2025年8月9日442 View

【8月の知恵袋】特に真夏は要注意!フレブルの睡眠時無呼吸って?

 “今月、愛ブヒに何をすべきか・何に気をつけるのか”がわかるトピックスを毎月ピックアップし、毎月読むことで1年後にはその月に応じた「フレブルとの暮らしに必須の知識」が自然と身に付く知恵袋。そんなイメージでスタートしたのがこの企画です。新たにフレンチブルドッグと暮らし始めた新米ブヒオーナーさんはもちろん、フレブルと長く暮らしているフレブルマスターの人にも再確認のつもりで読んでほしい、そんな「今、役立つ知識」をぎゅっと詰め込んでお届けします。

8月テーマ:エアコンや運動不足も一因。夏場は呼吸の仕方を注視

フレブルのことを愛を込めてブヒと呼んだりしますが、これはちょっとブタさんに似ている見た目はもちろん、ブゥブゥという特徴的ないびきや息遣いがその呼び名の由来のひとつでもあるんです。

 

愛ブヒが大きないびきをかきながら幸せそうに眠る姿には思わず目尻を下げてしまうけれど、実はいびきって微笑ましいことではないんですよ。

 

短頭種であるフレブルは大半の子がいびきをかくため、いびきは当たり前だと思いがちだけれど、これは顔の構造上、鼻腔や気道が狭いために空気が通りにくいことで起きるもの。

 

そして場合によっては、人間でもよく聞く睡眠時の無呼吸につながることもあり、それは特に夏に悪化しやすいんです。

 

呼吸トラブルはなぜ夏に悪化しやすいのか

 

ブリンドルのフレブル

まず睡眠時無呼吸症候群について簡単に説明しますね。

 

睡眠時無呼吸症候群とは寝ている間に呼吸が何度も止まる病気で、短頭種に多い短頭種気道症候群のひとつです。

 

フレブルはもともと構造的に気道が狭いため呼吸に負担がかかりやすく、睡眠時に一時的に無呼吸になる症状を抱えている子は決して少なくありません。

 

無呼吸が続くと睡眠の質が低下し、酸素不足や慢性的な疲労、心臓への負担につながるリスクがあります。

 

フレブルがいびきをかくのは夏に限ったことではありませんが、夏に睡眠中の無呼吸が増えるのはなぜでしょう。

 

それはまず、気温と湿度の上昇。暑さで体温が上がると気道が腫れやすくなり呼吸がしづらくなるほか、湿度が高いと空気中の酸素を取り込みにくくなるので呼吸の負担が増すのです。

 

そして夏といえばフレブルのためにエアコンフル稼働ですが、エアコンの風が直接当たったり空気が乾燥することで喉の粘膜が傷つくと、これまた気道が狭まり無呼吸のリスクが上昇。

 

そして夏の間は暑さで散歩や運動の機会が減るためにどうしても体重が増加しがちですが、肥満も呼吸を妨げる大きな要因です。

 

つまり、暑さとそれによって起きるさまざまなことが複合的に絡み合い、夏に無呼吸症候群になりやすくなるんです。

 

無呼吸症候群のサインを知る

EL_Images/shutterstock

愛ブヒが無呼吸症候群かどうかを知るには、彼らが眠る様子をじっくり観察するのが一番の方法です。

 

チェックポイントがいくつかあるので箇条書きにまとめると、

 

・寝ている途中で呼吸が止まり、急に大きく息をする

・いびきの音が異常に大きい

・寝る姿勢を変えてもいびきがおさまらない

・眠りが浅く寝返りや目覚めることが多い

・夜間にはぁはぁと激しくパンティングをする

・日中も元気がなく眠たそうにしていることが多い

 

上記のような症状が無呼吸を疑うサインですが、例えば年齢を重ねることで喉や気道の筋肉がたるむことが原因でいびきが大きくなるほか、アレルギーのあるフレブルの場合、鼻腔や気道に炎症が起きていると空気の通りが悪くなり、いびきが発生しやすくなります。

 

鼻ぺちゃだからある程度のいびきはあるものだけれど、これらのサインに該当したり、日頃から呼吸の仕方などに違和感を感じたらまずは受診をして、しっかり呼吸ができているのかを診断してもらってくださいね。

 

無呼吸症候群は対策できる?

Pixel-Shot/shutterstock

睡眠時無呼吸症候群は短頭種気道症候群と深い関わりがあるため、たとえば外鼻腔狭窄(鼻の穴が狭い)、軟口蓋過長(軟口蓋と呼ばれる顎の奥にある柔らかな部分が長い)などが認められる場合は適切な治療を受け、それらの要因を解決することが大切なのですが、短頭種気道症候群ではない場合、自宅で今日からでもできる対策があります。

 

まずは室温と湿度の調整。フレブルの理想的な睡眠環境は室温24〜26度、湿度50〜60%が目安です。

 

エアコンだけでなくサーキュレーターを併用して空気にムラを作らないようにし、エアコンの風が愛ブヒに直接当たらないよう風向きに配慮するほか、寝床の位置を見直してみましょう。

 

次に、ベッドの見直し。高反発タイプのベッドや首元が少し高くなる枕付きのベッド、クッションを使うなどすれば気道が確保され呼吸が楽になります。

 

そしてやはり、体重管理。体重が増えると喉や首の周りに脂肪がつきやすくなり、気道が狭まるためいびきが発生しやすくなります。

 

過度な体重増加は呼吸以外にもヘルニアやパテラの原因にもなるので、特に運動量が減る夏の間はいつもよりしっかり体重を管理してあげてくださいね。

 

さいごに

Valdis-Muiznieks/shutterstock

フレブルにとっても睡眠は健康を維持する上で欠かせないものだけに、睡眠時無呼吸症候群によって浅い眠りしか取れないと疲労が蓄積し、健康を害してしまいます。

 

もちろん症状の重さによってはチアノーゼなどを起こしたりと命の危険性もあるため、睡眠時の様子に違和感を感じたり、普段よりいびきが大きいなどの症状があれば、一度獣医さんに相談し、呼吸器に問題がないかしっかり診てもらうことが大切です。

 

 

文/横田愛子

 

 

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