2024年10月11日6,371 View

フレブルパピーの頑張りに泣けた日のこと

まだおチビな月齢でオーナーさんの元に迎えられるフレブルのパピーたち。まるまるムチムチの彼らはみんな天真爛漫で、新しい環境におっかなびっくりしながらも好奇心いっぱい。終の住処となる初めての「我が家」を探索する姿を目にすると、「ようやくうちの子になったんだ」とホッと胸を撫で下ろすかもしれません。先日生後約4ヶ月のパピーを迎えた筆者もそうで、かなりの人見知りさんだと聞いていたけれど、すぐに懐いてくれた我が子に安堵したのです。けれど、実はすっごく頑張って馴染もうとしているのかも、と気づきました。

それは1通のビデオレター

フレンチブルドッグ,楽太郎

 

お迎えの日までに何度もブリーダーさんの元に夫が足を運んでいたおかげで、夫にはスムーズに懐く様子を見せていた愛ブヒ。

 

筆者にもすぐにお腹を見せて甘え始め、人見知りってほどではないかもと思い始めていました。

 

ちなみに愛ブヒは3頭で産まれ、同胎兄妹の女の子ブヒは今もブリーダーさんの元にいます。

 

我が家に来るまでの4ヶ月間はその子とずっと一緒に過ごし、いつもくっついて遊んでいました。

 

だから連れ帰る日に心配したのは、きっとお互い寂しいだろうなということ。

 

けれどもブリーダーさんの元には親ブヒや他のわんこたちもいるし、我が家で寂しい思いはさせないよう精一杯頑張ると心に誓っていました。

 

そして迎えて数日経ったある日、ブリーダーさんから動画が届いたのです。

 

そこには妹ブヒの様子とともに、ブリーダーさんが愛ブヒの名前を呼ぶ声が入っていました。

フレンチブルドッグ,楽太郎

 

スマホから流れるその声を聞いた瞬間、今まで一切吠えなかった我が子がとても嬉しそうに発した「ワゥン」の声。

 

それを聞いた時、やっぱり寂しかったよね、初めてのお家に馴染もうと、そして私たちを信用しようと一生懸命に頑張っていたんだよねと気づき、心がぎゅーっとなりました。

 

考えてみれば当然ですよね。生まれてからずっと慣れ親しんだ環境から突然異なる場所と人の元にやってくるわけですから、怖くてたまらないはず。

 

けれども生きるために、まだ幼ないながらも新たな環境に馴染もうと必死で頑張っていたのでしょう。

 

寂しくさせないようにと頑張る私たちよりもずっと、不安や怖さと闘っていたのは愛ブヒの方だったんです。

 

新人研修期間は犬にも必要

フレンチブルドッグ,楽太郎

 

スマホ越しに聞こえるブリーダーさんの声に瞳をキラキラさせながら反応した我が子を見て、あるシーンを思い出しました。

 

それは、連れ帰る直前に愛ブヒを抱きしめてくれたブリーダーさんの姿。

 

ギュッとハグするその姿を見たときに、ここですごく可愛がってもらっていたんだなと実感しました。

 

ブリーダーさんの元で産まれた子も、ペットショップで見染めた子も、そこには必ずお世話をしてくれる存在がいます。

 

彼らにとってその存在こそが拠り所であったことは、疑いようのない事実。

 

パピーであろうと成犬であろうと、新たに犬を迎えることは彼らを「拠り所」から離すことでもあるんです。

フレンチブルドッグ,家族

StrDr stock/Shutterstock

 

だけど私たちは、待ちに待ったあの子が我が家にやって来る喜びと興奮が先行し、犬たちの気持ちにまで気が回らないかもしれません。

 

それに、迎えたら迎えたで、すぐに躾という名のルールを教える必要もありますよね。

 

躾は早いうちからという不文律に乗っ取り、時に躍起になってお利口な愛犬にしようと奮闘します。

 

けれど目の前にいるこの子たちは、新しい世界のドアを開けたばかり。

 

初めての家、初めての匂い、初めての人。

 

何より、今まで可愛がってくれたりお世話をしてくれた存在も、一緒に寄り添って眠った大好きな兄弟たちもいない世界。

 

これを自分に置き換えて想像してみると、ゾッとします。

フレンチブルドッグ,家族

joerendell/Shutterstock

 

そんな中であれもこれもと求められると、クタクタに疲弊してしまうことでしょう。それに気づいてから、我が家のルールや躾はのんびりと楽しみながら教えることに決めました。

 

まずは信頼してもらうこと。

 

ここには君を愛する人しかいないこと。

 

そして第一に、君が安らげる空間であること。

 

これらを時間をかけて覚えてもらい、多少ヤンチャをしようが粗相をしようが、笑って過ごすことにしました。

 

犬という生き物はとても利口なので、ちゃんと教えたら大事なことはすぐに覚えてくれます。

 

だから新しい世界に馴染むまでの期間は、新人研修期間だと思ってこちらも肩の力を抜くことに。

 

結局それが、互いの絆を作る最初の一歩になるように思うのです。

 

喋らないからこそ、察する力をつける

フレンチブルドッグ,大福

 

先代の愛ブヒとは、言葉を介さずとも互いに考えていることが手に取るようにわかりました。

 

それは長年一緒に月日を重ねてきたからです。

 

どれだけ科学が進歩しても、フレブルが人間の言葉を喋ることはありません(少なくとも筆者が生きているうちは)。

 

でも共に過ごす年月を積み重ねることで、言葉以上の「何か」が生まれ、言語に頼らなくても意思の疎通ができるように。

 

この「何か」こそが絆なのでしょう。

 

そして絆を強く太く結ぶためには時間が必要です。

 

愛犬を迎えて日が浅いうちは、意思の疎通はままなりません。

 

だからこそ、察する必要がある。

 

愛ブヒをしっかりと観察し、今どうしたいんだろう、何を求めているんだろうと想像すること。

 

これを察すると言いますが、察するとは推測することであり、思いやることでもあります。

 

愛する存在の気持ちを想像して思いやること。

 

お互いがまだ相手に慣れていない状況では、この気持ちが一番大事なのではないのかな。筆者は改めてそう思うのです。

 

おわりに

フレンチブルドッグ,家族

BlkG/shutterstock

 

筆者同様に、新たなフレブルを家族に迎えた人もたくさんいるかと思います。

 

その中には色んなことを焦りすぎて、思うようにいかないと落ち込む人もいるかもしれません。

 

でも大丈夫。

 

まずはこの世界に新しくやってきた、目の前の愛すべき存在のペースに合わせて、ゆっくりのんびり、楽しみながら行こうではないですか。

 

 

こちらの記事も合わせてチェックしてみてくださいね。

2頭めもフレブルを迎えることについて

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