愛犬の命を預かる責任。その意味を改めて考えてみてわかること【後悔しない最期のために】
明日死んでも後悔しない生き方を。きっとこれは多くの人が理想とし、けれどなかなか実現するのは難しいこと。だけどね、私たちが迎え入れたまあるい存在に対しては、この理想を実現できるのかもしれません。愛ブヒの誕生日やうちの子記念日を迎えるたびに、今年も一緒に祝えてよかったと思うと同時に、この子はうちの子になって本当に幸せなのかなと自問自答することも。だって私たちに日々寄り添う彼や彼女は、大事なひとつの「命」なんですから。
「飼う」のではなく、共に生きるのです。
犬を飼う。ペットと暮らすことに対してこういう言い方をしますが、筆者はこの言い方があまり好きではありません。
むしろ「共に生きる」が正しいように思うし、もっと言えば生き物を迎えることってその子の生涯を預かること、つまり命を託されることなんですよね。
命を託すなんて聞くとすごく重い気がしますが、そうです。重いんです。
私たちは自ら望んでその子の命を預かり、一生を託されようとフレブルを迎えますが、その行動は同時に重たい責任を背負うことでもある。
責任を全うするために彼らの健康に留意するのはもちろん、時には自分のライフスタイルを大きく変える必要だってあります。
それでもやっぱり迎えたい、その気持ちをずっとずっと持ち続けてくれますか? ここで「もちろん、当然」と断言できる人だけに、生き物と暮らす資格があると言えるのです。
筆者はレジェンド年齢を生きる様々な犬種の取材をさせていただいていますが、その度にオーナーさんの愛の深さに感動します。
犬ってね、それこそ若いうちはやんちゃで可愛くイキイキしてるんですよ。
だけど私たちと同様に歳を重ね、犬時間ゆえに老化するスピードだって速いのです。
また、加齢でなくとも病を患い若くして介護が必要になる子だっている。
その姿を愛おしいと思えるか、闘う背中を全力で支えてあげられるか。
その辺りの覚悟、ありますか?
可愛いを過ぎた頃でも。
ムチコロのパピーの可愛さ、たまらないものがありますよね。
ずっと見ていたいし永遠に仔犬のままでいてとさえ願うことも。
けれどみんな日に日に成長し、成長がいつの日かを境に老化と呼ばれるようになる日が来る。
思うように体が動かせなくなり、自らの力で立ち上がることすらままならなくなったり、夜中に何度も寝姿勢を変えてあげ、散歩には歩行器やカートが必須。
お水やご飯はシリンジで口に含ませてあげる…。
いつか愛ブヒがそうなった時、今までと変わらず、もしくはそれ以上に愛おしく思えるでしょうか。
綺麗事を抜きにすれば、老犬のお世話、いわゆる介護はとても大変です。
睡眠不足や粗相の片付け、夜鳴きに定期的な通院。
何より変わりゆく相棒の姿が辛くて目を背けたくなる時だって、きっとある。
けれど、実際に老犬介護をしているオーナーさんたちはみんなこう言います。
「確かに大変だけれど、お世話できることに感謝。命の終盤に再び赤ちゃんに戻ったようで、可愛さと愛しさは日に日に募るばかりです」と。
フレブルって年齢に関わらず皆可愛いけれど、長い年月を共に歩み、一緒に日々を積み重ねた存在はやっぱり特別なんです。
その命の最期までをとことん愛し抜くことで、私たちは彼らの親代わりとなった責任を全うできる。
託された命を看取り見送ることまでを含めて、フレブルたち生き物と暮らすってことなんですよね。
だからこそ後悔しないように。
明日死んでも悔やまないように、今日を大切にする。
私たちは当たり前のように明日が来ると信じ込んで色々なことを先延ばしにしますよね。
例えば会いたい人に会うこと、行きたい場所に行くこと、ちょっと面倒な用事まで。
「いつかしよう」と思っていることは数あれど、明日が来る保証はどこにもない。
そしてそれはフレブルも同じです。
こと、私たちよりも速いスピードで一生を駆け抜けるフレブルにとって、先延ばしにして良いことなんてひとつもありません。
いつか愛ブヒと訪れようと思っている場所や一緒にしたいこと、してあげようと思っているたくさんのことに対し、今日からでもできることは今、この瞬間から始めるべき。
一瞬たりとも目を離せないパピー期、イタズラ好きの青年期、落ち着きが出てきたミドルシニア期、毛色に白いものが増え始めたシニア期。
そして、そこにいてくれるだけでありがたいフェアリー期まで。
共に生きた日々をいつか振り返った時に、悔やむことがなるべく少ないように「明日死んでも後悔しない生き方」を愛ブヒに送らせてあげること。
それができれば、いつか彼らを見送る私たちだって後悔なく生きられるのかもしれません。
その中には闘病や介護という現実に直面することもあるだろうけれど、たくさんの感情と経験を相棒と分かち合うその時間は、フレブルがくれる大きなプレゼントなのです。
おわりに
生き物と暮らしていると可愛いで済まないことも多々あります。
大変なこと、辛いこと、しんどいこと。
けれどそんなのも全部一緒に乗り越え、共に時間を紡いでいく。
そうして紡いだ時間は長い糸となり、いつか彼らを見送った時、破れてしまったアナタのハートを優しく縫い合わせてくれるのです。
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