2022年5月6日2,567 View

愛犬に起きたいつもの症状を『様子見』してない?過信するのはこんなに危険![特集:ミドルシニアLIFE]

パピーの頃は些細なことでも病院へ駆け込んだけれど、ミドルシニアともなれば少々の不調であればオーナーさんも慣れたもの。空腹で胃液を吐いた、気温差でお腹を壊したなど、ある程度、今までの体験から原因を推測できるようになります。これは長年フレブルと暮らした経験の賜物ではあるけれど、怖いのは自己判断を過信すること。年齢が上がるほどに発病リスクも上昇するので、間違った自己判断で病状が悪化するなんてことも十分あり得るのです。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

その様子見、大丈夫?

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Hryshchyshen Serhii/shutterstock

思えば筆者も、愛ブヒがパピーの頃は何かあると大慌てで動物病院へ駆け込んでいました。

 

口元の赤い出来物を危険な腫瘍ではないかと獣医師に訴え、「ニキビなので問題ないです」と言われたことも。

 

しかし連れ添う時間が長くなるにつれ、過去の診断結果から「この状態はこれが原因だろう」と不調の原因がなんとなく分かるように。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

BONDART PHOTOGRAPHY/shutterstock

きっと多くのフレブルオーナーさんがそうだろうと思うのですが、急な症状ではなく原因を推測できる場合、数日間様子を見るという方法を採用するケースは多々あります。

 

実際にそれで症状が改善したり落ち着くことも多いけれど、実はミドルシニア以降のフレブルにとってこれは要注意。

 

というのも、獣医師業界では1〜3歳頃に出ていた軽度の症状は、多くの場合5〜6歳で悪化するというのが定説だそう。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Patryk Kosmider/shutterstock

「いつものあれだな」と自己判断をしても、実際は異なる病気由来の症状だったり、もともと持っていた病気の悪化による不調ということも十分考えられるのです。

 

そもそも犬という生き物は本能的に体の痛みや不調を周囲に隠すもの。

 

だからこそ食欲や排泄、目の輝きに歩き方といった日々の健康チェックが必須なのですが、慣れというのは怖いもの。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Holger Kirk/shutterstock

いつの間にか「こんなものだろう、ちょっと違うけれど、しばらく様子を見てみよう」なんて考えがち。

 

その背景には過去の経験や知識があるのですが、年月と共に愛ブヒの体も変わりつつあるのです。

 

だから「今までは大丈夫だったから今回も問題ないだろう」というのは、実はとても危険なことなんですよ。

 

こんなものだろう、と思わない。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Chekyravaa/shutterstock

愛ブヒに対する知識や経験は大きな財産。これは疑いようのない事実ですが、情報が日々アップデートされることと同じように、愛ブヒに対する知識も更新が必要なんです。

 

だって3歳の時の体と6歳の体では、いろんなことが変化しているのですから。

 

そのため「パピーの頃に同様の症状で病院へ行ったけれど、問題がなかった」は通用しなくなります。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Muanpare Wanpen/shutterstock

これは体調だけの問題ではなく、日々の行動についても一緒。

 

例えば、フレンドリーだった愛ブヒがある日から急に他犬や他人に攻撃的になったり、今まではぐっすり眠っていた夜中に起きて吠えるようなことが増えたなどの行動の変化。

 

その裏には、腫瘍や認知症といった脳の病気が隠れているケースも。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Dzelat/shutterstock

私たちは、何年経っても迎えたばかりの頃の印象を愛ブヒに対して持ちがちですが、実際のところ彼らは私たちの何倍もはやく年を取る存在。

 

見た目にはあまり変化がなくとも、体の内側は1年前と今で大きく違うこともあるんです。

 

だからこそ知識のアップデートが重要なわけですが、では具体的にどうすれば良いのかと言うと、結論はやはり獣医師の判断を仰ぐこと。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Alice Rodnova/shutterstock

診察の結果やはり自分の予想通りで、数日様子見をして問題はなかった…ということも多いでしょう。

 

しかし、中には急性の病気で様子見をしている間、あっという間に進行するということもゼロではないのです。

 

“自己判断”を過信しない。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

vijaifoon13/shutterstock

なんだか体調が悪そう。とはいえ、忙しい平日にすぐ病院へ連れて行くのは時間的に難しいという時もありますよね。

 

そんな時はまず先生に電話をし、症状を伝えどうするべきかを尋ねてみて。

 

一般的にミドルシニア年齢のフレブルならば、過去に何度も診てもらっている、お世話になっているかかりつけ医がいるはず。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

VDB Photos/shutterstock

そういった病院なら愛ブヒの体質や性格なども把握してくれているものなので、すぐに連れてきた方がいい、数日様子を見ても大丈夫、といったアドバイスをもらえるはず。

 

ちなみに加入しているペット保険によっては24時間専属獣医師が電話でサポートします、というサービスが付帯していることがあります。

 

ただし、筆者の経験上、電話をしてもいくつかの可能性を挙げて最終的には「かかりつけの獣医さんで診てもらってください」と言われることが多いので、やはり実際に診察しないとわからないことが大半。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Vantage_DS/shutterstock

自己判断することやできることは、長年ブヒと暮らしたからこそ得た大きなメリットでもあるけれど、こと体調に関しての過信は禁物。

 

間違った判断で大きな病気を見逃さないためにもとりあえず病院へ、という判断こそ、安心や解決を生む近道なのです。

 

おわりに

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

Lee waranyu/shutterstock

ミドルシニアやシニア期ともなれば、オーナーさん側にも相当量の「フレブル知識」が蓄積されていきますよね。

 

けれど、体の内側に関しては目で見えない、分わからないことの方が多いし、あやふやな自己判断で大丈夫だと過信するのはやっぱり危険。

 

多分大丈夫だと思うようなケースでも、いわば病院って“オーナーサイドの心の保険”みたいなもの。

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

SeluGallego/shutterstock

診てもらい大したことがなければ安心できるし、そうでなくとも、一早い対処ができる場所。

 

特にミドルシニア以降は体に変化が訪れる時期と心得て、安易な自己判断に頼らないようお気をつけくださいね!

 

文/横田愛子

 

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