フレブルだって歯が命!ミドルシニア期に見直すべきマウスケア [特集:ミドルシニアLIFE]
フレンチブルドッグの魅力は多々あるけれど、ブヒマニアにとってたまらないパーツのひとつが「歯」。一見するとコワモテなお顔のブヒちゃんだって、そのお口をパカリと開くとそこに並んでいるのは米粒のような小さな歯たち。しかもちょっとガタガタで、なんだかお行儀の悪い米粒たちが好き勝手並んでいるかのような印象さえ受けますよね。フレブルラバーの間ではそんな彼らの歯を指して「米っ歯」なんて呼ぶけれど、実は米っ歯は鼻ぺちゃ族の特徴で、チャームポイントでありながらもケアを怠ると歯周病の温床に…。ブヒたちも人間同様に年齢とともに歯にまつわるトラブルが増加するけれど、自分の歯で噛んでしっかり食事を楽しむのは長生きの秘訣でもあります。特にミドルシニア期を迎えたブヒたちは今までのオーラルケアの蓄積が歯に現れくる世代。だからこそ、今まで少し歯のケアをサボっていたコも、入念にケアしていますよというコも、フレブルのオーラルケアについて見直してみませんか?
フレブルの歯の特徴を知るべし
通常犬の永久歯の数は42本。
ただしフレブルやパグといった短頭種の中には、短い顎の中に歯が収まりきらず欠歯(歯がない部分)になってしまい本数が少ないコがいます。
また、歯が2列になった状態で生える、横向きになって生えるなど、歯並びが悪い状態のコも大多数。
おまけにアンダーショットと呼ばれる噛み合わせのコが多く、これは口を閉じた時に下の門歯が上の門歯よりも前に出てしまう状態のこと。
アンダーショットはブルドッグ系統の血を引く犬の特徴でもあり、それがチャームポイントでもあるのだけれど、場合によっては食事中に自分の歯で口蓋を傷つけてしまうことも。
アンダーショットは日常生活(食事など)に支障がなければ特に問題はないけれど、どんな噛み合わせでも、歯並びが良くても悪くても、絶対に欠かせないのは歯磨き。
実は犬たちは人間と比較し、“虫歯になりにくく歯周病になりやすい“傾向にあり、その理由は口内環境にあります。
人間の口内が弱酸性であるのに対し、犬の口内はアルカリ性。
アルカリ性の口内では虫歯菌が繁殖しにくいため虫歯にはなりにくいことは良いこと。
しかし一方で、歯垢が石灰化して歯石になりやすく、それが歯周病を引き起こす大きな原因になっているのです。
実は犬種を問わず、ほとんどの成犬が程度の差はあれど歯周病かかっていると言われています。
しかしその歯周病を放っておくと、最終的には歯が抜けてしまったり、下顎を骨折したりすることも。
さらには歯周病によって炎症を起こしている部位の粘膜から血液に細菌が侵入し、腎臓や心臓病などの引き金となることもあります。
歯周病は進行性の病気なので、できるだけ早い段階でケアや治療を行うことがとても重要なのです。
*歯周病とは歯垢の中にいる細菌によって歯肉が炎症を起こす進行性の病気
とりわけ歯周病になりやすいボクら
さて、歯周病の怖さが分かったところで、フレンチブルドッグと歯周病の関係を見てみましょう。
我らがフレブルは犬の中でも病気にかかりやすい犬種として知られていますが、そのかかりやすい病気の中に入っているのが「歯周病」なのです。
それはやっぱり重なって生えたり横を向いて生えている歯が多いためで、歯並びの良いコに比べ、ブラッシングで磨き残しが出やすいのが理由。
キチッと整列している歯だと隙間も少なく磨き残しが出にくいけれど、米っ歯な彼らの歯間は隙間だらけ。
その隙間に歯垢がついて歯石化することで歯周病が進行し、気づいた時にはかなり重度化していることも珍しくありません。
だからこそ毎日の日課にしたいのがオーラルケアなのですが、毎日やっているよという方も気をつけて欲しいのが、必ずブラシを使うということ。
最近は歯磨きシートのバリエーションが増えていてこれらは手軽で便利ですが、人間の指を使って磨くために気になる隙間までは届きません。
もちろんしないよりは絶対的に良いのは間違いないけれど、歯磨きシートはオーラルケアが前後編に分かれているとするならばその前編部分。
前編で全体的な汚れを落とし、歯ブラシで念入りに細かな部分の歯垢を落とす後編へと進むのがセオリーなのです。
そのため、しっかりオーラルケアを完了するには細かな部分まで磨けるブラッシングが必須。
逆に今まで歯磨きをしたことがないブヒの場合は、まず口の中を触らせることに慣れさせるため、最初はシートで歯をこすることから始めましょう。
そして歯を触られることに慣れてきたら、ここで歯ブラシへとステップアップする方法がオススメ。
その時、歯ブラシを口の中に入れさせてくれないようであれば、最初は歯ブラシに好物のオヤツなどをつけて舐めさせてみることからチャレンジしてみて。
細かな磨き方や歯磨きのコツはこちらの記事を参考にしてね。
顎が強いゆえに…オモチャに注意
歯磨きは完璧、お口のニオイなんてボクやワタシには関係ないわ~という歯磨きスペシャリストのフレブルもたくさんおられると思います。
が、お口のトラブルは歯周病以外にもあり、それは噛む力が強いフレブルにも多いという「歯の破折(はせつ)」。
破折とは歯が割れることで、実は犬や猫の歯はハサミのような構造をしているため、力を入れて噛むと歯が曲がって部分的に割れることがあるのです。
(ハサミも大きなものを挟んで力を加えると刃が曲がるのと同じ要領です)
実際に歯が割れてしまったフレブルの多くはオモチャで遊んでいた時に破折していて、オモチャの中でも硬さに定評のあるボーン系オモチャやヒヅメ、ヒマラヤチーズで遊ばせる時には注意が必要。
ただ、これらはフレブルが好んで遊ぶオモチャでもあり、彼らの強力な顎の力を持ってしてもなかなか壊れないのでオーナーとしてはつい与えたくなりますね。
しかし、与える時間を短めに制限する、夢中になって噛みすぎないか遊ばせている間は見守るなど、遊ばせ方に工夫を。
また、オモチャで遊びながら歯磨きができると謳う商品も多数ありますが、犬が物を噛む時に使うのは上顎第4前臼歯と下顎第1後臼歯。
そのため噛む時に使用する歯以外の歯の汚れはそのまま残るので、残念ながらオモチャでは歯磨きできません。
歯周病や破折を起こすと動物病院のお世話になるけれど、動物の場合は歯石を除去したり歯を抜くためには麻酔が必要。
大切な愛ブヒに余計な負担をかけないためにも、日頃のケアと注意で健康な歯をキープしてあげることが大切です。
「おばあちゃん、お口くさ~い」というパワーワードで全国のシニアを震撼させた人間用デンタルケアのCMを覚えている方もおられるでしょうが、もし愛ブヒの口がクサイかもと感じたら、今しているオーラルケアを見直す時。
ミドルシニア期のブヒたちがこれからシニア期に入っても大好きなご飯をモグモグできるように、歯の健康を管理するのはオーナーの重要なお役目です。
食事によって身体は作られるけれど、まず食事を楽しむには歯が必要だし、歯周病から引き起こされる様々な病気は命取りになるものだって含まれる。
それにフレブルやパグなどは口の中の粘膜や舌が分厚いため、マズルのある犬よりも歯の状態確認やオーラルケアがし辛いと言われています。
オーナーを誰よりも信頼している愛ブヒにとっては、オーナーが最高の歯医者さん。
安心して口の中を見せられる相手だからこそ、念入りにケアができるのです。
文/横田愛子
おすすめ記事
-
【取材】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】上沼恵美子さん「もう一回だけ抱きしめたい」愛犬ベベとの12年間
運命の子はぼくらのもとにやってきて、流れ星のように去ってしまった。
その悲しみを語ることはなかなかむずかしい。
けれども、ぼくらはそのことについて考えたいし、泣き出しそうな飼い主さんを目の前にして、ほんのすこしでも寄り添いたいと思う。
その悲しみをいますぐ解消することはできないが、話をきいて、泣いたり笑ったりするのもいいだろう。
こんな子だった、こんなにいい子だった、ほんとうに愛していたと。
ぼくらは上沼恵美子さんのご自宅へ伺って、お話をきこうと思った。
取材 -
【販売開始!】フレブルオーバーオール「UNIVERSAL OVERALL × W-OKI KENTA × フレブルライフ」
アパレルブランド「UNIVERSAL OVERALL(ユニバーサルオーバーオール)」と、沖縄在住のフレブルオーナーで人気タトゥーアーティスト「W-OKI TATTOOのKENTA」。そしてフレブルライフのトリプルコラボで完成した、フレブルオーバーオール。
ストア情報
フロントプリント、バックプリントの2展開で、それぞれフレンチブルドッグのイラストも違います!
イベント「フレブルLIVE」で先行販売しましたが、ついにフレブルライフストアで販売スタートです! -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【取材】脳腫瘍治療のスペシャリスト・長谷川大輔教授が進める脳腫瘍の最新治療とは
フレンチブルドッグは脳腫瘍になりやすい犬種だといわれています。事実として、てんかん発作の症状が出てMRI検査を受けたフレンチブルドッグのうち、「約70%が脳腫瘍」と診断されたというデータも。犬の脳腫瘍は残念ながらあまり良い予後は期待できず、根本的治療も身体に負担がかかることから、私たちオーナーは希望を失いがちになります。
そんな脳腫瘍治療に、新たな風が吹こうとしているのです! このプロジェクトの先陣を切る、日本獣医生命科学大学・長谷川大輔教授にお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】川口春奈とアムのやさしい世界。ー大人気女優は生粋のフレブルラバー
いまをときめく人気女優が、フレンチブルドッグラバーであるという事実。
そうです、その人は川口春奈さん。
アムちゃんというパイドの女の子と暮らしています。
話を聞けば聞くほど、そして春奈さんとアムちゃんのやりとりを目の当たりにするほどに、そのフレンチブルドッグ愛がわたしたちのそれとまったく同じであることに、なんだかうれしくなってしまったのでした。
春奈さんとアムちゃんのすてきな暮らしを、BUHI編集長の小西がいつくしみながら、切り取らせていただきます。
-
【イベントレポ】のべ6,500人・4,500頭のフレンチブルドッグが集結!「フレブルLIVE2023」の全貌大公開!
第二回『French Bulldog LIVE 2023(フレブルLIVE)』が、無事閉幕しました!
今年は思い切っての2daysチャレンジ。当日までどうなるかドキドキでしたが…なんと、のべ「6,500人・4,500頭のフレンチブルドッグ」が集結。
開催地の山中湖はもちろんのこと、道中のサービスエリアもフレブルだらけで、他犬種のオーナーさんは「何があるんですか!?」と驚いていたとか(そりゃそうだ笑)。
さぁみなさん、いよいよ「フレブルLIVE 2023」のレポートをお届けです!
今年参加してくださった方も、来年こそと意気込んでくださっている方も、臨場感たっぷりのレポートをお楽しみください!
フレブルLIVE -
【愛ブヒのお肌に悩む方へ】THE fu-do(ザ・フード)を食べて「納得のいくお肌」になるまでの、3ステップとは!?
販売からわずか半年で20万食を突破し、満足度95%を超える「THE fu-do(ザ・フード)」。
フレンチブルドッグの中でも特にお肌に悩む子には、積極的にお召し上がりいただきたい!
そして、どうか焦らないでください。フレンチブルドッグの体質を踏まえると、納得のいくお肌になるためには、最低でも3ヶ月はかかります。
でも大丈夫。今回は、すこやかなお肌を目指すための「3ステップ」をお伝えします! 毎日のボディチェックが、ますます楽しくなりますよ。
ザ・フード -
【PUFFY出演決定!】フレブルLIVE 出演アーティスト発表【第一弾!】
今年の『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
「フレブルLIVE」の特徴は、二日間でコンテンツが異なること。
一日目は愛ブヒとオーナーさんが主役の参加型コンテンツ。そして二日目は、アーティストによる音楽フェスが中心です!
今回は、音楽フェス(二日目)の出演アーティスト発表第一弾!
なんと、オーナーにも「世代」が多いPUFFYの出演が決定しました!
フレブルLIVE -
【ロッチ出演決定!】フレブルLIVE「11/9(土)」の司会はフレブルラバーのロッチ!
『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
一日目は愛ブヒとファミリーが主役になる、参加型コンテンツ。
二日目はアーティストを呼んで、史上初の愛ブヒと楽しめる音楽フェスを開催。
2daysで大きく内容が異なるのも「フレブルLIVE」の魅力です。
そして…今年の司会は、待望の「ロッチ」が登場!
みなさん! ついにロッチのお二人が「フレブルLIVE」にやってきます!
フレブルLIVE -
【肉球の香りがするビール、誕生】イラストは千原ジュニアさん【フレブルLIVEで先行販売!】
『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
今年は例年以上に反響があり、二日間ともに駐車場付きチケットがSold outとなりました!
年々パワーアップしている「フレブルLIVE」ですが、今年はオリジナルのクラフトビールを制作。
世界初・肉球の香りがするビールで、その名も「Paw Pad Ale」。
パッケージのイラストは、なんと千原ジュニアさんが手がけてくださいました。
フレブルLIVEにて、先行販売いたします!
フレブルLIVE
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
French Bulldog LIVE⚡️2024 (フレブルLIVE)
-
7周年特別企画「プロジェクト7」
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】FBL編集部の「アバウトな幸福論」
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
【特集】短命拒否権ーフレンチブルドッグは、もっと生きる
この特集は、『短命』のレッテルを返上するための、有益なフレブル生活記録簿です。
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。