2025年7月1日802 View

マダニに噛まれたフレブルの致死率はどれくらい?

最近ニュースで「SFTS」という言葉を耳にした記憶はありませんか? 2025年6月中旬には三重県でSFTSに感染した猫の治療にあたった獣医師が亡くなり、下旬には関東では初めて茨城県でペットの猫への感染が確認された感染症がSFTSで、これはマダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群」という病気のこと。ニュースになっているのは猫ですが、もちろん犬にも感染し、そして犬や猫から人にも感染する病気です。SFTSに感染すると致死率が60%前後にもなる猫と比べると犬の致死率は低いものの、それでも40%の確率とかなり高いことに変わりはありません。ニュースで取り上げられているのが猫中心だからつい猫の病気だと思いがちですが、私たちドッグオーナーもこの病気についてしっかり知って、対策しておくべきなのです。

SFTSを媒介するのはマダニ

フレンチブルドッグ,マダニ, SFTS

Sbolotova/shutterstock

 

SFTSに感染する原因はマダニに咬まれることで、マダニはダニの一種。

 

春から秋にかけて活動し、春夏は成虫が、秋になると春と夏に産卵され成長した若いダニが増え、最も接触リスクが高まります。

 

マダニはSFTSの他にバベシア症やライム病を媒介することでも知られ、バベシア症だと溶血による貧血や黄疸が起こり、ライム病に罹ると関節炎や急性腎不全が起こりやすくなります。

 

SFTSはもちろんのこと、いずれの症状も命を脅かすものばかりで、マダニの恐ろしさをひしひしと感じますよね。

フレンチブルドッグ,マダニ, SFTS

Patryk Kosmider/shutterstock

 

SFTSはウイルス性出血熱のひとつで、厚生労働省によれば日本国内では2013年1月に人間の感染者が初めて確認されました。

 

犬の場合はSFTSに感染しても症状が現れない状態を指す「不顕性感染」で軽傷で済む可能性が高いものの、39度以上の発熱や元気と食欲の低下、白血球数と血小板数の減少が見られ、重症化すると命の危険があります。

 

マダニが媒介するウイルスである以上、マダニ予防をすることである程度予防ができるものの、マダニってかなり身近な場所に生息しているんです。

 

山の中はもちろん、自宅の庭や公園、畑などに潜み、付近を通った動物に取り付いて吸血します。

フレンチブルドッグ,マダニ, SFTS

Raymond Voskamp/shutterstock

 

体長は2mm〜3mmと大きめですが、吸血するとその体はさらに膨れ上がり、イボのように見えることも。

 

なお、マダニはオス・メスともに孵化してから死ぬまで動物の血を餌とし、数ヶ月から数年(!)は何も食べなくても生きるそう。

 

なんと迷惑な存在なのかと思いますが、既に存在しちゃっているので、できるのは予防と対策のみなんです。

 

マダニに咬まれないようにするには

フレンチブルドッグ,マダニ, SFTS

Wirestock Creators/shutterstock

 

さて、現在SFTSには特効薬がありません。

 

これはつまり、SFTSは確実に治せる病気ではないということ。

 

知れば知るほど恐ろしいマダニですが、予防はできます。

 

一般的なのは動物病院で処方されるスポットオンタイプや錠剤、チュアブルタイプのノミ・マダニ予防薬(駆虫薬)で、薬の種類によるものの、基本的には毎月1度の投薬。

 

フィラリア予防薬とあわせて愛ブヒに投薬しているオーナーさんが多いかと思いますが、フィラリアが蚊がいる時期だけなのに対し、こちらは年中投薬することをおすすめします。

フレンチブルドッグ,マダニ, SFTS

MR.SOMKIAT BOONSING/shutterstock

 

また、なるべく草むらを避け、帰宅したらブラッシングをして体にマダニがついていないか必ずチェックを。

 

こまめなシャンプーやブラッシングで体を清潔に保ち、特に脇の下やお腹まわりなどはよく見てあげてくださいね。

 

さらに、マダニは人間にも取り付くので、散歩時は露出の多い服装は避け、山の中や畑などでは長ズボンや長靴の装着が推奨されています。

フレンチブルドッグ,マダニ, SFTS

Didkovska Ilona/shutterstock

 

ちなみに、愛ブヒに洋服を着せることでノミやマダニを防ぐという考えもありますが、ノミやマダニは体温や体臭に反応して草から飛び移って寄生するので、頭部やお尻まわり、足などの露出している部分に移動して咬むため洋服では予防できません。

 

最も効果的なのは駆虫薬の投薬ですが、駆虫薬は薬ごとに生後何カ月以降から使用可能などと指定があります。

 

そのため愛ブヒがパピーの場合、必ず獣医師に相談して月齢に合った駆虫薬を処方してもらってくださいね。

 

正しい知識を持ち、必要以上に怖がらない

フレンチブルドッグ,マダニ, SFTS

Tienuskin/shutterstock

 

マダニに咬まれてSFTSに感染し命を落としたペットの話を聞くと、ただただマダニって怖い存在だと思ってしまいますよね。

 

実際すごく不快な存在には違いありませんが、正しい知識を持ち、しっかりと予防をしていれば大丈夫。

 

以下にポイントをまとめたので、正しく予防して愛ブヒをマダニの危険から守ってあげてくださいね。

 

・すべてのマダニがSFTSウイルスを保持しているわけではないので、マダニに咬まれたからといって必ずSFTSに感染するわけではありません

 

・毎月忘れずノミ・マダニの駆虫薬を投薬し、散歩後は顔まわり、耳、首、脇の下、指の間、お尻周りなどの毛が少なくマダニが付きやすい場所をよくチェックしてください

 

・愛ブヒがマダニに咬まれた場合は自分でマダニを取ろうとせず、必ず獣医さんに処置してもらいましょう。無理に取ろうとするとマダニの頭部が皮膚に残り、炎症や感染、化膿の原因になります

 

・定期的なシャンプーや毎日のブラッシングで体を定期的に保ちましょう

 

・洋服でマダニ予防はできません

 

・特に理由が思い当たらないけれど発熱や食欲低下、嘔吐や下痢などの症状が出た場合はすぐ動物病院を受診してください

 

なお、SFTSについては厚生労働省が公式サイトで発生状況などを発信しています。

 

検索ウィンドウに「SFTS」と入れて検索すればSFTS関連の報告が見られるので、より詳しくSFTSについて知りたい場合はぜひチェックしてみてください。

 

 

こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。

フレブルオーナーがなによりも気をつけたいこと

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