【狂ブヒと呼ばないで】フレブルが愛される資格は、みんな平等なのです。
人間でも育てやすい子とそうでない子がいるように、フレブルだって色んな性格のコがいます。
おっとりさんや甘えん坊、中には自分のテリトリーや大好きなオーナーを守ろうとスイッチが入るとガルガルしちゃうコもいて、そんな気性が激しめのコたちは時に「狂犬」なんて言葉で表現されてしまうことも。
ちなみに辞書で「狂犬」を調べると、狂犬病にかかった犬、または狂犬病に関係なく誰彼構わず咬み付いたりする犬のこととありますが、彼らが攻撃的になるのは何らかの理由があって、ワンコの側からすると自分自身や何かを必死で守るために攻撃的になってしまっているのかも。
でも飼い主からすると、そういうワンコは時に「育てにくいからもう無理」という理由で家族の一員から除外されてしまう。
そしてそういう理由で手放されたコたちは「飼いにくい犬」の烙印を押されたことで里親が見つかりにくく、運よく見つかった場合でもまた里親に出されてしまう。
そんな負の連鎖を断ち切るにはどうすれば良いのでしょう。
「攻撃的」は手放す理由になるのか問題

SasaStock/shutterstock
実はこの記事を書くきっかけとなったのが、Instagramで見たひとつの投稿でした。
アップされている画像にはとびきり可愛いフレンチブルドッグ。そして“里親募集”の文字。
投稿者は里親さんを探しているご本人ではなく代理投稿だったのですが、多くのフレブルラバーがその記事に目を留めたのか何件もの問い合わせがあったよう。
その方はとても真摯に『どういう理由で里親を募集することになったのか』の理由を説明し、攻撃的な部分があるからそれを受け止めた上で、生涯そのコを愛せる人を探されていました。

panco971/shutterstock
結果的にはそのブヒにとってベストだと思える形で受け入れ家族が見つかったよう。
そのことについてはホッと胸をなでおろしたのですが、きっと同じように「攻撃的だから」という理由で手放されているフレブルがいるのではないかしらと少し不安に思ったのです。
確かにフレンチブルドッグはとてもタフで、顎が強いから咬む力も想像以上にパワフル。
それが時々ならまだ良いけれど、毎日・常時となるとさすがにお手上げ状態になることも想像できます。

Mariia Vorona/shutterstock
けれども、だからって一度受け入れた命を放り出してして良いのかな。仕方のないことなのかな。
いや、違うでしょ。そう、違うんです。もちろん様々な理由があって手放さざるを得ない状況かもしれない。
でも、異なる考え方で一般的に「狂犬」と呼ばれる相棒を愛し、受け止め、更生させている人もいるってことを忘れないで欲しいのです。
このコには私しかいない、と思える愛
今ではすっかり良い子。時々「あちゃ〜」なこともしでかしちゃうけど、それも含めて絶対的な“愛すべき存在”。

Milos Bogicevic/shutterstock
元は「攻撃的で飼いづらい」と手放されたワンコがすっかり落ち着いて、未だ頑固な一面はあれども「愛」を知る家庭犬になることは珍しくありません。
でも、そうなるために必要不可欠なことがただひとつあります。それは“飼い主からの愛“。
例えば、他のワンコを見るとギャンギャン吠える、ご飯の最中やおもちゃ遊びの途中に手を伸ばすと攻撃する、家族であろうと自分のテリトリーを侵害されれば牙を剥く。
「狂犬」と称されるワンコには、様々なタイプがあります。

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ただ、そういった「飼いづらい犬」と上手に付き合い、狂犬から良き家庭犬に導く飼い主さんに共通していることは、「このコには私しかいない」という強い愛。
「だって、もし縁あって出会った自分が放り出せばこのコに二度と家族は見つからないかもしれないもの」という責任感。
つまるところ、何があろうと、大変なことも含めそのコを生涯愛するという誓い。
これは並大抵の努力ではできないし、それなりの覚悟も必要です。
そして、怒ったり泣いたり悩んだりしながら犬と向き合い、向き合い続けること。

woottigon/shutterstock
こういった飼い主の隠れた奮闘あってこそ、そのコは生きていられるのです。
もちろんこれは簡単なことではなく、一見ハッピーなブヒライフを過ごしているかのように見えても、その裏側にはたくさんの努力や覚悟があるでしょう。
だからどうか、もし今相棒の攻撃的な一面に悩んでいる人も諦めないで欲しいのです。
多くの経験を積みたくさんの愛を知って人が変わるように、犬も変わるのです。

Teerawut Bunsom/shutterstock
それがいわゆる理想的な相棒との暮らしじゃなくても、現状を理想に近づける努力をやめないこと。
それが命を預かるってことではないでしょうか。
周囲の人にできること
「あの犬怖いのよね」「すれ違うたび吠えるのよ」「しつけしてないのかしら」などなど。
攻撃的なワンコを持つオーナーは、いつもこんな心ない言葉にさらされています。

Zanna Lecko/shutterstock
もちろん、中には本当にしつけをしていない飼い主もいれば、犬=番犬という観念があるせいか攻撃的であることをヨシとする飼い主もいるでしょう。
ただ、飼い主の多くはそういった言葉に傷つき、相棒をどうにか穏やかになるようしつけを頑張っています。
そのコとの生活をより良く改善するために、心と体を削っている事実を忘れないでいて欲しいのです。

Lined Photo/shutterstock
そんなワンコのオーナーの多くは、人の少ない時間帯や場所を選んで散歩し、他の犬を見かけたらさっと進路を変更し「迷惑にならないように」とできるだけ犬同士が顔を合わせない努力をされています。
この努力は攻撃的でないワンコを飼う者には伝わりづらいかもしれません。
とりわけ犬も飼い主もフレンドリーなタイプが多いフレブル&オーナーにとっては、通りを歩く子豚ちゃんのようなシルエットを見たらつい駆け寄りたくなってしまうでしょう。

Patryk Kosmider/shutterstock
そのかわいこちゃんと挨拶したかったり、ブヒオーナー同士、親交を深めたくなることもあるはず。
ただ、もしそのブヒが人や犬を避けている様子であれば決して邪魔をしないこと。
そのコは現在良い家庭犬になるための訓練中なのかもしれません。

Teerawut Bunsom/shutterstock
また、まだあまり浸透はしていませんが、時々黄色いリボンをつけたワンコを見かけることがあります。
この黄色いリボンは「イエロードッグプロジェクト」というもの。
病気や怪我、過去のトラウマなといった何らかの理由があり、「側に寄らずそっとしておいて欲しい」という意思を周囲に伝えるものです。
もし黄色いリボンをつけているワンコを見かけたら遠くからそっと見守り、今まさに相棒を訓練中ということであれば、黄色いリボンを付けることもオススメです。
決して「向き合うこと」をやめないで

Constantine Belanov/shutterstock
自分を撫でてくれると思った手に痛いことをされた、過去に酷い目にあったことがある、本当に心から信じて良いのかわからない。
攻撃的な一面を持つワンコの多くは、過去に何らかのトラウマを体験しています。
そんなトラウマから動物を救うのが人間である反面、トラウマを与えるのもまた人間。
すべてのワンコは愛されるためにこの世に生まれ出たはずなのに、悲しいかな愛を知らないまま虹の橋に向かうコも少なくありません。

Tienuskin/shutterstock
確かに攻撃性のあるワンコと暮らすのはとても大変。でも、アナタならそれを変えることができるかもしれない。
変えられると信じて、今日も向き合うことをやめない。
それってラクではないけれど、犬を飼う(=命を預かる)という判断をした以上、私たちに課せられる責任でもあるのです。

MR.SOMKIAT BOONSING/shutterstock
どうか多くのワンコが愛される存在のまま生涯を過ごせますように。
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