熱中症・やけどから愛ブヒを守る!「夏のお散歩」の注意点&もしものときの対処法【全フレブルオーナー必読!】
国際的なドッグトレーナーライセンスを取得している大久保羽純さんに、愛ブヒを正しく守り、導き、固い信頼関係を築くための方法を学ぶこの特集。今回は、新人オーナーさんはもちろんベテランオーナーさんにも今一度しっかり頭に入れておいてほしい、愛ブヒを危険にさらさないための“夏場のお散歩”のやり方についてお伝えします。
目次
熱中症に火傷…夏のお散歩は危険がいっぱい!
短頭種のブヒにとって、命がけとも言える夏場のお散歩。
愛するブヒを守るために、初心者ブヒオーナーさんもベテランブヒオーナーさんも、今一度しっかりと夏場のお散歩について学んでいきましょう!
まず最初に、世間に広がっているやっかいな都市伝説について触れておきます。
「犬の足の裏は熱に強い」という話を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、これはもちろん真っ赤なウソ。
犬は言葉を話せないので「足が熱いよ!」って言えないだけ。
夏場のアスファルトは、まるで熱せられた熱々の鉄板状態。
裸足で歩けばやけどをして肉球がめくれてしまうことも(傷ついた肉球は二度と再生しません!)。
やけどで肉球がじわじわ痛み、舐め壊してしまったブヒだっています。さぞ痛かったことでしょうし、なんて悲しいことでしょう。
夏場の散歩は、外に出たらまずは必ず皆さんの『手の甲』を地面につけ、“5秒キープできる温度かどうか”を確かめてください。
甲が熱くない温度の時間であれば、愛ブヒとお散歩に行きましょう。
愛ブヒの体感温度は人間の「+5℃」と考えて
ブヒたちのいる高さは地面に近く、人間よりずっと低い位置。そのため地面の照り返しや輻射熱をもろに浴びてしまいます。
このせいでブヒたちは人間の体感より5℃以上の暑さで過ごしているんです。
だから人が半袖になりたくなったならブヒたちにとっては猛暑だと思ってください。
また気温だけでなく、湿度に気を配ることも大切です。
暑くなるとブヒたちは、舌を出しハァハァして(パンティングをして)体温を下げますが、湿度が高いとどれだけハァハァしても熱が逃げず、身体に熱がこもってしまいます。
そのため、気温がそこまで高くない5月や6月でも熱中症が多発するのです。
気温がそこまで高くない日でも湿度が高ければ、くれぐれも熱中症には注意しましょう。
危険! 夏場はこんな場所には行かないで
普段は楽しいお散歩コースでも、夏場では避けるべき場所をいくつか紹介します。
・延々とアスファルト&ひなたの散歩道
・日陰のないドッグラン(涼むための逃げ場がない)
・お昼時のアスファルトや砂浜(足の火傷が多発します)
・丸一日の屋外でのドッグイベント(楽しいからとつい無理をして熱中症が増えます)
・車の中での留守番(絶対にダメ! ほんの3分でも命取りです)
要するに、人間の3才児がダメなところはブヒもダメだと考えましょう。
そうはいっても、暑い場所でわざわざ愛ブヒを苦しめたいオーナーさんなんていませんよね。
では実際の事故はどんな場所で起きていると思いますか?
多いのがドッグイベントや、他の人と遊んでいるとき。つまり“うっかり”が多いのです。
オーナーさんの注意が散漫になり、愛ブヒへのケアが不十分になってしまうような状況が想定されるなら、事前に休憩時間を決めておくなど、愛ブヒと自分を守る準備をしておきましょう。
他のワンちゃんたちが元気に過ごしているからと言って、愛ブヒも同じという保証はありません。
気道の狭いブヒたちは、呼吸で体内の熱をコントロールすることが不得意です。パピーやシニアはさらに体温調節が不得意。
だから、他の犬種の100倍気をつけてあげたいですね。
熱中症はオーナーさんの心がけ次第でいくらでも避けることのできる、数少ない事故です!
こうなったらすぐにお散歩は中断!「熱中症のサイン」とは
熱中症の初期症状は気づき辛いのが問題です。人間でも「なんだか頭がくらくらする」なんて思っていたら、すでに熱中症が重篤化している場合も。
ブヒたちも見た目ではなかなか気づけません。だから熱中症は怖いのです。
その中でも、見るべき熱中症のサインを紹介します。
・口がネバネバして乾いている。または、よだれが大量に出ている
・内股を触るといつもより熱い
・目がうつろ
・パンティング(ハァハァ)が速い、激しい(大して動いていないのに遊んだときのような激しさ)
・背中の皮膚を指で摘んで、指を離しても皮膚が伸びたまま戻らなければ脱水状態(ブヒがそばにいたら今やってみてください。すっと戻るはずです)
いかがでしょう。なかなか判断が難しいのが実際のところです。
だから毎年、熱中症の犠牲になるブヒが少なくないのです。
見るべきポイントは、いつもの愛ブヒと違うかどうか。日頃の愛ブヒの状態を知っておくことが大切です。
もしおかしいなと思ったらすぐ家に帰りましょう。少々気にし過ぎなくらいでOKです。
なぜなら、体にこもった熱を下げるまでには時間がかかるから。
「多分大丈夫…」なんてそのまま散歩をしてさらに熱を身体に溜め込むより、一旦家で冷やし、またあとで散歩に行けばいいのです。
夏場の散歩は、小分けにして楽しむことも大切です。
熱中症の対処法と夏場のお散歩バッグに入れておくべきもの
夏場のお散歩バッグには、以下のものを必ず入れておきましょう。
【熱中症を対処できる持ち物】
・ハンカチ
・水500ml以上
・うちわやハンディファン
・スマホ
・動物病院の連絡先
もし散歩中に熱中症かなと思ったら、すぐに日陰などの涼しい場所に移動します。
次にハンカチを一枚ブヒの体の上に乗せ、その上から水(常温でOK)をかけ、うちわで扇いでください。
道へ打ち水すると涼しくなるように、気化熱で体温を放出させることができます。
扇ぐと同時に動物病院に連絡をして、現在の状態を伝えながら獣医さんから指示を仰ぎましょう。
熱中症は緊急性が高く、1分1秒でも早く適切な対処をすることが大事です。
病院に直接向かうのではなくまず電話を一本入れることで、搬送中にやるべきことを教えてもらえます。また病院側でも搬送後の準備ができます。
病院が閉まっているなんて最悪なミスも防げます。
【こんな対処法は間違い!】
間違った対処として気をつけてほしいのが、氷水にブヒを浸けること。これは絶対にNGです。
血管が収縮して逆効果になることもあります(昔の本には、この間違った対処法が載っていることもあるので注意してください)。
また、意識がもうろうとしていたブヒが元気になったように見えても、大丈夫だとは思わないでください。
茹でた卵がもとに戻らないように、熱中症で受けたダメージは体に残っているかも知れません。悪化する前に必ず動物病院に行きましょう。
動物病院は大変なことになってから行くのではなく、「なんともないよ、大丈夫!」の安心をもらうために行くような気持ちで付き合ってください。
夏場のお散歩は小分けに安全に
夏場のお散歩は、愛ブヒにとっては命がけ。
とはいえお外で出会ういろいろな刺激は、日常生活を素敵に彩ってくれますよね。
短頭種の永遠のテーマでもある暑さとの付き合い方。
日々愛ブヒと相談しながら、快適にお散歩できるよう工夫していきましょう。
PERRO株式会社 代表取締役 大久保羽純
PERRO株式会社 代表取締役
SUNNY Dog Training Partner代表 大久保羽純
米国CCPDT認定CPDT-KAライセンス所持プロドッグトレーナー
日本とニュージーランドでトレーニングを学び、現在は東京で「犬と人の心をつなぐトレーニング」を広めている。「Happy Dog Training for LOVE & PEACE」をモットーに、しつけ方教室を始め、各種ドッグイベント開催、企業のコンサルティング、行政からの講演依頼、保護活動への協力、東京都動物愛護推進員など、日々犬と人の暮らしを楽しいものにする活動を行っている。
おすすめ記事
-
【取材】ロッチ中岡〜そのフレブル愛、ガチ中のガチ。隠れブヒラバーが語る、細かすぎる魅力とは〜【前編】
みなさんが愛犬家ならぬ“愛ブヒ家”として思い浮かぶ芸能人といえば、草彅剛さん、レディー・ガガさんなど、フレブルを飼っている方が多いと思います。が、ロッチ中岡さんも、じつは大のフレブルラバーだというのをご存知ですか? フレブルを飼っていないのにもかかわらず、中岡さんのインスタグラムを覗くと、たくさんのフレブルアカウントがフォローされていて、わが『FRENCH BULLDOG LIFE』モデルのnicoやトーラスも、その中の一頭。
そんな中岡さんに、フレブルの魅力を語っていただきました。そのブヒ愛っぷりは、思ってた以上! ガチ中のガチでした!?
取材 -
【取材】9歳で脳腫瘍を発症し「4年7ヶ月間」生存。フレンチブルドッグ・桃太郎の奇跡と軌跡
愛犬が「脳腫瘍」と診断されたとき、言葉にできない絶望感を味わうことと思います。筆者も脳腫瘍で愛犬が旅立ったひとり。だからこそ、どれほど厄介で困難な病気かを理解をしているつもりです。「発症から1年生存すれば素晴らしい」とされるこの病気。
ところが、フレンチブルドッグの桃太郎は9歳で脳腫瘍を発症し、なんと4年7ヶ月間も生き抜いたのです。旅立ったときの年齢は13歳と11ヶ月、レジェンド級のレジェンドでした。さらには、治療後3年間は一度も発作が起きなかったといいます。
この事実はフレンチブルドッグだけでなく、脳腫瘍と闘う多くの犬たちに勇気と希望を与えるに違いありません。桃太郎のオーナーである佐藤さんご夫婦に、治療の選択やケアについて詳しくお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】上沼恵美子さん「もう一回だけ抱きしめたい」愛犬ベベとの12年間
運命の子はぼくらのもとにやってきて、流れ星のように去ってしまった。
その悲しみを語ることはなかなかむずかしい。
けれども、ぼくらはそのことについて考えたいし、泣き出しそうな飼い主さんを目の前にして、ほんのすこしでも寄り添いたいと思う。
その悲しみをいますぐ解消することはできないが、話をきいて、泣いたり笑ったりするのもいいだろう。
こんな子だった、こんなにいい子だった、ほんとうに愛していたと。
ぼくらは上沼恵美子さんのご自宅へ伺って、お話をきこうと思った。
取材 -
【販売開始!】フレブルオーバーオール「UNIVERSAL OVERALL × W-OKI KENTA × フレブルライフ」
アパレルブランド「UNIVERSAL OVERALL(ユニバーサルオーバーオール)」と、沖縄在住のフレブルオーナーで人気タトゥーアーティスト「W-OKI TATTOOのKENTA」。そしてフレブルライフのトリプルコラボで完成した、フレブルオーバーオール。
ストア情報
フロントプリント、バックプリントの2展開で、それぞれフレンチブルドッグのイラストも違います!
イベント「フレブルLIVE」で先行販売しましたが、ついにフレブルライフストアで販売スタートです! -
【中川大志インタビュー】エマは犬ではなく、大切な娘です。国宝級イケメンが愛犬のフレンチブルドッグと一緒に登場
『FRENCH BULLDOG LIFE』に国宝級イケメン登場! 俳優の中川大志さんが、愛犬であるフレンチブルドッグのエマちゃん(2歳の女の子)にメロメロとの情報を聞きつけ、中川さんを直撃。そのフレブル愛をたっぷり語っていただきました。他のフレブルオーナーさん同様、濃すぎる親バカエピソードが次から次へと飛び出しました。
取材 -
【取材】脳腫瘍治療のスペシャリスト・長谷川大輔教授が進める脳腫瘍の最新治療とは
フレンチブルドッグは脳腫瘍になりやすい犬種だといわれています。事実として、てんかん発作の症状が出てMRI検査を受けたフレンチブルドッグのうち、「約70%が脳腫瘍」と診断されたというデータも。犬の脳腫瘍は残念ながらあまり良い予後は期待できず、根本的治療も身体に負担がかかることから、私たちオーナーは希望を失いがちになります。
そんな脳腫瘍治療に、新たな風が吹こうとしているのです! このプロジェクトの先陣を切る、日本獣医生命科学大学・長谷川大輔教授にお話しをうかがいました。
取材 -
【取材】川口春奈とアムのやさしい世界。ー大人気女優は生粋のフレブルラバー
いまをときめく人気女優が、フレンチブルドッグラバーであるという事実。
そうです、その人は川口春奈さん。
アムちゃんというパイドの女の子と暮らしています。
話を聞けば聞くほど、そして春奈さんとアムちゃんのやりとりを目の当たりにするほどに、そのフレンチブルドッグ愛がわたしたちのそれとまったく同じであることに、なんだかうれしくなってしまったのでした。
春奈さんとアムちゃんのすてきな暮らしを、BUHI編集長の小西がいつくしみながら、切り取らせていただきます。
-
【イベントレポ】のべ6,500人・4,500頭のフレンチブルドッグが集結!「フレブルLIVE2023」の全貌大公開!
第二回『French Bulldog LIVE 2023(フレブルLIVE)』が、無事閉幕しました!
今年は思い切っての2daysチャレンジ。当日までどうなるかドキドキでしたが…なんと、のべ「6,500人・4,500頭のフレンチブルドッグ」が集結。
開催地の山中湖はもちろんのこと、道中のサービスエリアもフレブルだらけで、他犬種のオーナーさんは「何があるんですか!?」と驚いていたとか(そりゃそうだ笑)。
さぁみなさん、いよいよ「フレブルLIVE 2023」のレポートをお届けです!
今年参加してくださった方も、来年こそと意気込んでくださっている方も、臨場感たっぷりのレポートをお楽しみください!
フレブルLIVE -
【愛ブヒのお肌に悩む方へ】THE fu-do(ザ・フード)を食べて「納得のいくお肌」になるまでの、3ステップとは!?
販売からわずか半年で20万食を突破し、満足度95%を超える「THE fu-do(ザ・フード)」。
フレンチブルドッグの中でも特にお肌に悩む子には、積極的にお召し上がりいただきたい!
そして、どうか焦らないでください。フレンチブルドッグの体質を踏まえると、納得のいくお肌になるためには、最低でも3ヶ月はかかります。
でも大丈夫。今回は、すこやかなお肌を目指すための「3ステップ」をお伝えします! 毎日のボディチェックが、ますます楽しくなりますよ。
ザ・フード -
【PUFFY出演決定!】フレブルLIVE 出演アーティスト発表【第一弾!】
今年の『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
「フレブルLIVE」の特徴は、二日間でコンテンツが異なること。
一日目は愛ブヒとオーナーさんが主役の参加型コンテンツ。そして二日目は、アーティストによる音楽フェスが中心です!
今回は、音楽フェス(二日目)の出演アーティスト発表第一弾!
なんと、オーナーにも「世代」が多いPUFFYの出演が決定しました!
フレブルLIVE -
【ロッチ出演決定!】フレブルLIVE「11/9(土)」の司会はフレブルラバーのロッチ!
『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
一日目は愛ブヒとファミリーが主役になる、参加型コンテンツ。
二日目はアーティストを呼んで、史上初の愛ブヒと楽しめる音楽フェスを開催。
2daysで大きく内容が異なるのも「フレブルLIVE」の魅力です。
そして…今年の司会は、待望の「ロッチ」が登場!
みなさん! ついにロッチのお二人が「フレブルLIVE」にやってきます!
フレブルLIVE -
【肉球の香りがするビール、誕生】イラストは千原ジュニアさん【フレブルLIVEで先行販売!】
『French Bulldog LIVE 2024(フレブルLIVE)』は、11/9(土)-10(日)の2days!
今年は例年以上に反響があり、二日間ともに駐車場付きチケットがSold outとなりました!
年々パワーアップしている「フレブルLIVE」ですが、今年はオリジナルのクラフトビールを制作。
世界初・肉球の香りがするビールで、その名も「Paw Pad Ale」。
パッケージのイラストは、なんと千原ジュニアさんが手がけてくださいました。
フレブルLIVEにて、先行販売いたします!
フレブルLIVE
特集
-
フレンチブルドッグの性格/基本情報
からだの特徴や性格、歴史など基本的なフレブル情報をご紹介!
-
子犬/はじめてのフレンチブルドッグ
フレブルビギナーの不安を解消!迎える前の心得、揃えておきたいアイテム、自宅環境、接し方などをご紹介
-
フレブル病気辞典
獣医師監修のFrenchBulldogLifeオリジナル病気辞典。愛ブヒを守るための情報満載
-
フレブルライフ ストア
本当にいいものだけを、厳選紹介。FBLの公式オンラインストアです
-
French Bulldog LIVE⚡️2024 (フレブルLIVE)
-
7周年特別企画「プロジェクト7」
-
【特集】レジェンドブヒの肖像ー10歳を超えて
10歳オーバーの元気なブヒを取材し、長寿の秘訣を探る。
-
【特集】5歳からのミドルシニアLIFE
ご長寿ブヒをめざすヒントがここに!
-
【特集】FBL編集部の「アバウトな幸福論」
-
【特集】編集部厳選!本当に使えるドッグギア
フレブルと暮らす編集部が、自信をもって紹介したいアイテムとは!?
-
【特集】もしものときの名医名鑑
ヘルニアやガンなど、その道の名医たちを独占取材!
-
【特集】わたしは、愛ブヒのリーダーになるのダ。
プロドッグトレーナーが、リーダーになるための秘訣を解説!
-
【特集】短命拒否権ーフレンチブルドッグは、もっと生きる
この特集は、『短命』のレッテルを返上するための、有益なフレブル生活記録簿です。
-
虹の橋
愛ブヒが虹の橋へ向かう準備をするための場所
-
フレブル里親/保護犬情報
French Bulldog Lifeでは、保護犬を一頭でも多く救うための活動支援をしています。