フレブルたちからあなたへ。〜虹の橋から届いた、幸せのクリスマスギフト〜
フレブルたちはこの世での一生を終えると虹の橋へと旅立つけれど、クリスマスシーズンを迎えるこの時期は下界の方がなんだかいつもよりキラキラしていることに気づいています。「イルミネーションかなあ?」「ぼくんちのツリーの灯りだよ」「ワタシんちのケーキ、今年はなんだろう~」なんて、いつだって晴天続きの空の上でブヒ友同士が仲良くおしゃべりしているかもしれません。虹の橋を渡ったコたちは“お空組”と呼ばれるけれど、間も無く年に一度のクリスマス。それは特別な1日だから、ブヒたちからメッセージという名のギフトを預かってきました。
ありがとう、いつだって。
ボクやワタシが大・大・大好きなパパやママの元からお空へと旅立ってどのくらい経ったでしょうか。
もう涙はすっかり乾いて、その代わりに思い出し笑いや笑顔が増えているといいなといつも思っています。
でもね、ちゃんと知っているんだよ。
ボクやワタシの思い出を集めた祭壇に、いつだって綺麗なお花や大好きだったオヤツをたくさんお供えしてくれていることを。
ママがお庭で綺麗に咲かせた薔薇やうっとりする香りのフリージア。
その香りをスンスンしながらも、やっぱりボクらはその横に供えてくれているウマウマの匂いにつられちゃうんだよねえ。
ママたちはもう一度会いたい、抱きしめたい、匂いを嗅ぎたいなんて言うけれど。
例えばふっとカーテンが揺らめいたり、そっと風を感じたり、窓から朝日が入り込んでお部屋を照らしたその隙間に、いつだってボクもワタシも居るのです。
ただ、目には見えないだけで。
パパやママは、何かの瞬間にボクやワタシの足音が聞こえる気がすることはありませんか?
足元に実態のない温もりを感じたり、ブーブーといういびきを聞いた気持ちになることは?
えへん。それらは全部、ボクやワタシの仕業です。
パパやママから愛されることを教わったワンコは、いつだっておうちに帰れるパスポートを持っているんだ。
もう一度言うけれど、ただ人間の目には見えないだけなんだよ。
だからもしまだ悲しんでいるなら、泣かなくてもいい。悲しむ必要なんてない。
ボクらフレブルと一緒に過ごした思い出の全部は、結局笑顔で終わるのだから。
知っていたんだ、パパやママと生きること。
犬は人間にとって最高のパートナーになる動物って言うよね。
虹の橋世界にはたくさんの動物がいるから、人間に大切に飼われていたコたちはみんな「ネコこそ人間の最高のパートナーよ」とか、「馬ほど人の役に立ち生涯相棒となれる生き物はいない」と口々に言うけれど。
ボクはちょっと素敵な話を知っているの。
今夜はクリスマスという特別な日だから、パパやママにも聞かせてあげるね。
遥か昔、太古のお話。
アダムとイブが暮らすエデンって楽園にはたくさんの動物がいて、人間だとか動物なんて区別なくみんな一緒に暮らしていたんだって。
でもアダムとイブがリンゴをかじったその時に、彼らに羞恥心や猜疑心という感情が芽生え、動物と人間の区別ができたんだ。
人間と動物を分けるために楽園はふたつに裂け、ボクら動物と人間の間に大きな谷を作ったんだけど、まだその亀裂が広がりきらないうちに、1頭の犬が助走をつけてアダムとイブのいる島にジャンプしたんだ。
そう、ボクらワンコの祖先は人と生きることを選んだの。
だから遥か昔から、ボクらは人間のパートナーとして一番身近な動物だって言われているんだ。
だからね、ボクもワタシも生まれる前から知っていたの。
絶対に素敵なパパやママに選ばれることを。
“フレンチブルドッグ”っていうちょっとお茶目が過ぎる犬種に生まれついたボクもワタシも、太古から続くDNAにしっかりと刻まれているの。
あなたという伴侶と出会い愛されることが。
このお話はただの神話なのかもしれないし、神話を勝手に解釈した都合の良い物語なのかもしれないけれど、少なくとも、ボクらはパパやママの最高のパートナーだったでしょ。
これだけは誰にも否定させないからね。
また、前を向く。
お空に旅立ってから長い時間が経ったコも、最近お空組になったコも、ボクらはいつも虹のたもとでパパやママのことをしっかりと見守っています。
いや、むしろ見張っています。あまりに悲しみ過ぎてはいないかと。
「どうしよう、うちのママまだ泣いているよう」とべそをかく新人ブヒには先輩ブヒが優しく大丈夫だよと慰め、人はいつか前を向けるということを教えるのです。
そう、ボクらフレブルがいつだってどんな時もただ前しか見ていないように。
一生の時間が人と比べて短いボクらには、後ろを振り返っている時間なんてありません。
それよりこの先にある美味しいことや楽しいことを探すのに精一杯で、振り向くことなくただただ前へ進むのです。
だけどそれができるのは、グイグイ引っ張るボクらのリードをしっかり握ってくれているパパやママがいることを知っているから。
ボクらフレブルは前を向かせる天才なんです。だから大丈夫。
長い旅に出るボクらを見送ってくれたことこそが、目に見えているうちのボクやワタシにパパやママがしてくれる最高のギフトだから。
もう一度言います。ありがとう、大好き。
まだまだ先であることを願うけれど、ボクらはパパやママがいつか虹の橋にやってくることを知っています。
もしそれまで待てなくても、パパやママが会いたいと願った時は必ずそばに居ます。目には見えないだけでね。
虹の橋では、ボクもワタシもと大勢のブヒが自分の大切なパパやママにメッセージを送ろうと列をなしています。
この光景を見てサンタクロースは言いました。
「みんなが一番伝えたいメッセージは何かな? その言葉をプレゼントにしよう。」
すると、ブヒたちは声を揃えて言いました。
「大好きだよ。いつだって見えなくたってそばにいるし、笑顔のパパやママが大好きなんだ!」と。
Merry Christmas.
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