2023年1月8日9,094 View

フレンチブルドッグの現在地。伝えられないマイナスの情報も知ってほしい。

この記事を書いているのは2022年の暮れで、現時点でフレンチブルドッグはとても人気が高い犬種です。一般社団法人ジャパンケンネルクラブ(JKC)が毎年犬種別犬籍登録頭数を発表しているのですが、この最新版では我らがフレンチブルドッグが堂々の5位。かつてはコアな犬好きが選ぶ珍しい犬種というイメージだったフレブルが、ここにきて俄然人気となっています。果たしてこれは良いことか、それとも一概に喜べないことなのか。フレブル愛の強い私たちとしては、改めてこの人気を考えたいと思うのです。

 

人気=飼いやすい、ではない。

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Lesya Pogosskaya/shutterstock

 

ちなみにこのランキング、1位はトイプードル、2位チワワ、3位ミニチュアダックスフンド、4位がポメラニアンとなっており、なるほど、上位の犬種を見れば散歩で遭遇する機会の多い犬種が中心。

 

もちろん同じ犬種でも性格はそれぞれだから個体差はあるものの、フレブル以外は小型でさほど運動量を必要としない犬種が大半です。

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Kittibowornphatnon/shutterstock

 

毛が抜けにくいとか仮に暴れても抱っこしてその場をやり過ごせるなど、超小型〜小型犬には確かに「飼いやすい」という印象がありますね。

 

しかしフレンチブルドッグはどうだろうと考えた時に、飼いやすさとは正反対の犬だってことをすでにオーナーである私たちはよく知っています。

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Vasyl Kravchenko/shutterstock

 

性格的にはおっとりな子も多いものの、力強いパワーと興奮スイッチが入った時のテンション、それなりに必要な運動量、何より病気リスクや先天的疾患の多さ。

 

性格的なもの以外のケアの必要度は数多の犬種の中でもトップクラスと言え、それゆえに英国などでは鼻ぺちゃ犬のブリーディングに対して獣医師が警告を出すまでに至っているという事実。

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Marina Kadyrova/shutterstock

 

フレンチブルドッグが人気犬種となって以降、この事実を理解して迎えているオーナーさんはどのくらいいるのでしょうか。

 

筆者がフレブルを迎えた8年前、まだフレブルはペットショップであまり見かけませんでした。

 

迎えるために方々のブリーダーさんを探し、どんな犬なのかを徹底して調べたことや先輩ブヒオーナーさんが綴るブログを片っ端から読み漁ったことを今も覚えています。

 

伝えられていないマイナスの情報。

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Bussakorn Ewesakul/shutterstock

 

信頼できる犬舎から迎える場合を除き、多くのペットショップがフレブルに関する重要な情報を100%伝えないままに“命の販売”をしていると感じます。

 

はっきり言えば、遺伝性疾患や先天的疾患、病気リスクといったマイナスの情報を示すことなく販売している。

 

これは筆者自身がペットショップなどに足を運びフレブルを発見した際に、店員さんと交わした会話からの実感でもあります。

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photostocklight/shutterstock

 

もちろんお店は商売なので良い面をアピールする必要があることを理解しているし、扱う商品が時とともに成長するものだけに「若く高く売れる時期」を逃したくないことも分かっています。

 

けれどその商品が命だからこそ、「本当にこの人はこの犬種を生涯にわたって飼えるのかどうか」を見極めて欲しいなとも思うのです。

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hypersoulz/shutterstock

 

けれど商売である以上、これを望むのは難しいでしょう。

 

代わりに、迎える側に正しい情報を得る努力をして欲しい。

 

今はスマホで検索すればあらゆる情報が手に入る時代だから、可愛い、飼いたい! と思ったらどんな犬なのかを徹底して調べてください。

 

もちろんちゃんとしたブリーダーさんを探すことも含めて。

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Yakovenko Maksim/shutterstock

 

もしこうして知識を得たうえで迎えるオーナーさんが大半なら、正直ここまでフレンチブルドッグの飼育頭数は増えていないと思います。

 

実際ブヒ連れで出かけた先で最近フレブルを迎えた人と話す機会がありますが、アレルギーや先天的な疾患に話題が及ぶと「え、知りませんでした」と言われることが増えています。

 

これって、ちょっと怖いな。そう感じるのは筆者だけでなく、フレブル愛の強い人全員ではないでしょうか。

 

迎えたからには手放さないで!

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Sbolotova/shutterstock

 

知識なく迎えてもその後情報を得て良きブヒオーナーとなる飼い主さんはたくさんいます。

 

でも「思っていたより大変」という理由で手放す人も決して少なくありません。

 

だから里親募集のサイトには、いつだって悲しそうな顔のブヒたちが並ぶのです。

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chaowalit jaiyen/shutterstock

 

フレブルに限らず、生き物を迎えると常に想定外の出来事が起こります。

 

しつけから病気、怪我にイタズラまで予想の遥か斜め上のことが日常的に起き、その都度大変だと肩を落としたり。

 

だからといって手放すという選択はありません。

 

それは命を捨てるってことで、手放された子たちに次の飼い主が現れなければ、その先に待つのは殺処分。

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bozsja/shutterstock

 

もしこれが自分の子供だとしたら、お世話が大変だからと捨てますか?

 

種族は違えども命の重さは同じで、何より一度は迎えたいと切望して家族となった存在。

 

もしあなたが新米オーナーで日々愛ブヒに振り回され悩んでいるなら、もう一度迎えた日の気持ちを思い出してみてください。

 

そのまあるい存在は、いつしか成長し注ぐ愛が深いほどに最高のパートナーになってくれるのです。

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PongMoji/shutterstock

 

そしてこれからフレブルを迎えようと思っている方は、どうかフレンチブルドッグについて知ってください。

 

良い面だけでなくマイナス面があること、そのマイナス面をカバーするには多くの愛情と時間とお金が必要なこと。

 

それを踏まえた上で迎えるのなら、絶対に素敵なフレブルオーナーさんになれるはずです。

 

おわりに

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VDB Photos/shutterstock

 

未来の愛犬を探す時に「人気犬種だから」という理由で選ぶことに疑問を感じます。

 

人気なんてものは入れ替わりが激しく、翌年にはかつて人気だった存在が忘れられているのもよくあること。

 

今、フレブルが置かれている状況は愛ブヒ家にとって心配と不安をはらんだ状況です。

 

人気ゆえに無理なブリーディングが行われることも危惧していますが、その結果悲しい思いをするフレブルが増えないことを望むし、どの子も生涯幸せに暮らしてほしい。

 

いつの日かフレブルを相棒に選ぶ全ての人がこの面白おかしく愛おしい犬種を理解し、その全部を受け入れた上でフレブルを人生のパートナーとして迎える日が来ることを願っています。

 

 

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