2025年5月4日1,412 View

犬の健康診断を春におすすめする理由

狂犬病のワクチン接種のお知らせが届いたり、フィラリア予防の時期に差し掛かるため、4月から5月は動物病院が非常に混み合う時期です。かくいう筆者もつい数日前に愛ブヒとかかりつけの獣医師の元を訪ね、フィラリア薬を処方するための血液検査をしてきました。その際、今の時期に気をつけるべきことやこの季節に多い症状などを伺うのですが、気温がメキメキ上昇するこの時分は、熱中症は言わずもがな、フレブルたちにとっては体調を崩しやすい時期だそう。そこで特に気をつけるべき点を獣医さんに伺ってきました。

目と耳のケアを怠るべからず

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MARCHPN/Shutterstock

 

花粉に黄砂。この時期の空気中にはいろんなものが飛び交っており、特にフレンチブルドッグなどの目が大きい犬種は目のトラブルが起きやすいんです。

 

充血はもちろん、涙やけや目ヤニの増加などが見られる場合はアレルギーや感染症の可能性があります。

 

いつもより目ヤニの量が多かったり涙やけが気になる場合は、まず目のトラブルを疑うべき。

 

また、筆者の愛ブヒもなのですが、よく半目を開けていたり白目を剥いたまま寝ているフレブルがいますよね。

 

怖かわいいと評されるこの寝顔ですが、実は就寝時の半目はドライアイにつながるため、目の健康にとってはマイナス。

 

常に就寝時に半目になっているようなら、瞳の潤いを保つために目薬などを用いるのがおすすめです。

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そして目に次いでトラブルが多いのが、フレブルの特徴的なパーツでもある耳。

 

頻繁に頭を振ったり後ろ足で耳を掻く、床などに耳を擦り付けるなどの仕草をしていたら、何かしら耳にトラブルがあるサインだと思ってください。

 

フレブルは外耳炎や耳血腫になりやすく、短頭種ならではの骨格の構造によって外耳道が狭く通気性が悪いため、もともと皮膚や外耳道に常在している真菌であるマラセチアが繁殖しやすい傾向にあり、マラセチア性外耳炎になると耳から独特の異臭がするようになります。

 

フレブルは幸いにも立ち耳ゆえに耳の中が見やすいので、こまめな耳チェックを行い、ケアとともに耳の中に腫れや異常がないか、匂いはないかなどを確認してくださいね。

 

草花が茂る場所はなるべく避けて

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かかりつけの獣医さん曰く、この時期来院するフレブルに多いのは皮膚トラブルだそう。

 

花粉や黄砂の影響で痒みを発症する子もいれば、気温とともに上昇する湿気で増える黒カビや青カビもその一因。

 

秋冬にはすっかり治まっていた皮膚トラブルが再発しやすいのも今の時期らしく、普段よりも入念な肌チェックが必須とのこと。

 

また、さまざまな植物がわさわさと育つ初夏の時期には、草むらなどで植物にかぶれたり、そこに潜んでいた虫に刺されて皮膚トラブルが起きるケースも多々あるのだとか。

 

そのためなるべく草むらや植物が生い茂る場所には近寄らないようにし、ノミ・ダニ対策は基本1年間通して行うのがベター。

 

散歩後には濡れタオルで体を拭いてブラッシングをして、可能な限りアレルゲンを落とす工夫をすることも欠かせません。

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なお、今年は気温の上昇が例年よりも早いため、蚊が発生するのも早まる恐れがあります。

 

なので5月から忘れずにフィラリア予防をすることはもちろん、蚊の発生を防ぐべく、家の周囲にある植木鉢などに溜まった雨水はこまめに捨て、ボウフラが発生しにくい環境づくりも併せてしておくと安心ですよ。

 

なお、初めて(生後1回目)のフィラリア予防をするパピー以外は、フィラリア予防薬を飲ませる前には必ず血液を採取しフィラリアに感染していないかどうかの確認をします。

 

これはすでにフィラリアに感染している状態で薬を投与すると、大量のフィラリアが一度に駆除され血管に詰まったり、大静脈症候群やアレルギー反応、心停止のリスクがあるから。

 

動物病院で処方してもらうなら事血に検査をするので安心ですが、ネット通販などでフィラリア薬を購入する場合、絶対に勝手に飲まさず、飲ませる前に必ずフィラリア検査を病院で行ってくださいね。

 

春は健康診断に最適な時期。その理由とは

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Hryshchyshen Serhii/Shutterstock

 

普段元気で動物病院には縁がないという子でも、この時期はフィラリア予防のため必ず動物病院へ行きますよね。

 

だからこそ、健康診断を受けるのなら今の時期が一番おすすめなんです。

 

フィラリア検査で血液を採取するため、その血液をそのまま血液検査に流用してもらえば注射も1回で済むし、気温も湿度も上昇し、体調の揺らぎが出やすい時期でもあるので、日頃の不調や気になる箇所の相談も一緒にできます。

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Rybakova Aliona/Shutterstock

 

もともとフレブルはデリケートな犬種だけに病気リスクが高く、私たちオーナーにとっては予防できる病気は予防し、何か疾患があるのならなるべく早いうちに病の芽を摘み取っておきたいもの。

 

健康診断はそういった予防・早期治療はもちろんのこと、予防のための「見守り」という一面もあるんです。

 

健康診断で何も異常がないことを確認するのも見守りのひとつなので、毎年春にフィラリア予防と併せて健康診断をすると決めておけば、忘れることなく毎年健康状態を確認することができますよ。

 

 

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