【エッセイ】フレブルLIVEに寄せて。きっとこれは、虹の橋で見る景色。
聳える富士、底抜けに青い空、そして目を疑うほどのフレブルの数。ええ、もちろん筆者は11/12に開催されたフレンチブルドッグLIVEに行ってきましたとも。完全にいち参加者として。そこで見た、感じた、最高の空気感をどう表現したら良いのだろうかと考えた時にたどり着いた答え、それは「虹の橋の景色」でした。
(文:横田愛子)
愛いっぱいの空間。
大阪から参加した筆者家族は勢い余っての前乗り組。
早起きして宿を早めにチェックアウトし、いざ会場へと向かえばそこにはすでに長い行列。
聞けば先頭チームはまだ日も登らないうちから並んでいたようで、その熱気は凄まじいものがありました。
そうだよね、きっとみんな手元にチケットが届いたその日から「絶対にこれだけは忘れちゃなんねえ」と大切に財布に仕舞い込み、イベント前夜は早く寝ようとベッドに入るも遠足前の子供のように興奮してなかなか寝付けなかったはず。
並んでいる間も周囲は見渡す限りのフレブル&オーナーさんで、前後の人とおしゃべりしたりおやつの交換をしたりと、あちこちで始まる即席交流会。
これほどまでに待つのが苦痛じゃない行列も珍しいのではないかなと思いつつ、たくさんのブヒに見惚れているとついに開場!
広大な会場に意気揚々と入っていくフレブルのまあるいお尻を眺めながら歩を進めると、もうそこはパラダイスでした。
いえいえ、決して大袈裟ではないですよ。
だってこの日この場所にいる人は全員紛れもないフレブルラバーで、住んでいる場所や年齢や趣味嗜好が違っても、とにかくフレブルを愛してるという絶対的な共通点があるんですもの。
だからなのか、4,000人という人数が集まっているのに始終和やかで、青い空の下のそこかしこで幸福な時間が流れていました。
SNSで繋がっている子、うちの子と似てる子、初対面でもみんな懐かしい顔に会ったみたいな不思議な感覚。
これこそがブヒが繋ぐ縁なのかもしれません。
初めましての気がしない何か。
もはやその数桁違い。なんと2,500頭ものフレブルが同じ場所に居る、これだけで想像を超えるものがあります。
けれどその場所に身を置いてみると、ほとんどが初めましてのフレブルにも関わらずなぜだか知っているような気になる。
これってフレブルが持つ共通点の多さの成せる技なのかもしれないですね。
犬種特性ってどの犬種にもありますが、フレブルの場合それが顕著な個体が多く、オーナー同士が抱えている悩みなんかも似ているんです。
だからなのかすぐに打ち解け、全然初対面の気がしない。
一人ひとりは全然違っても、フレブル愛が強いという共通点があればすぐに会話が始まるのはブヒオーナーならではかも。
会場はステージ、ショップ、フードエリアにざっくりと分かれていて、だからこそ参加者が自由に楽しめるのも魅力でした。
お目当てのアイテムを両手いっぱいに買い込んだりステージを楽しんだり、はたまた交流スペースで他のブヒオーナーと盛り上がるなど、自分のペースでイベントを満喫できるのがフレブルLIVEが単なるイベントではなく「フェス」である所以。
みんなが一斉に1箇所に集中しないからこそ、シニアブヒも闘病中のブヒも、そして我々オーナーも無理なく楽しめるのです。
有名なフェスには同じく富士山を望むFUJI ROCK FESTIVALがありますが、フレブルLIVEはもはやBUHI ROCK FESTIVALでした。
ROCK(ロック)には熱狂的であるとか思いを貫くとか、強く固い意志なんて意味があるのですが、フレブル愛に満ち満ちたこの空間はまさに最高のグルーブに満たされたロックそのものだったんです。
虹の橋の景色を、見た。
ステージからは七尾旅人さんの優しい歌声、続いてスチャダラパーさんのバイブス溢れるサウンド。
そんな幸せな音色が響く会場で繰り広げられるのは、たくさんのフレブルが気ままにくつろぐ姿。
もちろん傍には愛ブヒをこの上なく愛おしそうに見つめるオーナーがいて、ふと思いました。ああ、きっと虹の橋ってこんな景色なのだろう、と。
私たちは虹の橋の向こうを見たことがありません。けれど、過去に見送った相棒たちが過ごす場所は幸福に満ちた世界であってほしい。
そう願い送り出した虹の向こうに広がるのは、多分こんな風景です。
心地よい音楽が流れ、太陽が燦々と降り注ぎ、あちこちで最愛のオーナーと見つめ合う動物がいる。
そう思って改めて目の前に広がる光景を眺めると涙が出そうになりました。
目を閉じれば足元に過去に見送った犬や猫が会いにきているような気がするほどに、ここは虹の橋の向こうみたいな空間だったのです。
富士の麓、今日ここに集まった大勢の人が全員フレブルを愛してやまないという事実。
鳥肌が立つような光景はまさに、愛に満ち満ちた虹の橋そのものでした。
2022年11/12の晴れた日に、抜けるような空の下でこう感じたことや膝の上でうとうとする愛ブヒの重みもいつの日か、思い出になる。
いつかこの思い出を背負って愛する存在が旅立った時、またこうしてここで会える。そんなことを思う最高の1日。
そしてきっと来年もまた、こんな最高の日が来ることをブヒラバーの一人として願ってやみません。
さいごに
フレブルLIVE、控えめに言っても最高でした。今年は来られなかった人も来年はぜひ、会場でお会いしましょうね。
また個人的に嬉しかったのは、以前取材させていただいたブヒ&オーナーさんたちに出会えたこと。
中でも特に印象深いのは、すでに旅立ったレジェンドブヒのオーナー夫妻が声をかけてくださったことです。
愛ブヒ亡き後もこうしてイベントに参加してくれるブヒ愛の強さに感激したし、ちゃんとね、気付いてましたよ。
にこやかな夫妻の足元に「姿は見えないけどね、あたちも一緒に来てるもん」と、レジェンドの貫禄たっぷりのあの子がいたことに。
Photo Kosumo Hashimoto
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