【愛ブヒの不調は“季節”が引き金かも】季節の変わり目に起きる様々なカラダの変化を、健やかに乗り切るために。
季節の変わり目は体調に変化をきたすことが多々あるけれど、特にこの時期は、季節のみならず環境の変化やホルモンバランスの乱れからいつも以上に体調不良になりやすいもの。これは人間もフレンチブルドッグも同じで、犬にも五月病があるのです。寒暖差や環境変化などその要因は様々ですが、特に今の時期は夏日があったかと思えば再びアウターが欲しくなるほど肌寒い日があったりと、気温の上下がとても顕著。これからやってくる暑い夏に備えて体調を万全に整えておきたい時期だけに、早めに体調不良の芽を摘むのが吉ですよ。
春はヒートの時期だけにソワソワしがち。
近年では季節を問わず訪れることが分かってきたものの、やはり3~5月にかけての春と、9~11月にかけての秋は犬にとってヒート(発情)期間なのは変わりません。
避妊や去勢手術をしたフレブルには影響がないものの、未手術の場合はこの時期目に見えて落ち着きがなくなることも。
女の子の場合はソワソワして散歩を拒否したり、食欲低下やマウンティング行為をすることが多く、男の子ならヒート中の女の子の匂いに興奮して他のワンコと喧嘩になったり、勢い余って脱走を試みるケースも。
これは本能的なものですが、一歩間違えば大きな事故やトラブルの原因になります。
もし避妊や去勢手術をしない選択をしているなら、他の犬が多い時間帯の散歩を控えたりドッグランなどには連れて行かないこと。
特に女の子の場合はヒート期間を終えた後に乳腺の張りや乳汁の分泌といった妊娠に似た症状が現れることがあります。
これは偽妊娠というもので、時間の経過と共に落ち着くことが大半ですが、食欲や元気がなくなるケースもあるのです。
また、偽妊娠状態が長く続くと乳腺炎などの病気を引き起こすこともあるため、偽妊娠症状が長期継続したり重い場合は、獣医師さんに相談してくださいね。
それと同時に、ヒート期間は妊娠維持の作用を持つプロジェステロンというホルモンが分泌されますが、このホルモンの作用によって免疫力が低下します。
それゆえ細菌感染や子宮蓄膿症のリスクが高まるので、未避妊の女の子ブヒのオーナーさんは、体に異変がないか気をつけて観察してあげましょう。
4月は緊張期、そして5月は倦怠期?
新年度となる4月は新たな環境でスタートを切る人も多く、そうでなくても初めましての人に会ったり、初めての環境や仕事に接する機会が増えるもの。
そんな時期には緊張を感じるシーンが多くありますが、東洋医学では過度の緊張は五臓のひとつで体の諸機能を調節する「肝」の機能失調が関係していると言われています。
肝は自律神経や情緒の安定と関わりが深く、機能失調によってイライラしがち。これが動物だとやたらと活動的になって落ち着きを無くします。
春になると動物園の動物がよく動き回るようになりますが、こういった関連もあるのだそう。
同じく東洋医学の「五行(ごぎょう)」に当てはめると、5月は五臓の中心が肝から「心」へと移行する時期。
心はその名の通り精神の宿る場所で、生命活動の中心であると同時に、血脈を司るため全身の滋養を行う場所。
この心の動きが弱まるとストレスや自律神経失調症などの症状が起こり、いわゆる五月病に陥りやすくなります。
これはフレブルもなの? と疑問に思うかもしれませんが、彼らはいつも家族の動向を観察し、寄り添って生きるタイプの性格。
だからこそオーナーさんの心の変化や周囲の変化を敏感に察知し、それが彼らの心身にも影響を与えるのです。
特に引っ越しなどで生活環境が変わるなどライフスタイルに大きな変化があったオーナーさんは、愛ブヒにストレスがかからないよう、普段よりスキンシップを多く取ってストレスケアに時間を割いてあげることが大切です。
『体調維持管理』のコツあれこれ
本来動物は、夏にかけての時期に『食事量を減らすことで体脂肪を落とし、暑い夏に備える』という体づくりをします。
そのためこの時期に食欲が落ちるのはさほど珍しいことではないのですが、そんな時はキャベツや鶏ささみを柔らかく煮込んだスープをトッピングするなど、食欲を刺激するひと手間をプラスするのがおすすめ。
一方で、今まで以上に食欲が増す(というより年中食いしん坊…)というブヒもいますが、過度な食事は内蔵の負担に。
内臓を疲弊させないよう、食いしん坊ブヒの場合は今まで通りの量を厳守することが大事です。
そしてこの時期は寒暖差が大きく、日照時間が長くなる時期。
それによって体内時計が狂いやすくストレスが増すので、気温によって洋服を調整したり、朝は日光浴をしながら散歩をするなど、なるべく規則正しい生活を送るのが体調管理には必須。
ちなみにフレンチブルドッグは見た目の印象とは裏腹に毛がたくさん抜ける犬種でもありますが、この換毛期の時期は毎日ブラッシングをして、抜け毛をしっかりと取り除いてあげましょう。
抜けた毛をそのまま放置しておくと通気性が悪くなり、湿気や汚れが溜まって細菌が繁殖しやすくなります。
それでなくとも花粉やノミ・ダニの影響で皮膚トラブルが増える時期なので、ブラッシングを欠かさず行なって、常に風通しの良い清潔な被毛をキープしてあげてくださいね。
ワクチン接種も『体調優先』で
“季節性鬱”なんて言葉が人間にはありますが、時候の変化で体調を崩すのは人間の一番身近で暮らすフレブルも一緒。
また、春は狂犬病ワクチンの接種時期ですが、狂犬病をはじめ各種ワクチンは、愛ブヒの体調をよく観察し、調子が良い時の午前中に接種するように気をつけてくださいね。
多くの動物病院ではワクチン接種は午前中しか受け付けてくれませんが、これはワクチンで体調が急変した場合、その日のうちにすぐ対処できるようにするため。
病院ではなく小学校などの会場での集団接種に行く場合には、ヒート中のワンコがいることも考え、犬同士のトラブルにもご注意ください。
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