フレブルがハイシニアになると、こんな変化が待っている[特集:ミドルシニアLIFE]
何もかもが初めてで教えることが盛りだくさんのパピー期、そしてやんちゃ盛りのヤング期を経ると、家庭犬としても相棒としても円熟したミドルシニア期を迎えます。少し早いんじゃないのと思うかもしれませんが、このミドルシニア期から意識しておきたいのがシニアライフのこと。一般的にフレブルたち中型犬は7〜8歳頃からシニア期に差し掛かるとされていますが、ご長寿ブヒが増えている昨今では8歳なんてまだまだ若い! けれどもその先に続くハイシニア期に向けての準備と覚悟は、なるべく早いうちからしておくに越したことはないんです。
もう一度、パピーの頃のように

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ハイシニアとなったフレブルたちわんこオーナーさんが口を揃えて言うのが、「年をとって再びパピーの頃のようにお世話できるのが嬉しい」という言葉。
人間界には老齢になるとまるで幼児のように聞き分けがなくなったり無邪気になることを指すことわざがあるけれど、フレブルだって同じです。

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こんなふうに赤ちゃん返りした愛ブヒは愛おしいけれど、もちろんただただ可愛いだけではありません。
何しろ、怒涛のようだったパピー期を経てパートナーとして分かり合えるミドルシニア&シニア期を経験しているからこそ、なんで今まで出来ていたことが出来なくなっちゃったのだろう…と思いがち。
仕方のないことだけれど、やり場のない苛立ちを感じる時もきっとある。
その苛立ちの根底にあるものは、大切な存在が歳をとってしまったことで共に過ごせる時間が少なくなっているという悲しさや不安、ではないでしょうか。

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惜しみなく愛情を注いできた存在との別れを意識することは、とても辛いしパワーを必要とするもの。
でもその辛さや悲しみを受け止め、受け入れたその時に、ようやく「もう一度パピーの頃のようにお世話ができる喜び」を感じられるのではないのかな。
いつか来る日、を心に留めておく

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筆者もいちフレブルオーナーとして、いつか来る別れの日がなるべく遠く先のことであってほしいと願っています。
けれどもミドルシニア期を過ぎた頃からは、例えば思わぬ病気の発症などを経験することも増え、否が応でも愛ブヒの加齢について向き合わざるを得なくなるもの。
今までは飛び越えられていた段差で躊躇したり、走ってもすぐにバテるようになるなど、考えてみれば私たちだって同じなのに、こと愛ブヒに関してはずっと元気でやんちゃなままの姿を求め過ぎているのかも。
けれども、現実問題として必ずみんな年をとるのです。
ここで老化に対し見て見ぬふりをしてしまえば、愛ブヒにはきっと負担がかかるでしょう。

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犬は大好きなオーナーさんの期待に応えようと努力する生き物なので、どこかで無理をさせることになるかもしれません。
だからこそ愛ブヒの老化を受け入れることで、その年齢に合ったケアができるのです。
例えばスロープをソファーやベッドに設置したり、ご飯は消化しやすく飲み込みやすい形状にするなど、かつての日常の「当たり前」に少しずつ手を加えていき、年齢に合ったライフスタイルへと作り変えていくのも私たちオーナーの仕事。

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もちろんある年齢を境にいきなり全てをシニア仕様にする必要はないし、フードなどはその子の体質や食欲に合っていればあえてシニア用に変える必要はありません。
けれども日々の体調を見ながら気になりはじめた部分から手を加えていく、その過程こそが愛ブヒの老化と向き合い、いつかは来るであろう別れの日を意識してそれを受け入れていくための心の準備にもなるんです。
幸せなハイシニア期のためにできること

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近所の公園にある鉄棒。先日思い立って逆上がりをしてみたら1mmもできませんでした。
子供の頃はあんなに軽々とできていたのにと、己の老化に衝撃を受ける筆者。
その横で、ドスンドスンと音を立てながら持ち上がらない体を棒に巻き付けている飼い主を醒めた目で見る愛ブヒ。
年をとるってこういうことかと腑に落ちました。
出来ていたことが出来なくなる気持ち、すごい分かる。

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でもそれを非難されたり残念がられたらやっぱり辛いですよね。
これはフレブルに対しても同じことで、出来るようになったことがある一方で出来なくなることがあるのは当たり前。
それが年齢によるものならば、そこをカバーしサポートすることが愛なんです。

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シニア期の終盤からは、体力の低下と共に少しずつ出来なくなることが増えるかもしれません。
それはシートでの排泄かもしれないし、思うように歩くことかも。
でも今は老犬サポート用のグッズも豊富だし、何よりレジェンドブヒと暮らす先輩オーナーたちも少なくありません。
そんな人たちのSNSなどからアイデアをもらい、我が家なりの工夫をすること。
この先何が合っても息を合わせて前進しようねと愛ブヒと約束を交わし、今一度このまあるい存在を生涯愛し抜くと覚悟すること。
いつの日か老犬となる愛犬の未来のために備えるべき第一歩は、まずオーナーの気持ちの覚悟なんだとも思うんです。
おわりに

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お利口だから大切なんじゃないし、聞き分けが良いから愛してるわけでもない。
手を焼く部分も頑固なところも大好きで、つまり面倒を含めてまるっと愛している。
これが愛ブヒに対する気持ちなのではないでしょうか。
その気持ちをこの先もずっと持ち続けることができたなら、それはもう、フレブルにとっては何よりの幸せな老後ライフになるんです。
文/横田愛子
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