2020年1月13日6,354 View

フレブルだって歯が命!ミドルシニア期に見直すべきマウスケア [特集:ミドルシニアLIFE]

フレンチブルドッグの魅力は多々あるけれど、ブヒマニアにとってたまらないパーツのひとつが「歯」。一見するとコワモテなお顔のブヒちゃんだって、そのお口をパカリと開くとそこに並んでいるのは米粒のような小さな歯たち。しかもちょっとガタガタで、なんだかお行儀の悪い米粒たちが好き勝手並んでいるかのような印象さえ受けますよね。フレブルラバーの間ではそんな彼らの歯を指して「米っ歯」なんて呼ぶけれど、実は米っ歯は鼻ぺちゃ族の特徴で、チャームポイントでありながらもケアを怠ると歯周病の温床に。ブヒたちも人間同様に年齢とともに歯にまつわるトラブルが増加するけれど、自分の歯で噛んでしっかり食事を楽しむのは長生きの秘訣でもあります。特にミドルシニア期を迎えたブヒたちは今までのオーラルケアの蓄積が歯に現れくる世代。だからこそ、今まで少し歯のケアをサボっていたコも、入念にケアしていますよというコも、フレブルのオーラルケアについて見直してみませんか?

フレンチブルドッグ,ミドルシニア

フレブルの歯の特徴を知るべし

フレンチブルドッグ,オーラルケア

Africa Studio/shutterstock

 

通常犬の永久歯の数は42本。

 

ただしフレブルやパグといった短頭種の中には、短い顎の中に歯が収まりきらず欠歯(歯がない部分)になってしまい本数が少ないコがいます。

 

また、歯が2列になった状態で生える、横向きになって生えるなど、歯並びが悪い状態のコも大多数。

 

おまけにアンダーショットと呼ばれる噛み合わせのコが多く、これは口を閉じた時に下の門歯が上の門歯よりも前に出てしまう状態のこと。

フレンチブルドッグ,オーラルケア

Firn/shutterstock

 

アンダーショットはブルドッグ系統の血を引く犬の特徴でもあり、それがチャームポイントでもあるのだけれど、場合によっては食事中に自分の歯で口蓋を傷つけてしまうことも。

 

アンダーショットは日常生活(食事など)に支障がなければ特に問題はないけれど、どんな噛み合わせでも、歯並びが良くても悪くても、絶対に欠かせないのは歯磨き。

 

実は犬たちは人間と比較し、虫歯になりにくく歯周病になりやすい傾向にあり、その理由は口内環境にあります。

フレンチブルドッグ,オーラルケア

Vikafoto33/shutterstock

 

人間の口内が弱酸性であるのに対し、犬の口内はアルカリ性。

 

アルカリ性の口内では虫歯菌が繁殖しにくいため虫歯にはなりにくいことは良いこと。

 

しかし一方で、歯垢が石灰化して歯石になりやすく、それが歯周病を引き起こす大きな原因になっているのです。

 

実は犬種を問わず、ほとんどの成犬が程度の差はあれど歯周病かかっていると言われています。

フレンチブルドッグ,オーラルケア

Istvan Csak/shutterstock

 

しかしその歯周病を放っておくと、最終的には歯が抜けてしまったり、下顎を骨折したりすることも。

 

さらには歯周病によって炎症を起こしている部位の粘膜から血液に細菌が侵入し、腎臓や心臓病などの引き金となることもあります。

 

歯周病は進行性の病気なので、できるだけ早い段階でケアや治療を行うことがとても重要なのです。

 

*歯周病とは歯垢の中にいる細菌によって歯肉が炎症を起こす進行性の病気

 

とりわけ歯周病になりやすいボクら

フレンチブルドッグ,オーラルケア

Eve Photography/shutterstock

 

さて、歯周病の怖さが分かったところで、フレンチブルドッグと歯周病の関係を見てみましょう。

 

我らがフレブルは犬の中でも病気にかかりやすい犬種として知られていますが、そのかかりやすい病気の中に入っているのが「歯周病」なのです。

 

それはやっぱり重なって生えたり横を向いて生えている歯が多いためで、歯並びの良いコに比べ、ブラッシングで磨き残しが出やすいのが理由。

フレンチブルドッグ,オーラルケア

Joanna Plisko/shutterstock

 

キチッと整列している歯だと隙間も少なく磨き残しが出にくいけれど、米っ歯な彼らの歯間は隙間だらけ。

 

その隙間に歯垢がついて歯石化することで歯周病が進行し、気づいた時にはかなり重度化していることも珍しくありません。

 

だからこそ毎日の日課にしたいのがオーラルケアなのですが、毎日やっているよという方も気をつけて欲しいのが、必ずブラシを使うということ。

 

最近は歯磨きシートのバリエーションが増えていてこれらは手軽で便利ですが、人間の指を使って磨くために気になる隙間までは届きません。

フレンチブルドッグ,オーラルケア

Patryk Kosmider/shutterstock

 

 

もちろんしないよりは絶対的に良いのは間違いないけれど、歯磨きシートはオーラルケアが前後編に分かれているとするならばその前編部分。

 

前編で全体的な汚れを落とし、歯ブラシで念入りに細かな部分の歯垢を落とす後編へと進むのがセオリーなのです。

 

そのため、しっかりオーラルケアを完了するには細かな部分まで磨けるブラッシングが必須。

 

逆に今まで歯磨きをしたことがないブヒの場合は、まず口の中を触らせることに慣れさせるため、最初はシートで歯をこすることから始めましょう。

フレンチブルドッグ,オーラルケア

jack1986/shutterstock

 

そして歯を触られることに慣れてきたら、ここで歯ブラシへとステップアップする方法がオススメ。

 

その時、歯ブラシを口の中に入れさせてくれないようであれば、最初は歯ブラシに好物のオヤツなどをつけて舐めさせてみることからチャレンジしてみて。

 

細かな磨き方や歯磨きのコツはこちらの記事を参考にしてね。

 

顎が強いゆえに…オモチャに注意

フレンチブルドッグ,オーラルケア

Pierre Aden/shutterstock

 

歯磨きは完璧、お口のニオイなんてボクやワタシには関係ないわ~という歯磨きスペシャリストのフレブルもたくさんおられると思います。

 

が、お口のトラブルは歯周病以外にもあり、それは噛む力が強いフレブルにも多いという「歯の破折(はせつ)」。

 

破折とは歯が割れることで、実は犬や猫の歯はハサミのような構造をしているため、力を入れて噛むと歯が曲がって部分的に割れることがあるのです。

(ハサミも大きなものを挟んで力を加えると刃が曲がるのと同じ要領です)

フレンチブルドッグ,オーラルケア

Marina Kadyrova/shutterstock

 

実際に歯が割れてしまったフレブルの多くはオモチャで遊んでいた時に破折していて、オモチャの中でも硬さに定評のあるボーン系オモチャやヒヅメ、ヒマラヤチーズで遊ばせる時には注意が必要。

 

ただ、これらはフレブルが好んで遊ぶオモチャでもあり、彼らの強力な顎の力を持ってしてもなかなか壊れないのでオーナーとしてはつい与えたくなりますね。

フレンチブルドッグ,オーラルケア

Patryk Kosmider/shutterstock

 

しかし、与える時間を短めに制限する、夢中になって噛みすぎないか遊ばせている間は見守るなど、遊ばせ方に工夫を。

 

また、オモチャで遊びながら歯磨きができると謳う商品も多数ありますが、犬が物を噛む時に使うのは上顎第4前臼歯と下顎第1後臼歯。

 

そのため噛む時に使用する歯以外の歯の汚れはそのまま残るので、残念ながらオモチャでは歯磨きできません。

フレンチブルドッグ,オーラルケア

Mariia Vorona/shutterstock

 

歯周病や破折を起こすと動物病院のお世話になるけれど、動物の場合は歯石を除去したり歯を抜くためには麻酔が必要。

 

大切な愛ブヒに余計な負担をかけないためにも、日頃のケアと注意で健康な歯をキープしてあげることが大切です。

 

「おばあちゃん、お口くさ~い」というパワーワードで全国のシニアを震撼させた人間用デンタルケアのCMを覚えている方もおられるでしょうが、もし愛ブヒの口がクサイかもと感じたら、今しているオーラルケアを見直す時。

フレンチブルドッグ,オーラルケア

Teerawut Bunsom/shutterstock

 

ミドルシニア期のブヒたちがこれからシニア期に入っても大好きなご飯をモグモグできるように、歯の健康を管理するのはオーナーの重要なお役目です。

 

食事によって身体は作られるけれど、まず食事を楽しむには歯が必要だし、歯周病から引き起こされる様々な病気は命取りになるものだって含まれる。

 

それにフレブルやパグなどは口の中の粘膜や舌が分厚いため、マズルのある犬よりも歯の状態確認やオーラルケアがし辛いと言われています。

 

オーナーを誰よりも信頼している愛ブヒにとっては、オーナーが最高の歯医者さん。

 

安心して口の中を見せられる相手だからこそ、念入りにケアができるのです。

 

文/横田愛子

 

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