2018年3月17日12,061 View

【続報】ユナイテッド航空事故、政府の調査と広がるサポートの輪 〜機内で亡くなったフレンチブルドッグ〜

ユナイテッド航空の飛行機内で起きてしまった悲しい事故。テキサス州ヒューストンからニューヨークへ向かう飛行機の中、およそ4時間もの長い間、そのフレンチブルドッグは暗く空気のない頭上のロッカーに閉じ込められていました。

これは、“事故”というより人が起こした“事件”と言うべきその悲劇の続報です。

 

フレンチブルドッグ事故

AleksandraJanicka/shutterstock

参考記事:Feds, district attorney launch investigation into death of puppy on United Airlines flight

「犬が入っているなんて知らなかった」食い違う証言に政府が動きだす

今回の事件で犠牲になった子犬は、フレンチブルドッグの「Kokito」。生後10ヶ月でした。

Kokitoは、英語が堪能でない母親とその娘、そして赤ちゃんと一緒に飛行機でニューヨークへ向かう途中でした。そんな最中に、あまりにも悲しく残酷な事件に巻き込まれてしまったのです。

※ニュースについては、こちらをお読みください

ユナイテッド航空の事故〜飛行機のロッカーに閉じ込められて亡くなったフレンチブルドッグ〜

 

事件を受けて、ユナイテッド航空は「責任は我が社にある」と謝罪をしました。しかしその翌日、ほかにもたくさんの乗客がやりとりの一部始終を見ており、機内で犬の吠える声を聞いた乗客がいたのにも関わらず、「キャビンアテンダントはキャリーバッグに犬が入っていることを知らなかった」と公式に発表したのです。

 

Kokitoと一緒に飛行機に乗っていた娘のSophiaさんは、テレビ局のインタビューにこう答えています。

 

***

—  Kokitoは私たちの家族でした。私にとってKokitoは、弟のような存在でした。でも、キャビンアテンダントが私たちのところへ来て「このバッグは道をふさいでしまうから、頭上のロッカーへ入れなさい」と言ったんです。私たちは、「犬が入っているんです。中に犬がいるんです」と言いました。しかしキャビンアテンダントは「そんなの関係ない。ロッカーへ入れて」と言い、Kokitoが入ったバッグを、まるでただの荷物のようにロッカーへ入れ、蓋を閉めたんです。

 

A post shared by ITV News (@itvnews) on

 

先進国の中でも動物愛護に特に力を入れていることで知られるアメリカ。ユナイテッド航空の発表を受けて、アメリカ政府が調査に立ち上がりました。今回の件が動物虐待に当たるかどうか、そして本当にキャビンアテンダントは犬が入ったバッグだということを知らなかったのかどうか。運輸省、そして飛行機が降り立ったニューヨークの州検察官も含め、今回の件が動物福祉法に抵触するかどうかを焦点に調査を進める意向です。

 

Kokitoに正義を—。#JusticeForKokito で広がるサポートの輪

アメリカ運輸省によると、2017年度、アメリカの大手航空会社による飛行機での移動中に起こってしまった動物の死亡事故は24件。そのうち、じつに18件がユナイテッド航空の飛行機による事故だそうです。

 

そして、Kokitoの事件の直後にも、オレゴン州からミズーリ州へ輸送される予定だったジャーマンシェパードが日本へ送られてしまうという事故を起こしています。その、あまりにずさんな動物への対応に、アメリカ国内のみならず世界中の愛犬家たちが怒りの声をあげました。「#JusticeForKokito(Kokitoに正義を)」、「#BoycottUnited(ユナイテッド航空をボイコットしよう)」というハッシュタグで、様々なメッセージが投稿されています。

 

「僕は生き物なんだ。荷物じゃないんだ」

 

A post shared by Brice Benjamin (@1bricebenjamin) on

 

「僕が荷物に見える?」

https://www.instagram.com/p/BgXMwSEBxrs/?tagged=boycottunited

 

ペットを安全に運ぶために、日本のわたしたちができること

今回のような悲劇を繰り返さないため、ユナイテッド航空やキャビンアテンダントの責任を問うこと以外にできることはないか。ペットグッズの販売+利益の一部をシェルターに寄付していることで知られるiHeartDogsが提案する新しいルールが、今話題になっています。

フレンチブルドッグ飛行機

 

動物を運ぶという重要な仕事をする航空会社。今回のような社員の無知による悲劇を繰り返さないために、すべての航空会社に動物の専門家が定めた「ペットはどこにいなくてはいけないか」、「どうやって対応するべきか」などのルールを徹底して守らせようという提案です。

 

署名が集まったら、iHeartDogsが世界の動物専門家による委員会を作り、航空会社にペットにとって安全な環境を作ってもらうよう働きかけると約束しています。

この嘆願書は、日本からでも署名をすることができます。

 

嘆願書へのリンクはこちら

『NO MORE DEAD PETS -Airlines Need To Create An Expert Animal Health And Care Advisory Board 』

※リンク先には無くなったKokitoの画像があります

 

 

フレンチブルドッグKokitoに起こってしまった悲劇と、その後の世界の反応をお伝えしました。FrenchBulldogLifeでは、今後もこの事件に注目していきたいと思います。

いいなと思ったらシェア

おすすめ記事

特集

特集一覧