2023年5月2日5,698 View

Q最近うんちの回数が多い!どこかよくないの?【ブヒの健康Q&A】

「病院に行くまでもないかな…? でも気になる」といった症状やささいな疑問について、獣医師の小泉しずかさんが解説する連載『かゆいところに手が届く!ブヒの健康Q&A』。今回のテーマは、うんちの回数について。うんちは健康のバロメーターですが、形状だけでなく、その回数によっても病気が潜んでいるか否かのヒントになるのでしょうか? 詳しく解説します。

 

ブヒの健康Q&A

 

初夏に近づき、日照時間が長くなってきました。

お散歩の時間が早くなったり、少し長めにお散歩されたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そんな散歩中に、あるいはお家で、「最近うんちの回数が増えたかも?」と感じた場合、もしかしてなにか病気のサインなのかと不安になってしまいますよね。

 

今回は、うんちの回数が増える原因や注意するポイントなどについてお話していきます。

 

うんちの回数は1日何回がいいの?

フレンチブルドッグ

Suptar/Shutterstock

 

「そもそも、うんちの回数は何回が正常なのか?」という質問を飼い主さんからされることがあります。

 

一般的には1日の食事回数と一致すると言われていますが、必ずしもそうではありません。

 

実は、うんちの回数は個体差が大きく、1日1回の子もいれば1日5回という子もいます。

 

そのため、普段のその子の回数が何回なのかを知っておくことがとても重要です。

 

回数が増える原因

フレンチブルドッグ

shapovalphoto/Shutterstock

 

うんちの回数が増える原因は、主に食事。特に、食物繊維の多い食事を摂ると、うんちの回数が多くなります。

 

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。

 

水溶性食物繊維は水に溶けてゲル状になることで腸の内壁に張り付き、糖質やコレステロールの吸収を穏やかにする働きがあります。

 

一方、不溶性食物繊維は、水に溶けずに水分を吸収してうんちのカサを増やします。カサが増えたうんちが腸を内側から圧迫し、腸の蠕動運動を促進するため、結果としてうんちの回数が増加します。

 

一般的に食物繊維は野菜やダイエット用のドッグフードに多く含まれているため、手作りフードで食物繊維が豊富な食材を使用した場合や、肥満解消のためにフードをダイエット用に変更した場合に、うんちの回数が多くなります。

 

他の原因として意外なものに、うんちをする姿勢が辛い場合も。

 

基本的に、うんちを出すときは、後ろ足をかがめてしゃがみ、いきみますよね。

 

しかし、後ろ足が痛い、腰が痛いなど、うんちをする体勢を保つことが難しい場合は、1回のうんちの時間が短くなるため、うんちの回数が増えるんです。

 

この場合は、うんちの切れが悪かったり、短いうんちをしたり、うんちをする前にソワソワしたり、と、いつもと違う動きや体が痛そうな素振りをする可能性が高いでしょう。

 

したがって、『普段どおりの動きで、いつもと変わらぬうんちをする』場合、すなわち単純に『うんちの回数のみが増える』ことは食事の見直しでほとんどは改善すると考えられます。

 

注意するポイント

フレンチブルドッグ

Kittibowornphatnon/Shutterstock

 

単純にうんちの回数が増えるだけではなく、以下の項目に当てはまった場合は注意が必要です。

 

・下痢

・血便

・発熱がある

・白い糸のような虫がうんちに混ざっている

・色が緑や白っぽい

 

これらのうんちの場合は、感染症や腫瘍、食物アレルギーなど様々な病気が隠れている可能性があります。

 

中でも、水のような下痢の場合は、体の中の水分がうんちとして体の外へ出ていってしまい、脱水状態になってしまう可能性が高いので、経過を見るのではなく早めに動物病院で診てもらいましょう。

 

病院へ行く前に

フレンチブルドッグ

Touched by light images/Shutterstock

 

スムーズに診察を受けるために、あらかじめ以下のポイントを確認しておきましょう。

 

・症状はいつからか

・食事の変更はなかったか(おやつも含めて)

・うんちをする姿勢や時間、動きに変化はなかったか

・うんちの色、形

 

うんちの色や形は実際に病院に持ち込んで検査してもらうのが一番ですが、持ち込めない場合でも、携帯電話の写真などに残しておくのがよいでしょう。

 

また、経験上、『実は家族の一人がこっそり新しいおやつをあげていた』、『夜食を追加していた』、という例もあります。ですので、家族全員で日々の情報を共有しておくことも重要です。

 

まとめ

フレンチブルドッグ

Kateryna T/Shutterstock

愛ブヒと過ごす中で、切りはなすことができないうんちの問題。単純に食事内容を変えたから回数が増えた、というのであれば経過を見てよいですが、それ以外の場合は注意が必要です。

 

うんちは汚いから、とすぐに処理してしまうのではなく、色や形、うんちをするときの姿勢などをしっかり観察し、細かな変化にもすぐに気づくことができるようにしましょう。

 

皆さんのうんちチェックが、愛ブヒの命を救うかもしれません。

 

獣医師:小泉しずか

獣医師:小泉しずか

2018年 日本獣医生命科学大学卒業。埼玉県内の動物病院にて勤務後、アイデックスラボラトリーズ株式会社にて臨床病理医として勤務。

 

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