2025年9月24日2,099 View

フレブルは犬よりも人が好き?

人懐っこくて甘えん坊。フレンチブルドッグは「人たらし」的な性格の子が多いように思うのですが、みなさまの愛ブヒはいかがでしょうか。例えばドッグランに行っても他の犬と遊ぶよりよその飼い主さんの足元で撫でろとアピールしていたり、散歩中に出会う犬たちよりも彼らのオーナーさん目がけて嬉しそうに近寄っていくなど、なんだか犬よりも人間が好き、みたいな子をよく見ます。筆者が今まで取材した多くのブヒオーナーさんも「うちの子は犬より人が好きで…」と話してくれる方が大多数。ねえもしかして、君たち自分のことを人だと思っちゃいないかい? なんて目の前のブヒに聞きたくなるけれど、実際その辺りがどうなのかを考察してみました。

秘密は彼らの観察眼にあった

フレンチブルドッグ,性格

Patryk Kosmider/shutterstock

 

きっとどの犬よりも表情豊か。

 

これは筆者がフレブルに対して長年感じていることですが、鼻ぺちゃで顔が平たいフレブルはまさしくその距離の近さから人間の表情を間近で感じやすく、それゆえに人間の視線や声色をよく読み取り、こちらの感情を察知する名人(いや、名犬?)。

 

フレンチブルドッグの歴史を振り返ってみれば19世紀のフランスで「人と一緒に過ごすための愛玩犬」として生まれたこともあり、狩猟や牧畜などの役割を持たず、人と過ごすことに特化した犬なんです。

フレンチブルドッグ,性格

Pilar_revilla/shutterstock

 

行動学の観点から見ても、2015年にハンガリー・エトヴェシェ・ロラーンド大学の研究チームによる実験で犬は人の声から感情を理解することが確認されていますが、特に短頭種は目が大きく表情を認識しやすいため、オーナーの気持ちに敏感に反応しやすい傾向があるそう。

 

これらを踏まえると、そもそもフレブルという犬種自体が人間との絆に特化した犬だといえますよね。

 

それに加え、愛玩犬としてここまできた彼らは牧羊犬や狩猟犬のように犬同士で協力して働くという背景がありません。

 

その代わりに人に可愛がられる力が強化され、犬同士よりも人間との社会性が育ちやすいのです。

 

また、フレブルはその鼻ぺちゃさから呼吸器系に負担がかかりやすい構造をしているため、他の犬との長時間の追いかけっこなどは不得意な傾向に。

 

無理に群れで遊ぶより、人と静かに過ごす方が身体的にも快適なのかもしれません。

 

フレブルはコミュ強

フレンチブルドッグ,性格

Tienuskin/shutterstock

 

観察眼が鋭く人の気持ちを読むことに長けたフレブルたちは、私たちが言うところの「コミュ強」キャラともいえます。

 

初対面の人にでもフレンドリーに接するのは、相手が自分を見て笑顔を浮かべているかどうか、受け入れてくれそうかをちゃんと見極めているからこそ。

 

誰にでもフレンドリーに見えるけれど、その実よくよく相手を観察し、この人は自分にとって害がないかを判断しているってこと。

 

こういう風に考えるとなかなかの策士のようにも思えますが、これぞフレブルが長年培ってきた愛され力の賜物なんでしょう。

フレンチブルドッグ,性格

ZARIN ANDREY/Shutterstock

 

ただ、人間が好きなのはいいけれど、注意すべき点もあります。

 

それは人に依存しやすいことで、分離不安になるリスクが高めなところ。

 

オーナーさんと一緒にいるときは常にべったりなフレブルが多いけれど、ひとりの時間や空間でも安心して過ごせるように練習をすることが分離不安のリスクを減らすためには必須です。

 

また、人間といるのが好きすぎて犬にはあまり馴染もうとしないタイプもいるけれど、無理に遊ばせるまではしなくとも、犬社会での社会化をしておくことも大切。

 

散歩やペット向けイベントでは犬同士で顔を合わせる機会も多いので、他の犬たちを見てガウガウしたり過剰に怖がらないように、気の合う犬と短時間から慣れさせておくと安心ですよ。

 

その時に上手に挨拶(お尻をクンクン)などができたら、その場でしっかり褒めるのが社会化をうまく進めるコツです。

 

対、フレブルだとどうなのか

フレンチブルドッグ,性格

Massimo Pollani/shutterstock

 

人間には文句なしに社交的なフレブルですが、犬、しかも相手が同じ犬種であるフレンチブルドッグの場合はどうなんでしょうか。

 

筆者の体感ではフレブル同士の方が遊びの傾向が似ているからなのか、他の犬種と比べると仲良くなりやすいように思っています。

 

が、愛ブヒの様子を見ていると、同じフレブル同士とはいえやはり相性の差がかなり大きそう。

 

経験談になりますが、例えば相手のブヒが少し年上で女の子の場合、愛ブヒはそれこそ姉に甘えるかのように遊びに誘い、時に怒られたりしながらもちょっかいを出し続けます。

 

一方でかなりの大先輩の男子ブヒが相手だと、少し怖いのか挨拶はするもののそそくさとその場を後に。

フレンチブルドッグ,性格

Andreea Mihaela Rosca/shutterstock

 

また、年は上だけれどわちゃわちゃと賑やかなタイプの男の子ブヒ相手には同じペースで遊び続けます。

 

結果、相性はもちろん、同じテンションで遊べることも仲良くなるには重要なポイントのよう。

 

また、フレブルは短時間でわっと盛り上がって満足するような遊び方を好む子が多いのか、長時間走り回る系の持久力のある犬種と比べると、盛り上がってすぐに冷静になる気分屋めいたタイプなのかもしれません。

 

人には抜群にフレンドリー、犬同士だとマイペースで相性次第。このギャップもまた、フレブルの魅力になっているようにも思うのです。

 

 

こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。

フレブルと楽しく暮らすためにすごく大事なこと

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