【取材】若見え自慢の16才!長寿の秘訣は「基本の3本柱」 #73獅子まる
10才を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。今回ご紹介するのは、神戸では有名なレジェンドブヒの獅子まる。取材日だった4月20日にめでたく16才の誕生日を迎えた獅子まるは、「本当に16才?」と思うほどしっかりとしたご長寿さん。その健康を支える秘密を、オーナーであるリョウさんに伺いました。
獅子まるくんのプロフィール
年齢&性別
16才の男の子(2008年4月20日生まれ)
体重
11kg(若い頃は13kg)腰の負担を軽くするために絞った
大好きなこと
昔は散歩命、でも今は嫌いな様子
既往歴
7〜8年前に左目を自分で掻いて網膜に傷ができたため、左目にシリコン球を入れる手術を経験
相棒ブヒと共に歩いたレジェンド道
オーナーのリョウさんと神戸で暮らす獅子まるは、今まで大病することもなく、受けた手術は去勢手術と傷ついた左目にシリコンボール義眼を挿入した時の2回だけ。
内臓や皮膚も問題なく、今も朝と夜に30分程度のお散歩をこなす食欲旺盛な男の子だ。
そんな健康長寿を体現する獅子まるには長年連れ添った相棒の福ちゃんがいて、福ちゃんは昨年の12月に14才というレジェンド年齢まで命を謳歌し、虹の橋を渡ったのだ。
「元々はイングリッシュブルドッグに憧れていましたが、マンション住まいなのもあり、サイズ的に飼いやすいフレブルを迎えようと探したのが16年前。
名古屋のブリーダーさんの元まで獅子まるを迎えに行き、その2年くらい後に女の子の福ちゃんを迎えました。
人も犬も好きな福ちゃんとは対照的に、獅子まるは少し怖がりで優しい性格。そのため家の中では福ちゃんのカカア天下という感じでしたね。
福ちゃんも14才まで生きてくれたので、近所では長寿のフレブルコンビで有名だったんですよ。
ただ、福ちゃんを見送った獅子まるは10日間くらいすごく落ち込んで食欲も失せ、このまま獅子まるまで逝ってしまうのではと心配しました。
そこで獅子まるの母代わりだった娘に来てもらうなどし、徐々に元気を取り戻してようやく普段通りに戻ったんです」(リョウさん=以下「」内同)。
丸14年を一緒に歩んだ福ちゃんとの別れに大きなショックを受けたものの、家族のサポートで再び元気を取り戻した獅子まる。
しかし2頭ともレジェンド年齢というのは羨ましい限り。きっとそこには何らかの工夫があるに違いない。
「人間と同じで、体に良いものを食べて適度に運動し、ケアを怠らないこと。この3点です。
獅子まるを迎えた当初はフレブルの情報が少なく健康面で難しい犬種だと聞いていましたが、人間同様にこの3点を怠らなければ大丈夫なはず。そう思いずっとそれを実践しています。
獅子まるはがっちり体型で若い頃は今より1.5kgほど重かったけれど、年齢を考え足腰の負担を減らすために減量しました。
あと散歩後は必ずタオルで全身を拭くのも長年の習慣で、皮膚トラブルがなく毛艶が良いのはそのお陰。姪っ子がトリマーなのでシャンプーは毎回お任せしています」
プロと二人三脚で良いものを選ぶ
トリマーの姪っ子さんのおすすめで水素水でのシャンプーをしてもらったり、フードやサプリはパピー期からお世話になっている獣医師さんと相談しながら選ぶそう。
こうして動物のプロのアドバイスを聞くことも、リョウさんが大事にしていることのひとつ。
「獅子まるは鶏肉のアレルギーなので鶏は避け、5年前から関節サポートのためにアンチノールを飲んでいます。
ご飯は朝と夜の2回、以前はアーガイルディッシュというフードを、現在は腎臓の機能をカバーするダイエティクスのフードに焼いたお芋などをトッピングするのが定番。
フードなど直接体に影響するものに対しては妥協せずに取り入れるようにしているのと、今でこそお散歩を面倒くさがるようになりましたが以前は相当長いコースを散歩していました」
山にも海にも近い神戸は、絶好のお散歩コースが多数ある場所。以前の獅子まるは時には2時間もの散歩に日に2回出かけ、現在も嫌々ながら朝晩必ず30分は歩くのが日課。
こうして若い頃に培った筋肉があるからこそ、16才の今も自らの足で歩けるのだ。
「15才になった時にガクッと足腰の衰えを感じました。年齢の影響って突然くるんですよね。
それ以来特に体重管理に気を使うようになり、食事の量は年齢はもちろんですが、その日の運動量によって調節しています。
よく歩いた日は多めに、あまり運動しなかった日は少なめにと調節し、散歩もなるべく飽きないよう複数のコースを使い分けています。
朝の散歩では神社で今日もたのんます、と一緒にお参りするのがルーティーン。
獅子まるは福ちゃんと一緒に“TOR is my ROAD”という神戸トアロードのプロモーションビデオに出演経験があり、そのビデオが今でも新神戸駅や市役所などで流れているので声をかけてもらうことも多いんですよ」
定期検診と温度管理は欠かさない
ここまで病気らしい病気とは無縁だったが、リョウさんはひとつだけ悔いていることがある。それは約8年前に義眼となった、獅子まるの左目のこと。
「自分で引っ掻いてしまった傷がたまたま深く、網膜に達していました。結果失明した左目にシリコン球を入れたのですが、このことは獅子まるに申し訳なかったと今も思います。
フレブルに限らず、顔周りを引っ掻く癖のある子は気をつけてあげてほしいですね。
ただ、幸い左目以外は健康そのもので、フレブルの中ではややマズルが長めなせいかあまりガハガハすることもありません。
とはいえ一年を通して温度管理には気をつけていて、室内を適温に保つだけでなく、サーキュレーターを用いて冷えすぎや暖めすぎにならないよう気流も管理しています。
散歩も夏場は早朝、なるべく芝生の上を歩くようにしていますね。
あと、フィラリア検査などのタイミングで内蔵を含め年に1度は健康診断をしてもらっています。
他に気をつけていることはおやつをあげすぎないことくらい。焼き芋やペースト状のおやつ、無塩のパンを少しだけにして、人間の食べ物は極力避け、糖尿病予防にも務めています」
フレブルの健康のための知識の多くは、獣医師からの助言だけでなく本やネットなどで調べて得たもの。
16年前はフレブルが今ほどメジャーでなかった分、リョウさんが正しい知識を身に付けたことが獅子まるの長寿に繋がっているのは間違いない。
これからの夢は、男ふたり旅
13年前に奥様が先立ち、お嬢さんも結婚したためリョウさんと獅子まるは現在ふたり暮らし。
とはいえ獅子まるの誕生日には家族が集まり、特注したケーキを囲んでお祝いをする。
こうして賑やかに過ごす時間は獅子まるにとっても楽しいようで、特にお嬢さんが帰ってくると大喜びするんだとか。
「しつけを担当した娘は獅子まるの母代わり。なので帰宅すると目が輝くのがわかります。
私もそろそろ定年だから、今の夢は獅子まると一緒に車で旅行すること。九州あたりがいいですね。
キャンピングカーに乗っているのですが、実はこれも獅子まるのため。周囲に気遣うことなく旅行ができるようにと車を選んだんです。
今も仕事で遠出するときは一緒に連れて行って、出先でロケーションの良い場所を散歩します。
最近いつもの散歩では歩きたがらないけど、違う場所だと好奇心が刺激されるのか結構歩いてくれるんです。まだまだ獅子まると楽しみますよ」
取材の間、リョウさんの膝の上で大人しく話を聞いている獅子まる。
その姿はどう見ても16才とは思えないほど若々しく、体つきもがっしりとして矍鑠(かくしゃく)という言葉がそのまま当てはまる。
きっとまだまだこれからも、たくさんの思い出をリョウさんと共に作っていくに違いない。
取材・文/横田愛子
★【取材させて!】10歳以上の「レジェンドブヒ」を大募集!
フレンチブルドッグライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドブヒを探しております。
10歳を超えたブヒたちは、エピソードを添えて、アンケートからご応募ください。
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