2020年12月2日5,786 View

【取材】出産も別れも経験した15歳。家族に見守られ伸びやかに生きる #33 ぱんだ

10歳を超えても元気なブヒを、憧れと敬意を込めて“レジェンドブヒ”と呼んでいるFrench Bulldog Life。その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドブヒの肖像』です。

今回お話を伺ったのは、15歳と2週間(取材時)になるぱんだちゃん。2歳の時に出産を経験し、我が子を先に見送った経験も持つ彼女は、今なお毎日オーナーさんと仕事に勤しむアクティブ女子。そのパワーの秘訣には、オーナーさんのある考えがありました。

 

ぱんだちゃんのプロフィール

フレンチブルドッグ

年齢&性別

15歳の女の子

体重

9kg(体重は若い頃と変わらない)

大好きなこと

散歩、ボール遊び、ふわふわな場所、そして猫。

既往歴

時折皮膚アレルギーを起こす程度で今まで大きな病気はなかったものの、2020年9月頃に口内の歯茎にエプリスと思しき腫瘍ができているのを発見。しかし年齢や麻酔リスクを考慮し、切除はせず様子を見ることに。

 

2歳で出産を経験するも、予想外の母性の「薄さ」に仰天!

フレンチブルドッグ

4ヶ月くらい

 

現在15歳のぱんだちゃんは、2歳の時に出産を経験。

 

帝王切開で4頭の可愛い仔犬を出産したそうで、ぱんだちゃんママはその時のことが一番印象深いそうです。

 

「ぱんだとの出会いは、近所のブリーダーさんのフレブルの子犬が生まれたという張り紙を見たのがきっかけ。

 

出産は最初からチャンスがあれば産ませてあげたいと考えていて、ブリーダーさんと相談しながらそこのフレブルと交配しました。

フレンチブルドッグ

 

生まれた4頭のうち1頭は障害があって2週間で虹の橋を渡ってしまったけれど、残りの子はみんなすこぶる元気。

 

中でもひときわ食欲旺盛な1頭を我が家で飼うことにし、その子がぱんだと8年間を過ごしたロナウジーニョ(通称ジジ)です。

 

出産後はぱんだが子育てを頑張る姿が見られると思っていたのですが、以外にも母性が薄く、あまりお世話をしなくて(笑)。

 

だから私たち家族が一丸となって仔犬を育て、しばらくの間は本当にてんやわんやでしたね。

 

出産は動物病院で行ったのですが、生まれた子を受け取って体を拭いて暖める役割を私が任されたこともあり、まるで一緒に出産した気分でした。

 

それだけに15年という年月の中でも一番印象的な出来事として思い出に残っているんです」

 

心配性のママさんだからこそ、トラブルなく来られたのかも。

フレンチブルドッグ

息子のジジちゃんと。

 

ぱんだちゃんが麻酔を受けたのはこの出産時の時だけ。それ以外は大きな病気も怪我もなくここまで来たそう。

 

「私自身が大の心配性で、先回りして世話を焼いちゃうほう。

 

自宅を建て替えた時はぱんだに危険がないように最初から階段にゲートを設置したり、一緒に寝ているベッドには寝返りで落下しないようベッドガードをつけたりと、まだ起きていないことまで心配して対策しちゃうんです。

 

ぱんだは時々皮膚アレルギーが出るのですが、痒そうにしていたらまず病院へ行き、歩き方に異変を感じても病院へ直行します。

 

そういう私の性格も病気を未然に防ぐことに役立っているのかもしれません。

 

実は以前、散歩中にハーネスの金属部分が壊れて外れたことがありそれがトラウマに…。

 

運良く事故には遭いませんでいたがいまだに夢に見るほどで、それ以来ハーネスを何個も持って散歩しています。

 

素材も若い頃はレザーだったのが、今は体に負担が少ない素材を選ぶようにするなど、年齢とともにペットグッズの選び方も変わりましたね」

 

加齢に伴う変化も前向きに楽しむ

フレンチブルドッグ

 

ご長寿ながら元気なパンダちゃんの秘訣、それはライフスタイルとママさんの楽しむ姿勢にあるようで… 。

 

「ぱんだは耳が少し遠くなりましたが、目は白内障もなくよく見えていて、足の筋力も弱ってきているかな? と思う程度。

 

実はぱんだの子であるジジは脳腫瘍で旅立ったのですが、最後は徘徊や夜泣き、てんかん発作や認知症があり大変でした。

 

その頃は犬の介護用品も少なくとても苦労したんです。

 

でも今はペットの介護グッズも充実しているので、それらを取り入れながらこちらも介護を楽しむ姿勢でいます。

 

そういえば、ジジが闘病中はぱんだにあまり構ってあげられなかったせいか、ジジの死後は子供に戻ったかのような甘えん坊になりました。

 

きっと見送った寂しさもあったとは思うのですが、それより家族を独占できる嬉しさが大きかったのかもしれませんね。

 

個人的にフレブルはダントツにお洋服が似合う犬種だと思うので、冷え防止も含めファッションも楽しんでいます。

フレンチブルドッグ

一緒に温泉旅行に行くことも。

 

それにぱんだは人がとても好きなので、様々な人と触れ合えるお出かけが大好き。

 

だから年齢にかかわらず無理のない範囲であちこちに一緒に出かけ、体調が良い間はまだまだ色んな経験をさせてあげたいと思っています」

フレンチブルドッグ

温泉旅行にて。ママさんのお母さんにぴったり寄り添うぱんだちゃん。

 

ストレスゼロと日々の仕事、美味しい食事が元気の源!

フレンチブルドッグ

会社にて

 

「ぱんだは迎えた時からずっと、私と一緒に会社に出勤しています。

 

家族経営の会社なので連れて行きやすく、社員の方もとても可愛がってくれているんですよ。

 

平日は9時に出社するため7時前に起きて4時に帰宅。ご飯を食べて夜8時頃から朝までぐっすり寝るのがぱんだの日常。

 

そのせいか会社に向かう車に乗ると気が引き締まるようで、キリッとしています。

 

会社ではお客さんに愛想を振りまいたり外を眺めたりし、昼休みには外に出てパトロール。こういう生活も若さを保つ秘訣かもしれません。

 

あとは留守番がないので、留守番によるストレスも少ないのが良いのだろうと思います。

 

そして食事ですが、パピー期は様々なフード探しに奮闘したもののどれも合わず、2歳頃に手作りに変えました。

 

とにかく完食してくれることを目指して作っていて、鶏肉を塩分を抑えた調味料で調理し白米と混ぜるなど、犬にNGとされるもの以外は積極的に与えています。

 

時には牛骨で出汁を取ったスープをあげるなど、いかに美味しく完食してくれるかがテーマ。

 

レジェンド期というと大変なことが多いように思われますが、“とにかく楽しく!”それに尽きます。

 

あまり考えすぎず、楽しみながら一緒に歳を重ねていきたいなと。

 

オーナーが楽しんでいると犬も楽しいと思うので、例えば粗相した時も怒らず、上手にできたときには大拍手で讃えます。

 

15歳なのに子犬のように褒めまくる。これも互いが楽しむコツですね」

フレンチブルドッグ

ぱんだちゃんママ・志和さんと。

 

もう歳だからとライフスタイルを変えるのではなく、今まで通り一緒に出社しお出かけやファッションを楽しむ。

 

15歳でもぱんだちゃんがとびきり元気な理由には、犬にとって最高の喜びである「オーナーさんと楽しむ」という欲求が満たされているからなのかもしれません。

フレンチブルドッグ

15歳のお誕生日の記念撮影。

 

取材・文/横田愛子

 

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