倒れているだけかも知れません。

 

日常の刺激がオーナーのみにならないように、愛ブヒが1頭で楽しめる遊びを活用していきましょう。

 

・日頃の運動不足。

フレンチブルドッグ

Sbolotova/shutterstock

 

「日頃の刺激不足」と同様に、運動不足も神経が過敏になる要因の一つ。

 

忙しいときほど、愛ブヒのお散歩や運動は欠かさないようにしてください。

 

留守番再開から1ヶ月を目安に、通常の1.5〜2倍の散歩をするようにしましょう。

 

オーナーさんだけだと時間が足りない場合は、散歩代行やペットシッターを使うのも良いかも知れません。

 

こんなときは専門科に相談。

フレンチブルドッグ

rina Kozorog/shutterstock

 

留守番が少なかった状況から、留守番が増えたり、不規則な留守番になったりすることは、ブヒたちの心に大きな負担をかけてしまいます。

 

留守が始まって1ヶ月程度は、健康状態に気をつけて、もし不調を見つけたらすぐに動物病院に相談しましょう。

 

留守中に家具を破壊したり、排泄の失敗が増えたり、体の一部をなめ続けている様子があれば分離不安でパニックになっている可能性がありますので、ドッグトレーナーに相談を。

 

オンラインでレッスンを行っているトレーナーもいます。

 

ドッグトレーナーに依頼をする場合も、そのトレーナーが行動修正の豊富な経験を持っているか、科学的知識をもって、動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人かどうか、オーナーさんが見極めて依頼をするようにしてくださいね。

 

まとめ

フレンチブルドッグ

Irina Kozorog/shutterstock

 

オーナーさんとの時間は、愛ブヒのココロの栄養です。

 

ご飯をあげていれば体重は変わらないかもしれませんが、寂しかったり、不安になれば、愛ブヒのココロはやせ細っていきます。

 

オーナーさんと一緒にいることを、地球上の誰よりも願っているのは、可愛いあなたの愛ブヒかも知れません。

 

だからこそ、オーナーさんが、愛ブヒのココロを守る準備をしていきましょう。

 

愛ブヒをもっと理解したい、心を通じ合わせたいと願う、愛情にあふれたオーナーの皆さんを、心から応援しています。

 

 

PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純

PERRO株式会社 代表取締役 
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純

米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー

日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。

 

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