2023年10月1日916 View

犬の性格は生まれつき?どんな気質なら「いい子」なの?【後編】

国際的なドッグトレーナーライセンスを取得している大久保羽純さんに、愛ブヒを正しく守り、導き、固い信頼関係を築くための方法を学ぶこの特集。今回は、子犬の性格の見分け方についての後編。果たしておとなしい犬が「いい子」なのか。一緒に考えてみましょう!

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甘い誘惑に騙されない!

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Joanna Guz/shutterstock

 

子犬を選ぶときは「どんな子を迎えようか」と、新しい暮らしにワクワクしますよね。

 

そのうえで「ちゃんと仲良くなれる?」「吠え続けないかな…」など、心配になるのは当然です。

 

まず、口先だけの甘い誘惑には騙されないようにしましょう。

 

子犬を売りたい人の中には「おとなしい子ですよ」「散歩はいりません」といった、今月の売上のためだけの営業トークを繰り広げる人もいます。

 

「抱っこ商法」という言葉がありますよね。

フワフワでかわいい子犬を抱っこさえさえてしまえば、フォーリンラブしてお買い上げ…なんて流れになるわけです。

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Irina007/shutterstock

 

そもそもその子犬が、本当に「おとなしい性格」は誰にもわかりません。

子犬の性格については前編をご覧ください。

 

生まれたときから何ヶ月も世話をし続けているブリーダーさんなら、他の子と比較できるので多少の傾向はつかみやすいかもしれません。

だけど一生おとなしい性格かは、今の時点では保証できないのです。

 

もしおとなしいように見えても、それは性格なのではなく、ただ疲れているだけという可能性も。

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Monkey Business Images/Shutterstock

 

母犬から離された不慣れな環境でたくさんのひとに触られたら、子犬は疲れて当然です。

体調に問題があることも考えられます。

 

お金目当ての人の甘い誘惑に騙されないようにしましょう。

 

騙されて犬を迎えてしまうのは、「初心者でも乗りやすいですよ」と大型トラックを買うくらい軽率な行動だといえます。

 

おとなしい犬がいい子なの?

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panco971/Shutterstock

 

「子犬のおとなしい性格=いい子」と言われることが多いような気がします。

しかし、その思い込みはいかがなものでしょうか。

 

苦しいときも嫌なときでも、ただおとなしく従う犬と暮らすのは楽かもしれませんが、本当に幸せなのか。

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Tienuskin/shutterstock

 

人間社会でどう振るまえばお互いが快適に過ごせるのかを理解し、「必要な場面で落ち着いていられる犬」は理想的ですね。

 

そんな落ち着いた犬になるためには、日頃のオーナーさんの接し方やトレーニングが積み重なってこそ。

 

人間社会のルールが分からない子犬に、長い時間かけて繰り返し学んでいってもらうことで、その家族に合う子犬に育つのです。

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Tienuskin/shutterstock

 

ちなみにどんなにおとなしそうな犬でも、公園やドッグランや家の中でハチャメチャに大はしゃぎする場面はあるはずです。

 

ずっと静かなだけの犬なんていません。

「もっとおとなしくいて欲しい」という願いは、シニアになれば自然に叶います。

そのときには、もっと元気でいてほしいと思ってしまうわけですが…。

 

だからどうか、今の愛犬の大ハッスルを楽しんでくださいね。

 

海外で行われている、子犬の気質テスト

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Tienuskin/Shutterstock

 

子犬の性格を知るための「犬の気質テスト」をご存知でしょうか。

 

私はニュージーランドやスウェーデンなどの諸外国で「犬の気質テスト」を見てきました。

しかしこれは、どの子犬を迎えるかを検討するためのテストではありませんでした。

 

テストの目的は「一緒に暮らしている愛犬がどのような気質があるのか」を知ること。

例えば、大きな音に対してどれくらい驚くのか。見たことがないものに積極的なのか…などです。

 

このような、生まれ持った気質を知ることで、よりお互いが快適に暮らすためのヒントを見つけるものだったのです。

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Welshea/shutterstock

 

このテストは家族になって数ヶ月経過した子犬に行うので、子犬選びのときには使えません。

 

そして、行う際には必ず以下の説明があります。

テストの結果は犬の優劣を決めるものではない。ただ、その傾向があるということを知るための情報である。

 

大きな音にびっくりすると悪い犬、知らない人に自分から近づくと良い犬…など、犬をジャッジするためのテストではないと念を押されるのです。

 

どのような犬が良いという定義はありません。

みんな違ってみんな良いのですから。

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Viorel Sima/shutterstock

 

テストは「この犬はこういう傾向があるのか。それならこれに気をつけたらもっと暮らしやすいかな」といった暮らしに役立つヒントを得るためのものなのです。

 

会社などでも見かけるような自己分析テストに近いかもしれませんね。

 

命の選抜に使うようなテストではなく、お互いが幸せになるために役立つテストは良いと思いませんか? 

 

予想と違うから面白い

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Natalie Shuttleworth/shutterstock

 

子犬を迎えて多くの人が「思っていたのと違った」と口にします。

 

きっと、結婚や子育てと同じようなものでしょう。

 

相手は自分ではなく別の個体ですから、なかなか理想通りにはいきません。

 

だからこそ新たな楽しみに気づけるわけです。

 

こんなときは、専門家に相談

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Happy Moments/shutterstock

 

犬という新しい家族が増えるときには、新しい楽しみも苦労も全部ひっくるめて笑えるような余裕が必要です。

 

時間やお金、心、そして環境に余裕がある状態で犬を迎えるようにしましょう。

 

もしどんな犬を迎えたら良いのか迷うときには、ドッグトレーナーなど専門家に相談をしてください。

ドッグトレーナーは問題行動に対処するだけでなく、犬を迎える際の相談にも乗っています。

ドッグトレーナーに依頼をする場合は複数人と面談するようにしましょう。

 

そしてそのトレーナーが、家庭犬に関しての知識と豊富な経験を持っているか。

学術的、科学的知識をもって動物福祉と動物への倫理に基づいた指導を安全に行える人材かどうか、オーナーさんが確認をしてくださいね。

 

PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純

PERRO株式会社 代表取締役 
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純

米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー

 

日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。

 

 

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