2024年3月4日3,115 View

最近ブームの「ミックス犬」の真実とは

いつの頃からか世間ではミックス犬人気が定着し、かつて呼ばれていた「雑種」という呼び名そのものが廃れてきました。有名なところではチワワとトイ・プードルのミックスであるチワプーやマルチーズ×トイ・プードルのマルプーなどですが、昨今はフレブル人気の影響か、フレンチブルドッグと他犬種のミックスをしばしば目にすることも。確かにどこかにフレンチブルドッグの要素があり可愛いのだけれど、実際のところフレブルと他犬種の交配ってどうなのでしょうか。今回は増加しているミックス犬事情に迫りたいと思います。

最近のミックス犬事情

フレンチブルドッグ,ミックス

Pixel-Shot/Shutterstock

 

例えば昭和生まれの筆者が「雑種」と聞いて想像するのは、中型くらいの大きさで日本犬っぽい風貌だけれど毛が長かったりする、何犬と何犬のハーフなのかが定かではない犬たち。

 

しかし昨今「ミックス犬」と呼ばれている子たちに中型サイズは珍しく、その大半が小型犬です。

 

これには長年の小型犬ブームが深く関係していると思うのですが、現在のミックス犬の定義は、異なる犬種の純血種同士を交配させることで誕生した犬を指すそう。

 

フレンチブルドッグとシーズーやフレンチブルドッグとペキニーズのように、それぞれが純血種であるのが特徴です。

フレンチブルドッグ,ミックス

 

フレンチブルドッグの場合はチワワやトイ・プードルたちと違ってまだまだミックスの子は少ないけれど、実際に筆者も何頭か見たことがあります。

 

父か母かにフレンチブルドッグを持つミックス犬の中には、もちろん偶然交配して生まれたケースもあるけれど、故意に他の犬種と交配させてフレンチブルドッグのミックス犬を生み出す場合もあるでしょう。

 

故意にミックス犬を生み出すことに対してどう感じるかは人それぞれですが、気になるのがフレブルミックスの健康について。

 

というのも、そもそもフレンチブルドッグはかなりデリケートな犬種ゆえに、骨の奇形やアレルギー体質といった先天的な問題が多い子たち。

 

他の犬種と交配することで健康面でのメリットやデメリットはあるのでしょうか。

 

それに、フレンチブルドッグの特徴的なルックスはどうなるのだろうという疑問もあります。

 

ルックスは千差万別

フレンチブルドッグ,ミックス

MR.SOMKIAT BOONSING/shutterstock

 

まずはフレブルミックス犬のルックスですが、これはどの犬種と交配させるか、かつどちらの犬種の特徴がより強く出るかによって全く異なるので、どんなルックスになるかは生まれてから姿かたちが定まる程度に成長するまではほぼわかりません。

 

時々ボストンテリアとフレンチブルドッグのミックスを見かけますが、この組み合わせの場合はお互いの外見が非常によく似ているため、見た目はほぼフレンチブルドッグ、というケースが多いように感じます。

フレンチブルドッグ,ミックス

audiznam260921/shutterstock

 

また、筆者がかつて見たことのあるフレブルミックス犬の場合、パグやペキニーズなど同じく鼻ぺちゃの犬同士だと顔立ちはかなりフレンチブルドッグっぽいけれど、耳の形状や毛の長さ、色味がどうなるのかがわからないため、一見するとフレンチブルドッグ要素は少なめ。

 

フレンチブルドッグの特徴である立ち耳も遺伝するかどうかはケースバイケースです。

 

つまりルックスに関しては、最初からある程度の予測がつくのは元々フレンチブルドッグに似たボストンテリア×フレンチブルドッグや、イングリッシュブルドッグ×フレンチブルドッグの場合くらい。

 

それ以外の犬種だと、「言われてみればなんとなくフレブルの要素があるね」という感じかもしれません。

フレンチブルドッグ,ミックス

bozsja/shutterstock

 

そして性格ですが、これもそれぞれの犬種の気性を受け継ぐため、いわゆる純血種のフレンチブルドッグに当てはまる性格とは異なることも。

 

性格については母犬、父犬の気性により大きく変わってくるけれど、仮に警戒心が強く臆病な小型犬とのミックスの場合、そういう性格が引き継がれる可能性はもちろんあります。

 

健康上のメリットとデメリット

フレンチブルドッグ,ミックス

Richard Chaff/Shutterstock

 

ミックス犬は病気になりにくい、という説があります。

 

これは純血種に起こりやすい遺伝的な病気にかかりにくいことが理由のひとつに挙げられ、例えばマズルの長い犬種とフレンチブルドッグを交配すれば、鼻ぺちゃの顔の構造が変わるので呼吸器系の病気にはなりにくい可能性があるでしょう。

 

簡単に言えば、フレンチブルドッグが持つ遺伝的疾患の要素がミックス犬の場合だと半分になるということ。

 

これだけを聞くと「それなら健康上は良いじゃないの」と思うかもしれませんが、純血種であればそれぞれが必ず持っている「なりやすい病気」をカバーしあえる可能性がある一方で、お互いの弱い部分を両方とも受け継ぐ可能性ももちろんあります。

フレンチブルドッグ,ミックス

bozsja/shutterstock

 

フレンチブルドッグに多い遺伝的疾患と、交配した犬種に多い遺伝的疾患の両方を持って生まれる。

 

この場合だと「病気になりにくい」とは当然言えませんよね。

 

ちなみにミックス犬の中でもすっかり定着しているチワワとトイ・プードルの場合だと、どちらも比較的長寿の犬種なので長生きする子が多いとされています。

 

健康上の問題については、ミックス犬=長生きで病気にかかりにくいわけではなく、どう遺伝するかで病気のリスクは大きく変わってくることを覚えておいてくださいね。

 

おわりに

フレンチブルドッグ,ミックス

Oyls/shutterstock

 

世間ではミックス犬=丈夫、というイメージが根強くありますが、これはあくまでも寿命が長い犬種同士の交配、かつ遺伝的疾患のリスクをうまくカバーし合えた場合なのかもしれません。

 

ミックス犬は多くの面で不確定要素が多いので、安易にブヒとのミックス犬を求めるのはどうでしょうか。

 

今はミックス犬が人気なこともあり、なんとなくのイメージで病気をしにくそうだと迎える人もいるかもしれませんが、純血種であれミックスであれ、事前にしっかり情報を得てから迎えてくださいね。

 

 

こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。

犬の「多様性の時代」がやってきた。理解を深めよう。

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